パートが急に休んだ日や、思ったより忙しい週に、スキマバイトアプリで人を呼んでしのいでいる。当日でも人が来るので助かる一方、来る人が毎回違うために朝の説明に社員が張りつき、仕上がりにもばらつきが出る。気づけば、アプリの利用が「たまの穴埋め」から「いつもの手段」になっている会社もあるかもしれません。
この記事では、スキマバイトアプリと長期のパート採用を、1か月あたりの費用・教育工数・定着・繁閑への対応の4点で並べて比べます。どちらが正しいかを決めるのではなく、どの業務をどちらで埋めるかを切り分けるための材料としてお読みください。
スキマバイトアプリが埋めるもの、埋めないもの
スキマバイトアプリの強みは、必要な日の必要な時間だけ人を募集できることです。急な欠勤や、イベント・棚卸しのように日にちが決まっている仕事には向いています。
一方で、アプリで埋まるのは「その日の人数」です。翌週も同じ人が来るとは限らないため、作業手順の説明、道具の場所、安全上の注意をその都度伝え直す必要が出てきます。教える社員の時間はその分だけ本来の仕事から抜けますし、慣れていない人が担当する工程では、品質や作業スピードにばらつきが出ることがあります。
つまり、アプリは人数の穴は埋められても、「その仕事を分かっている人」の穴は埋めにくい手段です。ここを分けて考えると、判断がしやすくなります。
4つの観点で並べる
| 観点 | スキマバイトアプリ | 長期のパート |
|---|---|---|
| 1か月あたりの費用 | 働いた分の賃金に、アプリの手数料が上乗せされる仕組みのものがある。料金体系はアプリごとに異なる | 賃金に加え、採用時に求人掲載費や面接の工数がかかる。採用後は賃金が中心になる |
| 教育工数 | 同じ人が来るとは限らないため、初回の説明がその都度発生しうる | 入社後の数週間に集中し、慣れるにつれて減っていく |
| 定着 | 契約は1回ごと。続けて来てくれるかは本人次第 | 続けて働く前提。ただし入社後のフォローが薄いと早期に辞めることもある |
| 繁閑への対応 | 忙しい日だけ募集できる | 閑散期にも一定の勤務時間を用意する必要がある |
費用は、仮の数字で比べてみます。時給1,200円、1日5時間の枠を月12日埋めたいとします。賃金はどちらも 1,200円×5時間×12日=72,000円です。
スキマバイトアプリで埋める場合、仮に手数料を賃金の3割とすると21,600円が加わります。さらに毎回初めての人が来ると仮定し、初回説明に社員が30分×12回=6時間を使い、社員の時給換算を2,000円とすると12,000円。合計は月105,600円です。
長期パートを採る場合、仮に求人掲載費60,000円、最初の1か月の指導に社員が10時間(20,000円)を使うとすると、1か月目は72,000円+60,000円+20,000円=152,000円。2か月目以降は、指導時間を計算から外すと賃金の72,000円です。
累計で見ると、1か月目はアプリのほうが安く、3か月目にはアプリ316,800円、長期パート296,000円と逆転します。ただしこれは、採用したパートが続けて働き、アプリで毎回違う人が来るという前提の計算です。手数料率は利用するアプリの料金表で、教える時間は自社の実態で置き換えてください。採用したパートが早く辞めれば、掲載費と指導時間をもう一度払うことになります。受け入れ側の準備は教える人を決めずに迎えない。OJT担当の決め方も参考になります。
単発で回す業務と、長期で採る業務の切り分け方
表の比較を自社に当てはめるときは、職種単位ではなく、業務の中身で分けるのがおすすめです。次の4つの問いで仕分けてみてください。
- 説明が10分以内で済むか。 運搬、梱包、清掃の補助など、手順を口頭で伝えればその日から動ける業務は単発向きです
- 毎回やり方が変わっても困らないか。 仕上がりの差がお客様に直接伝わる工程や、ミスが事故につながる工程は長期向きです
- 必要な日が予測できるか。 月末だけ、特定の曜日だけ、と波がはっきりしている業務は単発で厚くし、毎日同じ量がある業務は長期で埋めます
- その人がいると周りが楽になるか。 慣れた人がいることで社員の手が空く業務は、教育工数を払ってでも長期で採る価値があります
仕分けた結果、長期で採るべき業務までアプリで回していると分かったら、それは欠員を「待つ」のではなく「その日暮らしで払い続けている」状態です。毎月どれだけ失っているかは欠員1人のまま回すと、毎月いくら失っているのかの考え方で金額にできます。
併用するとき。単発で来た人を長期に誘う一言
アプリと長期採用は、どちらか一方に決める必要はありません。単発で来て仕事ぶりが良かった人に、長期で働く道を案内するのは自然な併用の形です。
その前に、利用しているアプリの規約を必ず確認してください。アプリによっては、利用者を直接雇用に切り替える際の手続きや条件が定められている場合があります。規約に沿った方法で声をかけることが前提です。
声をかけるのは、その日いちばん近くで教えた社員が、勤務の終わりに伝えるのが自然です。たとえば次のような一言です。
「今日はありがとうございました。○○の作業、初めてとは思えないくらい手際がよくて助かりました。うちでは火曜と木曜の午前で続けて働ける方も募集しています。今すぐお返事いただかなくて大丈夫なので、もし気になったら、この紙の番号に連絡ください。」
押さえたいのは4点です。何が良かったかを具体的に伝えること、曜日や時間帯など働き方を一言添えること、その場で返事を求めないこと、連絡先を紙で渡すこと。声をかけた相手の名前と日付は記録しておき、連絡が来たときに誰の話か分かるようにしておきます。
長期パートを採るなら、応募後の動きで差がつく
長期で採ると決めても、求人を出して応募を待つだけでは人は来ません。パートの応募者は近隣の複数の求人を見比べていることがあり、連絡が遅れるとその間に他で決まることがあります。応募当日の動き方はパート・アルバイト採用こそスピード勝負。応募当日の動き方にまとめています。
ただ、日々の現場を回しながら、求人の運用、応募への初回連絡、面接日程の調整、採用連絡後のフォローまで社内で抱えるのは負担が大きいものです。アプリに頼り続けている背景に、「採用の手が回らない」という事情がある会社もあるのではないでしょうか。
株式会社Talencoの「社外採用部」は、求人・媒体の運用から、応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後や入社までのフォローを社外から代行する採用事務局です。面接そのものと採否の判断は御社に残し、その手前と後ろを引き受けます。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、以降は支援内容に合わせて個別にお見積りします。応募件数に応じた従量課金ではありません。
どの業務を単発で回し、どの業務を長期で採るか。その整理から一緒に考えたい場合は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
無料相談