面接開始の時刻になっても、画面に候補者が現れない。メールを見返してURLは送ってある。もう一度送り直すか、電話をかけるか迷っているうちに5分、10分と過ぎていく。ようやくつながったときには面接官の次の予定が迫っていて、慌ただしく30分を20分に詰めて終える——オンライン面接を導入した会社が、一度は経験する場面ではないでしょうか。
厄介なのは、この数分の混乱が「会社の段取りが悪い」という印象として候補者側に残ることです。候補者本人が接続に手間取った場合でも、焦らせてしまった記憶は会社の印象と結びつきます。逆に言えば、つながらない時間をどう扱うかを事前に決めておくだけで、同じトラブルが起きても候補者の温度を下げずに済むことが多いものです。この記事では、事前案内・当日の判断・短縮進行という3つの段取りを整理します。
つながらない原因は、だいたい4つに分かれる
オンライン面接がつながらない理由はおおむね次の4つに集約されます。
ひとつ目は、URLが開けない。会社のシステム側で発行したリンクが期限切れだったり、候補者がスマートフォンで開いた際にアプリのインストールを求められて止まっているケースです。ふたつ目は、音声や映像が出ない。端末のマイク許可が下りていない、イヤホンが別の機器につながっている、といった設定の問題です。
三つ目は、回線そのものの問題。ギガの上限に達して通信が絞られている、外出先の電波が弱い、といった状況です。在職中の方が昼休みに車の中から参加する、といった場面では珍しくありません。四つ目は、そもそも候補者が時間を勘違いしている、または開始に気づいていない、という単純なすれ違いです。
このうち会社側が事前に手を打てるのは一つ目と二つ目、当日その場で判断が要るのは三つ目と四つ目です。原因ごとに対処のタイミングが違うと分かれば、当日の動きは整理しやすくなります。なお、そもそもこの候補者をオンラインにすべきかという判断については、一次面接をオンラインにすべき候補者、対面がいい候補者で整理しています。
事前案内に入れておきたい4項目
日程が確定したときの案内メールと、前日のリマインドに、次の内容を入れておくと当日の混乱が減りやすくなります。
1. 接続テストの案内 使用ツールの名称と、事前に一度アクセスして映像・音声が出るか確認していただきたい旨を添えます。「前日までに一度お試しください」と一文入れるだけでも、当日その場で初めて開く方は減ります。アプリのインストールが必要な場合は、その旨を明記してください。
2. 参加URLを2か所に置く 確定案内のメールと前日のリマインドの両方に同じURLを載せます。メールを探す手間そのものが開始遅れの原因になるためです。
3. 予備の連絡手段 「つながらない場合はこの番号にお電話ください」という当日の直通連絡先を必ず記載してください。会社の代表番号ではなく、面接官または事務局の携帯など、その時間に確実に出られる先が望ましいです。あわせて、こちらから候補者の携帯にかける可能性があることも伝えておきます。
4. 開始5分前の入室のお願い 「5分前にご入室いただけますと、接続の確認ができます」と書いておくと、トラブルに気づく時間が前倒しになります。
リマインドの文面全体の組み立ては面接前日のリマインドメール例文。送る内容と気をつけたい一言にまとめていますので、あわせてご覧ください。
当日、何分で次の手に移るか
つながらないとき、判断を現場に委ねると「もう少し待とう」が積み重なって時間だけが過ぎます。あらかじめ時間で区切っておくと、面接官も迷いません。以下は一例です。
| 経過時間 | 会社側の動き |
|---|---|
| 開始〜2分 | 待つ。自社側の音声・映像が出ているかを確認 |
| 2分経過 | SMSまたはチャットでURLを再送し「お待ちしています」と一言 |
| 5分経過 | 候補者の携帯に電話をかける。原因を聞き、続行可否を判断 |
| 10分経過 | 電話もつながらなければ、留守電+SMSで「別日程でも調整可能」と残す |
5分で電話に切り替えるのは、それ以上待っても候補者が自力で解決できる見込みが下がるためです。電話がつながったら、まず「こちらの案内が分かりにくく失礼しました」と一度引き取ってください。候補者は自分のせいだと感じて焦っていることが多く、責められないと分かるだけで落ち着きます。
そのうえで、①このまま電話で面接を進めるか、②数分待って再度オンラインで試すか、③別日に振り替えるかを、こちらから選択肢として提示します。候補者に「どうしますか」と丸投げすると、遠慮して不本意な選択をされることがあります。面接官の残り時間を踏まえて、会社側から一案を出すほうが親切です。
なお、電話で続行する判断をした場合、映像がないぶん見極められる範囲は狭くなります。一次面接で人物像と条件の確認が中心なら電話でも成立しますが、実技や資料を見る予定があった場合は振り替えたほうがよいでしょう。
時間が削られたときの、短縮版の進め方
トラブルで10分使ってしまい、残りが20分しかない。このとき、いつもの進行をそのまま早口でなぞると、会社説明だけで終わって候補者の話を聞けずに終わります。短縮時にどこを残すかを先に決めておいてください。
優先して残したいのは、①候補者の経験と応募動機の確認、②入社可能時期や勤務条件など、次に進むうえで欠かせない事実確認、③候補者からの質問の時間、の3つです。逆に削りやすいのは、会社の沿革や事業の詳しい説明です。これは面接後にメールで資料を送る、採用ページを案内するといった形で代替できます。
そして短縮した場合は、面接の最後に必ずその旨を伝えてください。「本日は接続の都合で短くなってしまいましたので、お聞きになりたいことがあれば、後ほどメールでも構いませんのでお送りください」の一言があるかどうかで、候補者の消化不良感はかなり変わります。実際、面接直後の連絡が次の一手になることは面接後の「連絡します」で終わらせない。24時間以内の本音確認でも触れたとおりです。通常の30分面接の配分は30分の面接で何を聞くかを土台にして、短縮版を一枚用意しておくとよいでしょう。
段取りを「誰が持つか」を決めておく
ここまでの内容は、どれも難しいものではありません。ただ、面接官が社長や現場責任者ひとりだと、接続を待ちながらSMSを打ち、電話をかけ、次の予定を調整するという並行作業が発生します。面接の直前に慌ただしく動けば、面接そのものの集中力も落ちます。
事前案内の送付、前日リマインド、当日つながらないときの一次連絡。この3つを面接官以外の誰かが持つと、面接官は面接に専念できます。社内に手が空いている人がいなければ、この部分だけを社外に置くという選択肢もあります。
社外採用部は、応募の受付から初回連絡、日程調整、面接前後のフォローまでを企業の採用事務局として代行するサービスです。オンライン面接の案内文の設計、前日リマインド、当日つながらないときの候補者への連絡といった段取りも、この範囲に含まれます。料金は初回設計費100,000円、月額49,800円からで、以降の費用は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。責任者は佐々木純平代表が務めています。
「面接の場をつくるところまで」を社外に預けて、経営者は面接と判断に時間を使う。その形が自社に合いそうかどうか、まずは現状の面接運用をお聞かせください。ご相談はこちらから承っています。
無料相談