「この媒体はもうダメだ。次はあっちを試そう」。採用がうまくいかないとき、真っ先に候補に挙がるのが求人媒体の乗り換えです。もちろん媒体が合っていないケースはあります。しかし、媒体を変える前にあるものを確認しておきたいところです。応募後対応の数字です。ここを見ずに媒体を替えると、同じ失敗を新しい媒体で繰り返すことになりかねません。

「媒体の問題」と「対応の問題」は別物

採用の成果は、大きく2つの掛け算でできています。

採用数 = 応募数 × 応募後の歩留まり

媒体が影響するのは主に前半の「応募数」と応募者の質です。後半の歩留まり、つまり応募から面接、内定、入社へ進む割合は、媒体を替えても変わりません。自社の対応の質で決まる数字だからです。

応募がまったく来ていないなら、媒体や求人内容の見直しが妥当です。しかし「応募はぽつぽつ来ているのに採用に至らない」なら、疑うべきは媒体より歩留まりです。この切り分けをせずに打ち手を選ぶことが、採用費が膨らむいちばんの原因だと私たちは感じています。

乗り換え判断の前に確認したい4つの数字

過去数か月分の応募について、次の数字を書き出してみてください。正確な記録がなければ概算で構いません。

確認する数字見えること
応募数(媒体別)そもそも応募が来ているか
初回連絡までの時間応募に何時間(何日)で反応できていたか
面接設定率応募のうち面接日程まで進んだ割合
面接実施率日程が決まった人のうち実際に来た割合

このうち下の3つが崩れている場合、媒体を替えても結果はほぼ変わりません。新しい媒体から来た応募も、同じ対応を通れば同じ割合で消えていくからです。

数字が手元にないときの集め方

「そんな記録は取っていない」という場合も、あきらめる必要はありません。多くの求人媒体の管理画面には、応募日時と応募者ごとのやり取りの履歴が残っています。メールの送受信日時や電話の発信履歴も手がかりになります。直近2〜3か月分をさかのぼるだけで、初回連絡までの時間と面接設定率のおおよその姿はつかめます。完璧なデータを目指すより、まず全体の傾向をつかむことが目的です。

あわせて、これから来る応募については、応募日時・初回連絡日時・日程確定日・結果の4項目だけを表に記録し始めてください。1件あたり1分足らずの記録が、数か月後の媒体判断を支える材料になります。

媒体乗り換えで起きがちな悪循環

歩留まりの問題を媒体のせいにしたまま乗り換えると、こんな流れになりがちです。

  1. 新媒体に切り替え、初期費用と掲載費を投じる
  2. 最初は応募が来る(新規掲載は目立ちやすい)
  3. しかし対応は変わっていないので、面接まで進まない
  4. 「この媒体もダメだった」と、また次の媒体を探す

媒体を替えるたびに費用と設定の手間がかかり、各媒体で蓄積したノウハウや実績もリセットされます。原稿の作り直しや写真の再登録といった、見えない工数もばかになりません。撒く水を替え続けても、バケツの穴はふさがらないのです。

数字を確認した結果、媒体を替えるべきとき

もちろん、確認の結果「対応は問題ないのに応募が来ない」なら、媒体や求人票の見直しは正しい打ち手です。その場合も、歩留まりの数字を持っていれば、新媒体の効果を「応募数が増えたか」だけでなく「採用につながったか」まで正しく評価できます。「応募は来る媒体」と「採用まで至る媒体」が別だと分かることもあり、掲載の力の入れどころを変える判断材料になります。数字は、替える判断にも続ける判断にも効いてきます。

歩留まりを直してから、媒体を判断する

順番の提案です。まず応募後対応を整えて歩留まりを立て直す。そのうえで数か月の数字を見て、媒体の継続・変更を判断する。この順番なら、媒体への投資判断を「感覚」ではなく「数字」で下せます。数字が揃っていれば、媒体の営業担当との掲載更新の交渉でも、実績をもとに話ができるようになります。

社外採用部は、いまお使いの媒体や紹介会社はそのままに、応募受付から面接前後・内定入社のフォローまでを採用事務局として代行し、ここで挙げた数字を毎月KPIレポートとしてお返しするサービスです。媒体を替えるかどうか迷っているタイミングこそ、数字を整える好機です。まずは無料相談で、直近の応募がどこまで進んでいたかを一緒に確認してみませんか。