「面接の日程調整に時間がかかっている」という相談をいただくと、まず候補に挙がるのが日程調整ツールです。候補日を並べたURLを候補者に送り、都合のよい枠を選んでもらえば、メールの往復もカレンダーへの転記も要らなくなる。実際に便利な仕組みですし、導入して楽になったというお客様もいらっしゃいます。

ただ、入れてみたものの「思ったほど面接数が増えない」というお声も同じくらい届きます。理由はだいたい共通していて、日程調整という工程が、ツールが得意な部分とそうでない部分に分かれているからです。この記事では、面接が組まれるまでの流れを工程に分けて、どこがツールで解決し、どこが人の手に残るのかを整理します。

日程調整ツールが減らしているのは「往復回数」

日程調整ツールの本質的な効果は、メールやSMSの往復回数を減らすことにあります。

従来なら「候補日を3つ提示する」→「候補者が返信する」→「確定を伝える」→「カレンダーに登録する」という工程が発生します。候補日が合わなければ、ここにもう一往復が加わります。候補日URLを送れば、この往復が一度で済み、確定の通知とカレンダー登録も自動で走ります。

1件あたりの削減時間を仮に10分としても、月に応募が10件あれば100分。これは確かに意味のある削減です。日程が決まるまでの日数が短くなれば、候補者の熱が冷めないうちに面接まで運びやすくなります。

問題は、往復回数の削減が効くのは「候補日が用意できていて、かつ候補者がURLを開いて操作してくれる」場合に限られる、という点です。この2つの前提が崩れている会社では、ツールを入れても面接数は動きにくくなります。

工程で切り分けると、残る仕事が見える

応募が届いてから面接が確定するまでを工程に分けると、次のようになります。

工程日程調整ツールの守備範囲残る仕事
面接官の空き枠を確保する対象外面接官への声かけ、枠の仮押さえ
候補者に一次接触する自動返信までは可能電話での初回連絡、応募内容の確認
候補日を提示する得意(URL送付)候補日が1つも作れないときの調整
候補者が日時を選ぶ得意(自動確定・自動通知)操作しない候補者への別手段
反応がない候補者を追うリマインド送信まで電話での追いかけ、打ち切り判断
直前の変更・キャンセル再予約リンクの発行理由の確認、代替案の提示

こうして並べると、ツールが引き受けているのは真ん中の2工程だということがわかります。上流の「枠の確保」と、下流の「反応がない人の追いかけ」は、そっくりそのまま社内に残ります。

そして中小企業で詰まりやすいのは、たいていこの上流と下流です。面接官が社長や現場責任者で、日中は動けない。空き枠が週に1〜2コマしか作れず、それも埋まっている。この状態では、ツールに登録する候補日そのものが存在しません。枠の作り方そのものについては面接枠が取れない。現場が忙しい会社の面接枠の作り方で詳しく扱っています。

下流も同じです。URLを送って3日間なにも反応がない候補者に対して、ツールは自動リマインドを1通送るところまでは動きますが、電話をかけて話すところまではしてくれません。中小企業の面接日程調整が空中分解する理由と直し方でも触れたとおり、日程が決まらないまま消えていく候補者の多くは、この「反応がない期間」に離れていきます。

候補日URLが逆効果になることがある

もうひとつ、あまり語られない論点があります。職種や年齢層によっては、候補日URLを送ることが一次接触の質を下げてしまう場合があります。

たとえばドライバー、清掃、警備、工場の軽作業、パート・アルバイトなど、応募者がスマートフォンでの入力操作に慣れていないことが多い職種です。URLを開き、カレンダー画面から枠を選び、氏名とメールアドレスを入力して送信する。この一連の操作は、慣れている人には数十秒ですが、慣れていない人にとっては「あとでやろう」と後回しにされる作業になります。そして後回しにされた用件は、多くの場合そのまま忘れられます。

こうした職種では、電話がつながった数分のうちに口頭で日程まで決めてしまうほうが、結果的に速いことが多いものです。電話に出ない方への連絡手段の組み立ては応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番にまとめています。

逆に、在職中の中途採用や事務・技術職など、日中は電話に出られないけれどスマートフォンは常に手元にある層には、候補日URLは相性がよい手段です。つまり「ツールを使うかどうか」ではなく「この候補者に何を送るか」という使い分けの問題だと考えたほうが、判断を誤りにくくなります。

ツールを入れる前に決めておきたい3つ

導入そのものを止める必要はありません。ただ、入れる前に次の3つを決めておくと、効果が出やすくなります。

1. 週の面接枠を先に固定する ツールに登録する枠が空でなければ、候補日提示は一気に速くなります。毎週火曜と木曜の15時〜17時、といった形で先に押さえ、埋まらなければ前日に解放する。順序としては、枠の確保が先でツールが後です。

2. URLを送る相手と、電話で決める相手を分ける 職種別・年齢層別におおまかな基準を決めておきます。判断に迷う場合は、まず電話をかけ、つながらなかった方にURLを送る、という順番でも構いません。

3. 反応がないときの追いかけルールを決める URL送付から何日後に誰が電話をかけるか。何回追って反応がなければ打ち切るか。ここを決めていないと、「送ったまま」の候補者が静かに溜まっていきます。

ツール全般の守備範囲については採用管理システムを入れれば、応募対応は解決するのかもあわせてご覧ください。考え方は共通していて、記録と自動送信は機械が得意、判断と会話は人が担う、という切り分けになります。

残った仕事を、誰が持つか

ここまで整理すると、日程調整ツールを入れたあとに残るのは、面接枠の確保、電話での一次接触、反応がない候補者の追いかけ、直前変更への対応といった、いずれも「人が判断して動く」部分だとわかります。

この残りを社長や総務の方が兼務で抱えていると、結局は応募が来た日に手が回らず、初回連絡が翌日以降にずれていきます。ツールで往復回数を3回から1回に減らしても、その1回を送るまでに2日かかっていては、効果は打ち消されてしまいます。

社外採用部は、この残った部分を引き受ける採用事務局です。応募の受付と初回連絡、面接官の枠に合わせた日程調整、面接前後のフォロー、内定から入社までの連絡までを、御社の窓口として代行します。料金は初回設計費100,000円、月額49,800円〜、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。このほか、求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用もお引き受けし、面接以外の採用実務をまとめて担います。面接そのものと採否の判断は御社が行います。

ツールを入れるべきか、人手を足すべきか。その切り分けからご相談いただけます。まずは現在の応募件数と面接設定の状況をお聞かせください。お問い合わせはこちらから承っています。