一次面接の手応えは悪くなかったのに、二次面接のあとで辞退された。そんな経験はないでしょうか。面接内容を振り返ると、志望動機、前職の退職理由、通勤時間、希望給与──一次で聞いたことを、二次でもう一度最初から聞いていた、ということは少なくありません。
候補者からすれば、同じ話を二度させられたことになります。「前回お話ししたのですが」と口にはしないものの、社内で情報が共有されていない会社だという印象が残ります。選考回数を何回にするかという議論とは別に、各回で何を見るのかが決まっていない。重複の原因はたいていそこにあります。
同じ質問が繰り返されるのは、面接官の問題ではない
二次面接を担当する役員や現場責任者が、わざと同じことを聞いているわけではありません。手元に一次の記録がないか、あっても「印象は良かった」程度のメモしかない。だから自分で一から確認するしかなくなります。
もうひとつは、各回の目的が言語化されていないことです。「一次は人事、二次は社長」という担当の分担はあっても、「一次で何を確認済みとするか」が決まっていなければ、二次の面接官は何から聞けばいいのか判断できません。結果として、安全策で最初から聞き直すことになります。
つまりこれは面接官のスキルの問題ではなく、設計の問題です。質問技法を学ぶより先に、回ごとの担当範囲を決めるほうが効果が出やすい領域です。この順番については面接官トレーニングの前に。中小企業の面接で本当に多いつまずきでも触れています。
一次は「進めてよい人か」、二次は「入ってくれる人か」
役割を分ける軸は、シンプルに二つで足ります。一次は候補者を先に進めてよいかの判断、二次は入社まで至るかの見極めと後押しです。
| 一次面接 | 二次面接 | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 必須要件の確認、条件のすり合わせ | 配属先との相性、入社意思の確認 |
| 担当 | 採用担当・現場の一次面接官 | 社長・役員・配属先責任者 |
| 聞くこと | 経験・資格、勤務可能条件、入社可能時期、通勤手段 | 入社後に任せたい仕事への反応、他社の選考状況、不安点 |
| 会社から伝えること | 仕事内容の全体像、選考の流れ | 配属先の体制、評価と昇給、入社後3ヶ月の流れ |
| 出す結論 | 二次に進めるか | 採否と、条件提示の方向性 |
一次で押さえたいのは、事実として確認できる項目です。保有資格、経験した業務、働ける曜日と時間、現職の退職予定時期。ここは聞けば答えが返ってくる種類の情報で、記録しておけば二次で聞き直す必要はありません。何を必須とするかは求める人物像は3つに絞る。条件を並べすぎると決められないの考え方で先に絞っておくと、一次の質問も短く済みます。
二次で聞きたいのは、一次の情報を前提にした一歩先の話です。「前回うかがった経験だと、入社後はこの現場を担当いただくことになります。実際の一日はこういう流れですが、いかがでしょうか」。この質問は、一次の記録がなければ成立しません。逆に言えば、記録さえあれば二次は重複なしで深い話に入れます。
二次の冒頭30秒で、引き継いでいることを示す
役割を分けても、候補者にそれが伝わらなければ意味がありません。二次面接の冒頭で、一次の内容を把握していると短く示してください。
「先日の面接の内容は共有いただいています。◯◯のご経験と、◯月からのご入社が可能という点までうかがっていますので、今日はその先のお話をさせてください」
この一言があるだけで、候補者は「また同じ説明をするのか」という身構えを解きます。そして、会社として情報が流れているという安心材料にもなります。
逆に避けたいのが、二次の冒頭で「それでは、あらためて自己紹介をお願いします」と始めることです。候補者にとっては振り出しに戻された感覚になります。経歴の確認が必要なら、「履歴書は拝見しています。◯◯社でのご経験について、もう少し詳しくうかがえますか」と、読んだ前提で深掘りに入る形にしてください。
30分の中での時間配分については30分の面接で何を聞くか。中小企業の面接進行台本が参考になります。一次と二次で台本を分けて持っておくと、面接官が替わっても進行が揺れにくくなります。
引き継ぎは、評価シート1枚で足りる
役割分担を成立させるのは、一次から二次への引き継ぎです。ただし立派な報告書は不要で、紙1枚に次の4点が書いてあれば二次は回ります。
- 必須要件(3つ以内)への◯△×と、その根拠を一行
- 確認済みの事実(入社可能時期、勤務可能曜日、通勤手段、希望条件)
- 二次で確認してほしいこと(1〜2点)
- 候補者から出た質問と、その場で答えられなかった項目
四つ目が意外と効きます。一次で「残業はどのくらいですか」と聞かれて曖昧に答えた場合、二次で明確に答えると信頼が積み上がります。逆に、一次と二次で違う答えを返すと、条件そのものより不信のほうが残ります。この種のずれは求人票と面接での説明がずれると、辞退されるでも起きやすい失点として整理しています。
シートの作り方は面接評価シートの作り方。「なんとなく良かった」で終わらせないにまとめています。面接直後の5分で書き切れる分量に抑えるのが続けるコツです。
そもそも二次を設けるべきかどうかで迷っている場合は、中小企業の選考は何回が適切か。一次・二次を分ける判断もあわせてご覧ください。職種の重さや決裁者の数によっては、1回で決めたほうが候補者を失いにくいこともあります。
二次は見極めの場であると同時に、口説く場でもある
もう一点、忘れられがちなことがあります。二次面接に進んだ候補者は、同時期に他社の選考も進んでいることが多いものです。二次が尋問のような時間になると、見極めはできても入社意思は上がりません。
二次の後半は、会社から伝える時間に充ててください。配属先の人員構成、入社後3ヶ月で任せる範囲、評価と昇給の仕組み、働いている人の年齢層。仮の話で恐縮ですが、30分の二次面接なら、質問15分・会社からの説明10分・候補者からの質問5分くらいの配分でも成り立ちます。
そして面接の終わりに、次の連絡がいつ届くかを必ず伝えてください。「◯日以内にご連絡します」と言い切れると、候補者の気持ちは落ち着きます。面接直後のフォローについては面接後の「連絡します」で終わらせない。24時間以内の本音確認で具体的に触れています。
一次と二次の役割を分けるには、面接そのものより、その前後の記録と引き継ぎが整っている必要があります。とはいえ、日程を調整し、記録を残し、次の面接官に渡し、候補者に連絡を入れるという一連の作業を、本業の合間に回すのは簡単ではありません。
社外採用部は、中小企業の採用事務局として、母集団形成から応募の受付、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社フォローまでを社外から担います。面接そのものと採否の判断は御社が行い、それ以外の実務をこちらで引き受ける形です。月額49,800円〜、初回設計費100,000円から、支援内容に合わせて個別にお見積りします。
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