求人媒体の営業電話がかかってくるたびに、「うちはどれを使えばいいのか」と迷う。ネットで比較記事を読んでも、掲載社数や会員数の数字が並ぶだけで、自社が選ぶべき一社は見えてこない。そんな状態のまま、付き合いの長い媒体を惰性で使い続けている会社は少なくありません。
媒体選びが難しいのは、選択肢が多いからというより、比べる前に自社の条件が言語化されていないからです。条件さえ先に決めてしまえば、候補は自然と3つ程度まで絞れます。この記事では、媒体の一覧比較ではなく、自社が選ぶときの絞り方の順番をお伝えします。
まず書き出すのは、媒体名ではなく自社の4条件
媒体のサイトを開く前に、紙一枚に次の4つを書き出してください。この順番で考えると、候補は絞りやすくなります。
| 条件 | 書き出す内容 | 絞り込みへの効き方 |
|---|---|---|
| ①職種 | 現場職か、事務職か、専門資格が要るか | 媒体ごとに得意な職種が偏る |
| ②募集地域 | 通勤圏は何km/何分までか | 全国型かエリア型かが決まる |
| ③雇用形態 | 正社員/パート・アルバイト/業務委託 | 媒体の主力層と直結する |
| ④年齢層 | 実際に来てほしい人の年代 | 利用者の年代と媒体が合うか |
①の職種は、求人票のタイトルではなく「実際にやる仕事」で書きます。たとえば「製造スタッフ」ではなく「日勤の検品作業、立ち仕事」まで落とすと、どの媒体の利用者と噛み合うかが見えやすくなります。
②の地域は、広く取りすぎないことが大切です。「全国から来てほしい」と考えたくなりますが、通勤できない人の応募が増えても対応工数が増えるだけです。実際に通える範囲を先に決めてしまったほうが、媒体の選択肢は絞れます。
④の年齢層は、求人票に書けない項目ですが、媒体を選ぶ際には重要な判断材料です。スマートフォンのアプリで求人を探す層と、ハローワークや折込求人を見る層では、そもそも接点が違います。条件が合わない媒体にいくら出しても、見てもらえません。
4条件を当てはめて、候補を3つまで絞る
4つの条件を書き出したら、媒体を見ていきます。ここで一覧表を作って10社も20社も比べ始めると、どれも一長一短に見えて決まらなくなります。最初から3つに絞ることを前提に見るのがおすすめです。
絞り方の順番は、①職種 → ②地域 → ③雇用形態 → ④年齢層です。影響の大きい条件から当てていくと、早い段階で候補が落ちます。
- 職種で落とす:ドライバー、介護、飲食など、職種特化型の媒体がある分野なら、まずそこを候補に入れます。資格職は特化型のほうが噛み合うことが多いものです
- 地域で落とす:全国規模の媒体は掲載数が多い反面、地方では同じ地域の求人が少なく埋もれることもあります。地域紙やエリア特化の媒体、ハローワークとの併用も候補に入ります
- 雇用形態で落とす:正社員中心の媒体にパート求人を出しても、閲覧者の目的と合いません。パート・アルバイトは、近隣で探す層が見る媒体かどうかで判断します
- 年齢層で確認する:ここは落とすというより、残った候補が本当に合っているかの最終確認に使います
この手順で残った3つが、比較検討の対象です。前に使った媒体の実績があるなら、それも1枠に入れて構いません。比較の母数を減らすこと自体が、決めるための工夫です。
営業担当に聞く質問を、先に決めておく
候補が3つに絞れたら、各社の営業担当に話を聞きます。このとき、向こうの説明を聞くだけだと、どの社も「御社の採用に強い」という結論になってしまいます。こちらから同じ質問をして、答えを横に並べられるようにしておきましょう。
聞いておきたいのは、次のような項目です。
- 同じ職種・同じエリアでの掲載実績:直近で似た条件の求人がどれくらい出ているか。具体的な社名は出せなくても、傾向は話せるはずです
- 応募が来やすい時期と曜日:掲載開始日をずらすだけで結果が変わることがあります
- 掲載期間中に原稿を直せるか:直せる場合、回数制限と依頼から反映までの日数
- 検索結果での表示順は何で決まるか:プランによるのか、更新頻度によるのか
- 応募が入ったとき、誰にどう通知が届くか:メールか管理画面か、スマートフォンでも見られるか
5つ目は見落とされがちですが、応募後の動きを左右します。応募通知が特定の1人のメールにしか届かない設定のまま掲載を始めると、その人が休んだ日の応募が止まります。
なお、媒体の営業担当が答えられるのは掲載までの範囲です。応募が来たあとの連絡や面接設定は業務範囲の外にあります。どこまで相談できるかは、求人媒体の営業担当に、どこまで相談できるのかで整理しています。
初回は最小プランで試し、応募数以外も測る
初めて使う媒体に、いきなり上位プランで申し込む必要はありません。最初は最小プランで一度出してみて、結果を見てから決めるほうが、損失を小さく抑えられます。
ここで見るべきは応募件数だけではありません。たとえば仮の数字で、A社の媒体から応募5件、B社から応募12件が来たとします。件数だけならB社の勝ちに見えますが、A社の5件は全員が通勤圏内の経験者で4件が面接につながり、B社の12件は半数が遠方からで面接は2件だった、ということも起こり得ます。
そこで、掲載1回ごとに次の3つを記録しておきます。
- 応募件数
- そのうち要件に合っていた件数
- 面接まで進んだ件数
この3つがあれば、次の掲載を同じ媒体にするか、別の候補に移すかを判断できます。面接まで進んだ割合の測り方は面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩にまとめています。
ひとつ注意したいのは、応募は来ているのに面接に進まない場合、原因が媒体ではないこともある点です。初回連絡が翌日以降になっていないか、日程提示が遅れていないかを先に確認してから媒体を乗り換えないと、次の媒体でも同じことが起きます。詳しくは求人媒体を変える前に確認したい、応募後対応の数字をご覧ください。
媒体を決めたあと、受け皿を同時に決める
媒体が決まったら、掲載開始日より前に決めておきたいことがあります。応募通知の届き先、初回連絡の担当者、面接に使える曜日と時間帯の3つです。
複数の媒体を併用する場合はとくに、通知があちこちに散らばって見落としが起きやすくなります。一箇所に集める方法は複数媒体の応募をどこで一元管理するか。抜け漏れが起きる場所で解説しています。
媒体選びは、うまくいけば応募の入口が広がります。ただ、入口を広げた分だけ、受けるための手は増えます。掲載プランを一段上げる前に、いま来ている応募を取りこぼしていないかを確認する。この順番を守るだけでも、同じ予算で得られる結果は変わってきます。
社外採用部は、中小企業の採用事務局として、求人・媒体・スカウトの運用といった母集団形成から、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー、内定や入社後のフォローまでを社外から担います。採用の局面に合わせて当社から担当をアサインするため、一人分の人件費で複数の役割を使い分けていただけます。面接そのものと採否の判断は御社にお任せし、それ以外の実務をお引き受けする形です。
料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円。支援内容と工数に応じて個別にお見積りします。どの媒体を選ぶべきか、選んだあとの受け皿をどう組むか。迷っている段階からで構いませんので、こちらからお気軽にご相談ください。
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