採用にお金をかけられない。まずは無料で使えるものから試したい。中小企業の経営者や管理部門の方から、よくうかがう話です。実際、ハローワークや自治体、公的な支援機関には無料で使える仕組みが数多くあります。使わない理由はありません。
一方で、しばらく利用してみて「求人は出せたけれど、その先が進まない」と感じている方もいらっしゃいます。これは無料支援の質が低いからではなく、公的支援が担う範囲と、自社に残る範囲の境目がわかりにくいことから生じるすれ違いです。この記事では、その線引きを工程別に整理します。
無料で使える公的支援には、どんなものがあるか
まず、代表的なものを挙げます。地域や時期によって名称や内容は変わるため、あくまで全体像としてご覧ください。
ハローワークは求人の受理と公開が中心です。求人票の書き方についての助言を受けられることも多く、事業所の情報を登録しておけば求職者から検索されます。窓口の職員から求職者へ紹介してもらえる場合もあります。
自治体・産業振興センター等では、採用に関する相談窓口、合同企業説明会や就職面接会への出展枠、求人票づくりのセミナーなどが用意されていることがあります。市区町村単位で独自の補助を持っている地域もあります。
助成金の相談は、労働局やハローワーク、社会保険労務士を通じて受けられます。トライアル雇用や特定の対象者の雇入れに関するものなど、採用と雇用に関わる制度が複数あります。
よろず支援拠点や商工会議所では、経営全般の相談の一環として採用の話を持ち込めることがあります。
いずれも共通しているのは、「応募が来るまで」と「雇った後の制度」に厚いということです。求人を出す前の準備と、採用が決まった後の手続き・助成。この両端が公的支援の得意な領域です。
工程別に見ると、境目がはっきりする
採用の流れを工程に分け、どこまでが無料支援でカバーされやすいかを並べてみます。制度や地域によって差があるため、傾向としてお読みください。
| 工程 | 公的な無料支援 | 自社に残るもの |
|---|---|---|
| 求人票をつくる | 書き方の助言、フォーマット提供 | 何を書くかの中身の決定 |
| 求人を出す | 求人受理・公開、面接会への出展 | 媒体との併用判断 |
| 応募を受ける | (紹介状の発行など一部) | 通知の受け取り、確認 |
| 初回連絡 | 対象外 | 電話・SMS・メールの実行 |
| 日程調整 | 対象外 | 候補日の提示、面接枠の確保 |
| 面接前後のフォロー | 対象外 | リマインド、質問対応 |
| 内定・入社 | 助成金の申請相談、労務手続きの案内 | 承諾までのフォロー、受け入れ準備 |
見ていただくとわかる通り、応募が届いた瞬間から面接、内定承諾までの区間が、ほぼそのまま自社に残ります。ここは候補者と一対一で向き合う時間であり、その会社の判断が必要になる場面だからです。公的機関が代わりに電話をかけたり、面接日程を決めたりすることは想定されていません。
ハローワーク経由の応募については、紹介状の扱いや選考結果の報告など媒体とは異なる実務があります。詳しくはハローワーク経由の応募は、対応の仕方が違うをご覧ください。
まず無料で試すこと。その順番
予算をかける前に、無料でできることをひと通り試す。この順番自体は、正しい進め方だと考えています。おすすめの並びは次の通りです。
1. ハローワークに求人を出し、求人票の助言を受ける 無料で、かつ求人票の中身を見直すきっかけになります。給与・シフト・仕事内容の書き方を第三者の目で点検してもらえる機会は、それほど多くありません。
2. 地域の面接会・合同説明会の出展枠を確認する 地元で働きたい方と直接会える場です。出展そのものが無料でも、当日の人員と準備時間はかかります。そこは見込んでおいてください。
3. 助成金の対象になりそうか、窓口で確認する 制度は要件が細かく、変更もあります。該当しそうなものがあれば、採用単価の計算に組み込めます。考え方は採用に使える助成金は、費用計算にどう組み込むかで整理しています。
4. 応募が届いた後、何件が面接まで進んだかを数える ここが重要です。無料支援で応募の入り口を整えたら、次はその応募がどこまで進んだかを見ます。仮に、3ヶ月で応募が12件届き、面接まで来たのが3件だったとします。この場合、問題は入り口ではなく、応募後の区間にあります。数え方は面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩にまとめました。
無料で埋まらない部分に、有料の手を入れる
4番まで進めると、判断材料がそろいます。
応募自体がほとんど来ていないなら、求人の出し方や条件の見直しが先です。この場合、無料支援の枠内でまだできることが残っているかもしれません。
一方、応募は届いているのに面接まで進まない、または面接後に連絡が途切れる。この状態であれば、詰まっているのは公的支援の対象外の区間です。ここは誰かが電話をかけ、候補日を出し、前日にリマインドを送らないと動きません。そして、その「誰か」は社長や総務担当の方であることが多く、本業の合間に処理されるため、初回連絡が翌日以降にずれていきます。
弊社が提供している「社外採用部」は、この区間を社外で引き受ける採用事務局です。応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社フォローまでを代行します。料金は月額49,800円から、初回設計費が100,000円、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用も面接以外の採用実務としてお引き受けしますが、無料の公的支援で入り口を整え、詰まりやすい応募後を外に出すという組み合わせも成り立ちます。面接そのものと採否の判断は御社が行います。
予算配分の考え方は採用に使える予算が月5万円しかない会社の優先順位でも扱っています。
制度の詳細は、必ず窓口で確認してください
公的支援の内容、助成金の要件、自治体の事業は年度ごとに変わります。この記事に書いた内容も全体像の整理にとどまるため、実際に利用される際は管轄のハローワーク、労働局、お住まいの自治体の窓口で最新の情報を必ず確認してください。
そのうえで、「無料でできることはやった。それでも応募が面接につながらない」という段階に来ているなら、詰まっている工程を一緒に切り分けるところからお手伝いできます。自社の応募件数と面接件数を手元に用意していただければ、話は早く進みます。
まずは現状をお聞かせください。ご相談はこちらから承っています。
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