求人サービスの営業担当から「これからはスカウトの時代です」と勧められる一方で、これまで通り求人媒体に掲載すればいいのではないか、とも思う。料金表を並べてみても、何がどう違うのかがすっきりしない。そんな状態で判断を先送りしている経営者や総務の責任者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

スカウト型と掲載型は、どちらも「人を集める手段」です。ただし、社内で発生する作業の中身と量がまったく違います。この記事では、料金の高い安いよりも先に「誰が、毎週、何をすることになるのか」という観点から両者を比べ、自社に合う方を選ぶための判断軸と試す順番を整理します。

スカウト型と掲載型は「最初に動く人」が違う

掲載型の求人媒体は、求人原稿を載せて求職者からの応募を待つ仕組みです。最初に動くのは求職者で、会社の仕事は「応募が来たら受け止めること」が中心になります。

スカウト型は、求職者が登録したプロフィールを会社側が検索し、声をかけたい人にメッセージを送る仕組みです。最初に動くのは会社です。対象者を探し、一人ずつ文面を考えて送り、返信が来たら面接へつなぐ。応募が来るかどうかに関係なく、会社側が手を動かさない限り何も始まりません。

この違いは、作業の発生の仕方に表れます。掲載型の作業量は応募の数に比例して増減しますが、スカウト型は成果が出ていない週でも「探す・書く・送る」の作業が発生します。

週あたりの作業量を仮の数字で比べる

両者の作業量を、仮の数字で並べてみます。条件は会社によって大きく変わるため、あくまで構造をつかむための例としてご覧ください。

作業スカウト型(仮の例)掲載型(仮の例)
対象者の検索・選定週60分なし
文面の作成・送信30通×4分=120分なし
掲載状況の確認・原稿の手直しなし週30分
返信・応募への初回連絡と日程調整返信3件×20分=60分応募5件×20分=100分
合計240分(4時間)130分(約2時間10分)

この例では、スカウト型は毎週4時間、掲載型は約2時間10分の作業になります。注目していただきたいのは合計の差よりも内訳です。スカウト型の4時間のうち3時間は、返信が1件も来なくても発生する作業です。掲載型は応募が少ない週には作業も減りますが、そのぶん待つしかない状態にもなります。

もう一つの違いは、作業に求められる中身です。スカウトの文面は、相手のプロフィールのどこに惹かれたのか、自社のどの仕事なら経験を活かせるのかを書かないと、一斉送信の定型文と区別がつきにくくなります。仕事の中身を理解している人でなければ書けない作業だという点が、掲載型の事務作業とは性質が異なります。

職種・地域・費用の発生の仕方で見る違い

職種の違い スカウト型が成り立つのは、そのサービスのデータベースに自社が求める人が登録している場合です。資格や経験年数で条件をはっきり絞れる職種、在職中で自分からは積極的に求人を探していない人を狙いたい職種では、こちらから声をかける意味が出てきます。一方、職種名で検索して自分で求人を選ぶ人が対象になる仕事、たとえば近所で働けるパート・アルバイトなどは、掲載型で見つけてもらう方が仕組みとして素直です。

地域の違い 通勤圏が限られる地域では、データベースを検索しても、通える範囲に住む対象者がごく少数しかいないことがあります。送る相手がいなければスカウトは成立しません。導入前に、営業担当に自社の勤務地と条件で検索した場合の登録者数を見せてもらうと判断しやすくなります。

費用の発生の仕方 掲載型には、掲載期間ごとに前払いする型、クリックされた分だけ払う型、採用が決まったときに払う型などがあります。スカウト型には、データベースの利用料を期間で払う型、送信通数に応じて払う型、採用時に成功報酬を払う型などがあります。どちらの場合も、料金表の金額だけでなく「成果がゼロでも払う部分はどこか」「社内の工数はどれだけ乗るか」を合わせて見ることが大切です。スカウト型は、利用料に加えて先ほどの毎週の工数が乗る点を忘れずに計算に入れてください。

媒体そのものの絞り込み方は、求人媒体はどう選ぶか。職種と地域で絞る順番で詳しく扱っています。

判断軸は「毎週手を動かせる人がいるか」

ここまでの比較を踏まえると、最初に確認したいのは料金でも流行でもなく、次の点です。

この3つがそろわないままスカウト型を始めると、利用料だけが発生し、送信が止まったり、定型文の一斉送信になったりすることがあります。逆に、仕事をよく知る人が週に数時間を確保できるなら、掲載型では出会えない層に届く可能性があります。

なお、どちらを選んでも、返信や応募が来たあとの対応が遅れれば面接には進みません。返信は来ているのに面接が組めていない場合は、手段を変える前に応募後の動きを見直す方が先です。この点はスカウト送信代行と応募後対応、どちらから手を付けるかで整理しています。

両方を同時に始めない理由と、試す順番

「どちらが合うか分からないなら両方やればいい」と考えたくなりますが、同時に始めることはおすすめしません。理由は3つあります。

1つ目は、工数が重なることです。仮の例で見たスカウト型の4時間と掲載型の約2時間10分を合わせると、毎週6時間以上になります。兼務の担当者にとっては、どちらも中途半端になりやすい量です。2つ目は、どちらが効いたのか切り分けにくくなることです。同じ時期に始めると、面接につながった人がどちらの経路だったのかを記録していないと、次の予算判断の材料が残りません。経路の記録方法はどの媒体から来た応募か分からない。経路を記録するが参考になります。3つ目は、応募後の受け皿があふれることです。返信と応募が同時に来て初回連絡が遅れれば、せっかくの反応を逃すことになります。

試す順番は、次のように組むと判断しやすくなります。

  1. 応募や返信が来たら当日中に初回連絡できる体制を先に整える
  2. 職種名で探される仕事なら掲載型から、対象者が資格や経験で限られる仕事ならスカウト型から、一つだけ始める
  3. たとえば1回の掲載期間や2か月など期間を区切り、面接設定の件数と社内でかかった時間を記録する
  4. 結果を見て、続けるか、もう一方を足すか、切り替えるかを決める

スカウト型か掲載型かは、どちらが優れているかではなく、自社の誰がどれだけ動けるかで決まる選択です。

株式会社Talencoの「社外採用部」では、求人媒体の運用やスカウト送信といった母集団形成から、応募や返信への初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社までのフォローまでを、局面に合わせてアサインした担当が社外から代行します(面接そのものと採否の判断は御社で行っていただきます)。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。「社内に手を動かせる人がいない」という段階からでもご相談いただけますので、お問い合わせフォームからお気軽にお声がけください。