「結果は追って連絡します」。面接の締めくくりとして、ごく普通の言葉です。しかしこの一言のあと、会社からの連絡が数日空くと、その間に候補者の気持ちは大きく動きます。私たちは、面接後24時間以内のフォロー連絡を大切な工程として位置づけています。合否の連絡ではありません。候補者の感想と本音を聞くための連絡です。
面接直後の候補者の頭の中
面接を終えた候補者は、帰り道からすでに振り返りを始めています。
- 「思ったより良い会社だった。でも給与の話、あれで合っていたかな」
- 「工場の雰囲気は好きだった。ただ通勤時間が気になる」
- 「面接官の話は良かったけれど、残業の実態はどうなんだろう」
好意と不安が入り混じった、気持ちが最も動きやすい状態です。ここで会社から何の音沙汰もなければ、不安のほうが独り歩きを始めます。人は分からないことを、悪いほうに埋めて考えがちです。そして翌日には他社の面接があり、比較の天秤が傾いていきます。
24時間以内に何を聞くのか
フォロー連絡の目的は、売り込みではなく確認です。聞くことは3つで足ります。
1. 率直な感想
「昨日はありがとうございました。実際にお越しいただいて、いかがでしたか」。これだけで、候補者の温度感はかなり分かります。具体的な場面に触れて話してくれる方は関心が続いており、返答が短く一般的な方は気持ちが離れ始めているかもしれません。
2. 聞きそびれたこと・気になっていること
面接の場では、候補者は聞きたいことを全部は聞けません。給与や休日の突っ込んだ質問は、本人の中で「印象が悪くなるかも」とブレーキがかかるからです。面接が終わったあとの連絡では、この遠慮が少しゆるみます。ここで出てくる質問こそ、候補者の意思決定を左右している本音です。
3. 選考の状況
他社の選考が進んでいるか、いつ頃までに決めたいと考えているか。差し支えない範囲で聞ければ、こちらの合否連絡やその後の段取りを候補者の時間軸に合わせられます。最後に「結果は◯日までにお伝えします」と期日を約束して切り上げれば、フォロー連絡が催促のように受け取られる心配もありません。
誰が、どんな手段で聞くか
フォロー連絡の主は、面接官本人でなくて構いません。むしろ、日程調整などでやり取りしてきた窓口の担当者からのほうが、候補者は気楽に話せます。手段は、それまでのやり取りで候補者の反応が良かったものを選びます。電話なら声の調子から温度感まで伝わり、メッセージなら候補者が言葉を選んで答えられます。
文面は、たとえばこんな短さで十分です。
昨日は面接にお越しいただきありがとうございました。実際にお話しされてみて、いかがでしたか。面接の場では聞きづらかったことなどあれば、気軽にお知らせください。
売り込みの言葉が一つも入っていないことが大切です。伝えるのは、聞く姿勢だけです。
不安が聞けたら、巻き返しの余地が生まれる
フォローで「通勤が気になる」「残業の実態を知りたい」といった不安が聞ければ、追加の説明や情報提供で応えられます。放置していれば静かな辞退につながっていたものが、対話の材料に変わるのです。
逆に、確認した結果「他社に決めそうだ」と分かることもあります。それも収穫です。見込みの薄い候補者を待ち続ける時間をなくし、次の動きに切り替えられます。
社内の担当者には、本音を言いにくいこともある
一つ知っておきたいのは、候補者にとって面接をした会社の担当者は「評価者」でもあるという点です。評価者本人に「給与に不満がある」「他社と迷っている」とは、なかなか言えません。
この点で、選考の判断に関わらない窓口が間に入ると、候補者は本音を口にしやすくなります。社外採用部が面接後フォローを採用事務局として代行しているのは、業務負担の軽減だけでなく、この第三者だから聞ける本音に価値があると考えているからです。
「連絡します」の前に、聞きに行く
面接後のフォローは、数分の電話かメッセージでできる工程です。それでいて、辞退の兆候を早くつかみ、候補者の不安に応える機会をつくり、合否連絡の段取りまで整えてくれます。面接後の辞退が続いているなら、まず面接翌日の連絡から始めてみてください。電話1本、メッセージ1通の習慣が、採用の結果を静かに変えていきます。仕組みとして回したい場合は、無料相談でお手伝いできることをご説明します。
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