「採用がうまくいっていないので、一度プロに相談したほうがいいのでは」。そう考えて検索すると、採用コンサルティング、採用戦略パートナー、採用代行、採用事務局と、似たような名前のサービスがずらりと並びます。どれも「採用の課題を解決します」と書いてあるので、違いが分からないまま問い合わせフォームの前で止まってしまう。中小企業の経営者や総務責任者の方から、こうしたご相談をよくいただきます。

分かれ目はシンプルです。採用サービスは大きく「助言する会社」と「実行する会社」に分かれます。助言は考え方や設計図を渡す仕事、実行は日々の連絡を代わりに動かす仕事です。この2つは似ているようで、まったく別の商品です。そして中小企業でよく起きている詰まりは、どちらかというと実行側に寄っています。この記事では、その切り分け方を整理します。

助言(コンサル)と実行(実務代行)は何が違うのか

採用コンサルティングが提供するのは、主に「判断の材料と方向性」です。採用要件の言語化、求人票の設計、媒体選定の考え方、選考フローの再設計、評価基準づくり、面接官の育成。いずれも「何をどうすべきか」を明らかにする仕事で、成果物はレポート・設計書・研修・定例ミーティングという形になります。

一方、実務代行が提供するのは「手を動かす人と時間」です。応募が入ったら電話をかけ、つながらなければSMSを送り、面接候補日を提示し、前日にリマインドを入れ、面接後にフォローの連絡をする。成果物は設計書ではなく、実際に送られた連絡と、埋まった面接枠です。

助言(コンサル)実行(実務代行)
主な提供物方針・設計・レポート・研修連絡・調整・記録などの実作業
動く人助言を受けた自社の担当者委託先の担当者
効果が出るまで社内で実行に移せた分だけ稼働した翌日から
向く課題何をすべきか分からないやることは分かっているが手が回らない
残るもの考え方・基準対応履歴と運用の型

重要なのは、コンサルが劣っているという話ではまったくない、という点です。要件が曖昧なまま求人を出し続けている会社に必要なのは、間違いなく設計の見直しです。ただ、設計図を受け取ったあと、その通りに動く人が社内にいるかどうかは別問題だ、ということです。

「レポートは増えたのに、採用は進まなかった」の構造

コンサルを利用した会社でありがちなのが、「以前コンサルにお願いして、分析資料はたくさんもらったのですが、結局採用人数は変わりませんでした」というものです。これは助言の質が低かったとは限りません。多くの場合、次のような構造が起きています。

診断で「初回連絡が遅い」「日程調整が長引いている」という課題が特定される。改善策として「応募当日に架電」「候補日は3つ先出し」といった打ち手が提示される。ここまでは正しい。ところが実行するのは、日中は現場や本業に出ている総務担当や社長本人です。応募通知が来るのは打ち合わせ中や移動中で、気づいたときには夕方。翌日にかけ直すと、もう他社で面接が決まっている。

つまり、課題の特定と打ち手の提示までは完了していたのに、実行のリソースが手当てされていなかった。この場合、次に必要なのは2回目の診断ではなく、代わりに電話をかける人です。課題の所在をまず自社で確かめたい方は、応募から入社までのフロー図を描くと、課題は一目でわかると面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩が出発点になります。

逆のパターンもあります。実務だけを外に出しても、そもそも採用したい人物像が社内で定まっていなければ、面接は設定できても採否が決まりません。この場合は先に助言側が要る、ということです。

どちらが向いているか、チェックリストで切り分ける

自社がどちらの状態にあるか、次の項目で確認してみてください。当てはまる数が多いほうが、いま優先すべき依頼先です。

助言(コンサル)が向いている状態

実行(実務代行)が向いている状態

前者に多く当てはまるなら、まず設計の相談から入るのが順当です。後者に偏っているなら、いま足りないのは知識ではなく手です。判断がつかないときは、求人媒体を変える前に確認したい、応募後対応の数字で、応募前と応募後のどちらに穴があるかを先に確かめてください。

なお、実務代行のなかにも幅があります。母集団形成から選考実務までまとめて引き受ける形と、応募後の対応に絞る形では、費用も立ち上がりも変わります。この違いは採用代行(RPO)と採用事務局は何が違うのかで整理していますので、あわせてご覧ください。

「両方いる」場合の順番の決め方

実際には、助言も実行も必要な会社が大半です。そのとき悩ましいのは順番と予算配分でしょう。ひとつの考え方として、止血が先、設計が後という順番をおすすめしています。

いま来ている応募を取りこぼしている状態で採用戦略を練り直しても、その間にも候補者は他社へ流れていきます。まず応募後の対応を止めない状態をつくり、そのうえで求人票や要件定義に手を入れる。応募後対応は稼働したその日から動き出しますが、要件の見直しは効果が見えるまで数か月かかることもあります。時間軸が違うのです。

もうひとつ、実行を外に出すと副産物として設計の材料が集まります。応募者が何を聞いてきたか、どの段階で辞退が出たか、どんな理由で連絡が途絶えたか。こうした一次情報は、机上の分析より正確に課題を教えてくれます。実行の記録が、次の助言の精度を上げてくれるわけです。

仮の数字で考えてみます。月に10件の応募があり、うち面接に進むのが3件だとします。ここで媒体を増やして応募を15件にする施策と、対応を整えて面接を6件にする施策では、後者のほうが早く、かつ広告費を増やさずに済みます。順番の話は応募が少ない会社が、応募を増やす前にやるべきことでも詳しく触れています。

任せる前に、社内に残すものを決めておく

どちらに依頼するにせよ、外に出さないほうがよいものがあります。それは採否の判断と候補者に伝える会社の姿勢です。誰を採るかは経営判断そのものですし、面接での対話は他社に代わってもらえません。社長の時間をここに集中させる考え方は、社長が採用面接だけに集中すると、採用は強くなるでまとめています。

逆に、応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定から入社までの連絡は、型をつくれば社外でも動かせる領域です。私たち社外採用部が引き受けているのは、この範囲に加えて、求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用まで、面接以外の採用実務です。面接そのものと採否の判断は御社が行います。月額49,800円〜と初回設計費100,000円、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りする形で、応募後の連絡が止まらない状態をつくります。

「うちはコンサルを入れるべきなのか、人手を借りるべきなのか」。この見極め自体が難しいという声もよくいただきます。サービス責任者の佐々木純平が、御社の応募数・対応状況・社内の体制を伺ったうえで、実務代行が向くのか、それとも先に設計の整理が必要なのかを率直にお伝えします。売り込みの前に、まず現状の切り分けからご一緒させてください。

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