これまで中途採用だけで人を補ってきた会社が、はじめて新卒や第二新卒の方と面接をすると、面接が終わったあとに「結局、よく分からなかった」という感想が残ることがあります。前職の話がない、担当業務の説明もない、聞けば聞くほど当たり障りのない受け答えが返ってくる。そのまま「素直そうだった」「元気があった」という印象だけで採否を決めてしまい、入社後に見立てが外れる。

これは面接官の腕の問題というより、使っている質問が合っていないことが多いものです。中途向けの面接は「これまで何をやってきたか」を軸に組み立てられています。その軸が最初から存在しない相手に同じ台本を当てれば、空振りするのは当然とも言えます。

中途の台本が空振りするのは、質問の前提がずれているから

中途面接でよく使う質問は、たいてい職務経歴という土台の上に立っています。「前職でどんな成果を出しましたか」「なぜ転職しようと思ったのですか」「入社後すぐに活かせる経験は何ですか」。これらは、相手が仕事の文脈をすでに持っていることを前提にした問いです。

職歴のない相手にこれを当てると、返ってくるのは行動ではなく「言葉」になります。学生生活で特筆すべき成果を語れる方はそう多くありませんし、第二新卒の場合も在籍期間が短く、任されていた範囲は限られています。結果として、就職対策で覚えた言い回しを上手に話せた人が高く評価されてしまう、という逆転が起きやすくなります。

では何を見るのか。経験が材料にならないなら、材料は「行動の仕方」と「相性」の二つに絞るのが現実的です。どんな場面でどう動いたか。そして、自社の現場に置いたときに続きそうか。この二つなら、職歴がなくても確かめられます。

中途で見ているもの新卒・第二新卒で代わりに見るもの
前職での成果・担当範囲アルバイト・部活・学業での具体的な行動
即戦力としてのスキル覚える速さ、分からないときの振る舞い
転職理由の納得感働き方の希望と自社の実態が噛み合うか
志望動機の具体性会社・仕事をどこまで調べて来たか(深追いはしない)

行動は「状況・やったこと・結果」の三段で掘る

アルバイトでも部活でも学園祭の実行委員でも構いません。本人が一定期間続けた活動をひとつ選んでもらい、そこを縦に掘ります。テーマが立派かどうかは関係ありません。掘ったときに具体が出てくるかどうかが見たい点です。

聞き方は三段で十分です。

  1. 状況「そのアルバイトは何人くらいのお店で、あなたは何を任されていましたか」
  2. やったこと「いちばん大変だった時期のことを教えてください。そのとき、あなたは具体的にどう動きましたか」
  3. 結果と振り返り「それで何が変わりましたか。もう一度同じ場面になったら、どこを変えますか」

二段目で言葉が止まる、あるいは「みんなで協力して頑張りました」のまま具体に下りてこない場合は、角度を変えてもう一度聞きます。「そのとき、あなたが最初にしたことは何でしたか」「誰に何と声をかけましたか」。主語を本人に固定した問いにすると、実際にやった人とそうでない人の差が出やすくなります。

この掘り方で見えてくるのは、物事を自分の持ち場として捉える範囲の広さ、困ったときに人に聞けるかどうか、うまくいかなかったことを自分の言葉で振り返れるかどうかです。入社後の立ち上がりは、スキルよりこのあたりに左右されることが多いものです。

あわせて、学業やアルバイトを選んだ理由ではなく「どう続けたか」を聞くのも有効です。シフトの入り方、休んだときの連絡の仕方、辞めた理由。地味な質問ほど、入社後の働き方に近い情報が出てきます。なお、家族構成や生活信条など本人の能力と関係のない事項は、学生相手でも聞いてはいけない領域です。うっかり踏み込まないよう、面接で聞いてはいけない質問。悪気のない一言が問題になるもあわせて確認しておいてください。

志望動機を深追いしない

「なぜ当社なのですか」を繰り返し問い詰める面接は、新卒・第二新卒ではあまり実りがありません。理由は二つあります。

ひとつは、学生の多くが数社から十数社を並行して受けており、どの会社にも通る志望動機を準備してくるためです。深追いすると、準備の精度を測っているだけになりかねません。

もうひとつは、職歴のない方にとって、働く前から特定の会社への強い志望を持つこと自体が難しいという事情です。入社の決め手は、面接で会った人の印象や、選考中の対応の丁寧さといった、面接後に積み上がる要素で固まっていくことが多いものです。

ですから志望動機は、一度聞いて「どこまで調べて来たか」を確認する程度にとどめます。確認したいのはこの三点です。

熱意を測るのではなく、誤解のまま入社しそうな箇所を見つけるための質問だと位置づけると、面接の時間配分も収まりやすくなります。限られた30分をどう割り振るかは、30分の面接で何を聞くか。中小企業の面接進行台本も参考になります。

現場との相性は、短い質問で確かめる

最後に、自社の現場に置いたときに続きそうかを見ます。ここは長く話す必要はなく、短い質問をいくつか置けば足ります。会社ごとに「ここが合わないと辛い」という箇所は違うので、自社の実態に合わせて二つか三つ選んでください。

三つ目のように、しんどい部分を先に言葉にしておくことも大切です。採用したい気持ちが先に立つと良い面だけを伝えてしまいがちですが、入社前の期待と現場の実態がずれていると、早期離職につながりやすくなります。

面接での印象は時間が経つと曖昧になります。終わったら5分以内に、必須要件ごとの◯△×と、そう判断した根拠の一行だけを書き残しておきます。複数名を比べるとき、この一行があるかどうかで判断の速さが変わります(面接評価シートの作り方)。

見極めの前に、会ってもらうまでを切らさない

新卒・第二新卒の採用では、面接の質問を磨く以前のところで取りこぼしが起きがちです。学生は複数社を並行して受けており、連絡が遅れた会社から順に候補から外れていきます。面接日が二週間先になれば、その間に他社の選考が進みます。面接の中身を整える前に、応募から面接までの時間と、面接後の連絡の速さを点検しておくほうが効果が出やすい局面もあります。

社外採用部は、中小企業の採用事務局として、求人・媒体・スカウトの運用や学校との接点づくりといった母集団形成から、応募の受付、初回連絡、面接の日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社後のフォローまでを社外から引き受けます。新卒・中途それぞれの局面に合わせて担当をアサインするため、一人分の人件費で複数の役割を使い分けられます。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円。以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。

面接そのものと採否の判断は、御社にお願いしています。誰を仲間に迎えるかは会社の根幹であり、そこに経営者の時間と判断を集中していただくための体制です。

「応募は来ているのに面接まで繋がらない」「学生の見方が分からないまま面接だけ続いている」という状況でしたら、まずは現状をお聞かせください。ご相談はこちらから承ります。