求人媒体だけでは応募が集まらず、ダイレクトリクルーティングを始めた。ただ、候補者を探して文面を書いて送るところまで社内では手が回らない。そんなときに「スカウト送信代行」の提案が届きます。一方で、すでに返信はぽつぽつ来ているのに、そこから面接につながっていない会社もあります。どちらに費用をかけるべきか、判断がつかないまま両方の見積もりを眺めている――という状況は、決してめずらしくありません。
この記事では、スカウト代行と応募後対応が実際には何をしている仕事なのかを切り分けたうえで、自社がどちらから手を付けるべきかを、いま手元にある数字で判断する方法を整理します。
スカウト代行と応募後対応は、別の仕事をしている
両者の違いは、担当する時間帯で分けると分かりやすくなります。
スカウト送信代行が請け負うのは、おおまかに「送るまで」です。ターゲット条件の設定、データベースからの候補者抽出、文面の作成、送信、そして返信率の集計。つまり返信を増やすことが成果の仕事です。
応募後対応(採用事務局)が担うのは「返信が来たあと」です。返信や応募に対する初回連絡、電話がつながらないときの二の手、面接候補日の提示と確定、面接前のリマインド、面接後のフォロー、内定・入社までの連絡。こちらは返信をくれた人を面接まで、そして入社まで運ぶことが成果です。
似て見えて、成果の定義がまったく違います。人材紹介との役割の違いを整理した人材紹介と社外採用部は、何が違うのかでも触れていますが、「連れてくる仕事」と「つなぐ仕事」は混ぜて発注すると境目が曖昧になります。
そして実務で問題が起きやすいのは、まさにこの境目です。スカウト代行の契約範囲が「送信まで」なのか「返信の一次受けまで」なのかは業者によって異なります。検討中の方は、**返信が来た瞬間に誰が動くのかを、契約前に必ず確認してください。**ここが空白のまま運用が始まると、返信は増えたのに誰も返していない、という状態が生まれます。
返信は来ているのに消える、という構造
スカウトの返信は、応募とよく似た性質を持っています。
ひとつは、来る時間帯です。在職中の方がスカウトを読むのは、通勤中や夜、休日が中心になります。会社が動けるのは平日の日中。このズレは、媒体からの応募と同じ構造です。
もうひとつは、同時進行の相手がいることです。スカウトを受け取る方は、たいてい他社からも同時に届いています。しかもスカウトは自分で探して応募したわけではないため、応募に比べて志望度の土台が薄い状態から始まります。返信は「話を聞いてもいい」という段階の合図にすぎず、その熱量は放置すれば静かに下がっていきます。
三つ目は、返信の中身が確定していないことです。「詳細を教えてください」「一度お話を聞かせてください」という返信に対して、会社側が数日かけて面接候補日を探しているうちに、相手の関心は別の会社へ移ります。
初回接触の速さがなぜ効くのかは応募後1時間以内の初回連絡が、採用の歩留まりを変える理由で詳しく書きましたが、スカウト返信はこの原則がより強く働く場面だと考えています。一般に、返信後の初動が翌営業日以降になっている会社ほど、返信数と面接数の差が開きやすい傾向があります。
着手順は「返信数」と「面接設定率」のどちらが低いかで決まる
ここからは判断です。必要な数字は3つだけです。直近3ヶ月のスカウト送信数、返信数、面接実施数。媒体経由の応募がある場合は、同じ形で応募数・面接数も並べます。
仮の数字で考えてみます。送信200通に対して返信10件、面接が3件だったとします。返信後に面接まで進んだ割合は3割です。この状態でスカウト送信を倍の400通に増やせば、返信は20件前後に増えるかもしれませんが、面接は6件前後にとどまります。送信量を倍にして得られるのは面接3件分です。
一方で、返信10件のうち8件を面接まで運べるようになれば、送信量を変えずに面接は8件になります。どちらが先に効くかは、この比較でおおよそ見えてきます。
逆のケースもあります。送信200通で返信が2件、うち2件とも面接に進んでいる場合、詰まっているのは明らかに入口側です。文面やターゲット条件の見直し、つまりスカウト側に手を入れるほうが先になります。
| いまの状態 | 先に手を付ける先 | 理由 |
|---|---|---|
| 返信は来るが面接に進まない | 応募後対応 | 送信を増やしても同じ割合で消える |
| 返信そのものが極端に少ない | スカウト側(文面・ターゲット) | 運ぶ対象がまだ生まれていない |
| 返信も少なく面接も進まない | 応募後対応を整えてから増やす | 増えた瞬間に対応が破綻しやすい |
面接設定率の計算と記録の仕方は面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩にまとめています。「媒体を変えるべきか」で迷っている場合の切り分けは求人媒体を変える前に確認したい、応募後対応の数字が近い内容です。
なお3つ目のケース、どちらも低い場合の順番については、応募後対応を先に整えることをおすすめすることが多いです。入口を広げてから対応を整えると、増えた返信を取りこぼしながら改善を進めることになり、もっとも高くつくためです。
併用する場合の役割分担
両方に手を入れる場合、分担の線は「送信」と「返信後」で引くのが分かりやすくなります。
スカウト側が担うのは、ターゲット条件の設定、文面の作成と改善、送信、返信率の集計。応募後対応側が担うのは、返信・応募への初回連絡、電話とSMS・メールの使い分け、面接候補日の提示と確定、前日リマインド、面接後のフォロー、内定・入社までの連絡です。
このとき決めておきたいのが、引き渡しのルールです。返信の通知をどこで受けるか、受けてから何分・何時間以内に一次連絡を入れるか、面接の候補枠は誰がどこまで押さえているか。この3点が決まっていないと、担当が分かれた分だけ空白が増えます。
私たちの「社外採用部」は、スカウト送信を含む母集団形成の運用から、応募やスカウト返信が来たあとの候補者対応まで、面接以外の採用実務を社外で受け持つサービスです。面接そのものと採否の判断は御社が行います。料金は月額49,800円からで、初回に業務設計費100,000円で、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。送信を担う会社と応募後対応を担う会社を分けて発注することも、まとめて任せることもできます。
まずは送信数・返信数・面接数の3つを並べてみてください。どちらが低いかが分かれば、次に払うべき費用の行き先はかなりはっきりします。数字を出したうえで着手順を相談したい方は、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。現状のスカウト運用をお聞きしたうえで、応募後対応を先に整えるべきかどうかを含めて、率直にお伝えします。
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