求人票の「連絡先電話番号」の欄を、あまり考えずに会社の代表番号で埋めていないでしょうか。あるいは、担当者がその場で自分の携帯番号を入れてしまっているかもしれません。どちらにも理由があり、どちらにも落とし穴があります。固定電話にすれば日中しか受けられず、夜や土日に応募者がかけてきても誰も出ません。担当者の携帯にすれば時間帯は広がりますが、その番号は会社のものではなく個人のものです。
この記事では、求人に載せる番号をどう決めるかを、4つの選択肢に整理して比べます。応募対応の速さや文面の話ではなく、その手前にある「番号の持ち方」という、一度決めると変えにくい部分の話です。
番号の決め方が、あとから効いてくる場面
番号を決めた直後は、どれを選んでも大きな違いは感じません。違いが出るのは、少し時間が経ってからです。
たとえば、担当者の個人携帯を求人票に載せていたとします。その方が退職すると、番号ごと会社から消えます。過去の応募者とのやり取りの履歴も、着信履歴も、留守番電話も、すべて個人の端末の中です。半年前に応募して見送りになった方から再度連絡が来ても、会社側には何も残っていません。応募対応が属人化する典型的な形で、採用担当が辞めたら止まる会社。応募対応の引き継ぎ設計でも触れたとおり、記録が個人の端末や頭の中にある状態は、担当者の不在や退職でそのまま止まります。
一方、代表番号を載せている会社では、別の問題が起きます。応募者が昼休みや夕方にかけてきても、受けるのは採用の事情を知らない社員です。「採用のことでお電話したのですが」と言われて、担当者が不在だと「また改めてお願いします」で終わってしまう。この取り次ぎの質については誰が電話に出ても同じ対応にする。応募者からの着信の受け方で詳しく扱っています。
つまり番号選びは、つながりやすさだけの話ではなく、記録が会社に残るか、誰が出ても対応できるか、という体制の話でもあります。
4つの選択肢を、3つの物差しで比べる
実務上の選択肢は、おおむね次の4つです。つながりやすさ・記録の残り方・候補者からの見え方という3つの軸で整理します。
| 選択肢 | つながりやすさ | 記録の残り方 | 候補者からの見え方 |
|---|---|---|---|
| 会社の固定電話 | 営業時間内のみ。夜・土日は不在 | 着信履歴は電話機に残るが個別の記録は手書き頼み | 会社の番号として安心感がある |
| 会社貸与の携帯 | 時間帯を広く取れる。持ち出しも可 | 端末は会社のもの。返却で番号は残る | 携帯番号のみだと不安を感じる方もいる |
| 固定番号+携帯への転送 | 営業時間外も受けられる | 転送元が会社番号なので番号自体は残る | 求人票には固定番号を載せられる |
| SMS対応の番号(クラウド電話等) | 通話もSMSも同じ番号で可 | 履歴がシステムに残り複数人で見られる | 番号の種類によっては見慣れない場合も |
どれが正解というものではありません。社員が数名で社長が外に出ている会社と、総務が常駐している会社では、選ぶ順番が変わります。目安としては、受付の人がいて日中は必ず誰か出られるなら固定番号のままで足ります。日中に誰も社内にいない時間があるなら、転送か会社貸与の携帯を検討する価値があります。SMSを連絡手段として使いたい場合は、同じ番号で送受信できる形にしておくと、応募者側から見て「さっき電話をくれた番号からのSMS」とわかり、反応が得られやすくなります。SMSとメールの使い分け自体は応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番にまとめています。
避けたいのは、担当者の個人携帯を求人票に載せ続けることです。立ち上げ時の一時的な措置としては現実的ですが、そのまま何年も運用すると、番号が会社の資産になりません。
折り返しの電話に出てもらえない問題
番号の持ち方と並んで多いのが、こちらから折り返したときに出てもらえないという悩みです。応募者は求人に応募した直後でも、見知らぬ番号からの着信には警戒します。
起きやすいのは次のような状況です。
- 非通知でかけている:社内の電話設定や発信方法によっては番号が通知されません。非通知は出てもらいにくくなります。発信前に一度、自分の携帯にかけて番号が表示されるか確認してください。
- 個人の携帯からかけている:求人票に載せた番号と違う番号から着信が入ると、応募者には誰からの電話か判断がつきません。
- 留守番電話に何も残していない:着信だけでは、応募者は折り返す理由がわかりません。
対処は難しくありません。まず、求人票に載せた番号と、こちらから発信する番号をそろえます。そろえられない場合は、応募受付のメールや自動返信に「〇〇(番号)からお電話します」と書いておくと、着信を見た瞬間に心当たりができます。あわせて、応募当日に送るSMSやメールに「本日午後にお電話します」と一言入れておくと、知らない番号への警戒が下がります。
留守番電話には、会社名・担当者名・用件・折り返し先・こちらから再度かける時間帯を短く残してください。応募者が折り返すかどうかの判断材料になります。
社内で決めておく、番号まわりの3点
番号を選んだら、あわせて次の3つを決めておくと運用が安定します。
1. 営業時間外にかかってきたときの扱い。留守番電話に切り替えるのか、転送するのか。応募は夜や休日に届きやすいため、ここを決めずに放置すると取りこぼしが出ます(応募は夜と土日に来る。営業時間外の応募をどう受けるか)。
2. 担当者が不在の日の受け手。誰がどこまで代わりに答えるか、何を聞いて何を伝えるかを決めておきます。詳しくは担当者が休みの日、応募はどうなるのか。不在時の受け皿をご覧ください。
3. 着信と発信の記録を誰が残すか。電話は記録が残りにくい連絡手段です。誰にいつかけたか、つながったか、次にいつかけるかを、Excel一枚でも共有の場所に残す習慣をつけておくと、担当が替わっても追えます。
番号は、一度求人票や自社サイトに載せると、数ヶ月から数年にわたって応募者の目に触れ続けます。途中で変えると、過去の掲載を見た方からの連絡が届かなくなります。だからこそ、求人を出す前の段階で決めておきたい項目のひとつです。
受け皿をつくるところから、社外に出すという選択
番号を整えても、鳴った電話に出られる人が社内にいなければ状況は変わりません。社長や総務が本業の合間に対応している会社では、番号の工夫だけでは限界があります。
社外採用部は、中小企業の採用事務局として、求人・媒体・スカウトの運用といった母集団づくりから、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー・内定や入社のフォローまでを社外から担います。面接そのものと採否の判断は御社が行い、その前後の連絡と段取りを引き受ける形です。応募者からの連絡をどこで受け、誰が折り返し、どう記録を残すかという受け皿の設計も、最初の立ち上げの中で一緒に整えていきます。
料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円。以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。応募1件ごとの従量課金ではありません。担当は、採用の局面に合わせて当社からアサインしますので、一人分の人件費の範囲で複数の役割を使い分けられます。
求人票にどの番号を載せるか迷っている段階でも構いません。自社の体制に合った受け方を一緒に考えるところから、お問い合わせよりお気軽にご相談ください。
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