中途採用では人が集まらない、若い人を一から育てたい。そう考えて新卒、とくに高校生や専門学校生の採用を検討し始めると、最初にぶつかるのが「求人票をどこにどう出せばいいのか分からない」という壁です。中途の求人媒体のように、申し込んで翌週から掲載、というわけにはいきません。

高卒採用には国が定めた手順と時期があり、専門学校には学校ごとのやり方があります。そして何より、求人票を送っただけで応募が来ることはあまりありません。間に立っている進路指導の先生が「この会社なら生徒を送れる」と判断して初めて、求人票は生徒の目に届きます。この記事では、提出の実務手順と、先生とのつき合い方を整理します。

高卒求人には、決まった手順と時期がある

高校生の採用は、企業が直接高校に求人票を送るのではなく、まずハローワークに求人を申し込み、確認を受けたうえで学校へ提出する流れになっています。この手順を飛ばして学校に直接連絡しても、受け取ってもらえないのが通常です。

スケジュールも例年おおむね決まっています。6月頃からハローワークで求人の受付が始まり、7月1日以降に学校への求人票提出と生徒への公開が可能になり、9月上旬に応募書類の提出、9月中旬から選考開始、という流れが一般的です。ただし日付は年度によって変わり、沖縄県など一部地域では異なる日程が設定されることもあります。自社の該当年度の日程は、管轄のハローワークで必ず確認してください。

専門学校は高卒とは別で、国の統一ルールではなく学校ごとの運用になります。通年で求人を受け付け、学内で掲示したり就職ガイダンスに企業を招いたりする学校が多く、連絡先も進路指導部・キャリアセンター・就職課など呼び方がさまざまです。まずは代表電話に「求人票をお送りしたいのですが、窓口はどちらでしょうか」と聞くところから始まります。

押さえておきたいのは、7月1日が「スタート」ではなく「締め切りに近い日」だということです。7月に求人票が届いても、生徒の進路希望はすでに春から固まり始めています。初年度は間に合わないこともある、という前提で動いたほうが気持ちが楽になります。

どの学校に出すか、を先に決める

求人票は、理屈のうえでは何校にでも出せます。ただし出した数だけ訪問や対応の手間が増えるので、最初から広げすぎないほうが続きます。選ぶときの目安は次の4つです。

通学できるか。 高校生の多くは自宅から通います。公共交通機関で通えるか、車通勤が前提なら免許取得の時期をどう扱うか。寮や社宅があるなら、通学圏を広げて考えられます。

学科が合っているか。 工業高校の機械科・電気科、商業高校の情報系、専門学校の該当分野など、仕事の内容と学科がつながっていると話が早くなります。普通科しかない地域なら、未経験から育てる前提を正直に伝えることになります。

過去につながりがあるか。 在籍社員の出身校は、最も話を聞いてもらいやすい学校です。「当社の◯◯部門に、こちらのご卒業生が勤めています」と言えるかどうかで、初回訪問の空気は変わります。

自社が本当に通えるか。 20校に郵送してそれきりになるより、5校に毎年顔を出すほうが結果につながりやすいものです。

進路指導の先生が見ているのは、卒業生が続くかどうか

先生の立場からすると、就職の斡旋は「生徒を預ける」行為です。紹介した生徒が数ヶ月で辞めてしまえば、翌年その会社に生徒を勧めることはしにくくなります。ですから先生が知りたいのは、華やかな会社説明ではなく、入社した生徒が続けられる環境かどうかです。

具体的には、次のような点が確認されやすい項目です。

これらを求人票の記載どおりに答えられること、そして求人票の数字と実際の運用がずれていないことが大切です。入社後に「話が違う」となれば、本人の離職だけでなく学校との関係も途切れます。この点は中途採用でも同じ構造で、求人票と面接での説明がずれると、辞退されるで整理しています。

訪問は15分で足りる。持っていくものと聞くこと

学校訪問は長く話すことが目的ではありません。先生は授業や面談の合間に時間を取ってくれています。15〜20分で終える前提で、持参物と質問を準備しておきます。

持っていくもの聞いておきたいこと
求人票の写し該当学科の生徒数と、就職希望者のおおよその人数
A4一枚の会社案内(仕事の一日、人数構成)進路希望の傾向(県内志向か、製造・サービスなどの分野)
職場や作業風景の写真校内での求人票の掲示・説明のされ方
若手社員の勤務例(1日の流れ、1年目の仕事)職場見学を受け入れる場合の時期と人数の目安
名刺と、連絡がつく電話番号翌年以降、訪問してよい時期

高卒採用では、生徒が応募前に職場を見学する機会が設けられることが一般的です。見学の受け入れは、口で説明するより伝わる場面でもあります。誰が案内し、何分でどこを見せるかを先に決めておくと、急に打診が来ても慌てません。現場を見せる段取りの考え方は、入社前に現場を見せる。建設業の見学案内の組み方が参考になります。

訪問の帰りには、会った先生の名前・学科・言われたことをメモに残してください。翌年、別の担当者が訪問することになっても、この一行があるかどうかで話の始まり方が変わります。

初年度は応募ゼロもある前提で、翌年につなぐ

初めて求人票を出した年に応募が来ないことは、珍しいことではありません。生徒も先生も、知らない会社にいきなり進路を預けるのは難しいからです。ここで「学校はうちには合わない」と判断してしまうと、翌年またゼロから始めることになります。

応募がないまま選考時期が過ぎたら、まずお礼の連絡を入れます。そのうえで、二次募集の時期に改めて案内できるか、翌年はいつ頃訪問すればよいかを聞いておきます。年明けに「本年もよろしくお願いします」と一言入れておけば、次の7月に届く求人票は「去年も来てくれた会社」の求人票になります。

仮の数字で考えてみます。訪問1校あたり、移動と面談で2時間、資料準備を含めて合計3時間。5校なら15時間です。これを3年続けて1人採用できたとして、社長や総務の時間を時給3,000円と置けば人件費換算で約13万5,000円。求人広告を複数回出す費用と比べて、高いか安いかは会社によります。ただ、学校との関係は一度できると翌年以降の手間が減っていく性質があるので、短期の費用対効果だけで判断しない領域だと言えます。

そして採用が決まった後も、高卒・専門卒は内定から入社まで半年前後の空白期間があります。この間のフォローが途切れると、卒業までの間に気持ちが揺れることもあります。連絡の間隔の考え方は内定から入社までの連絡頻度。多すぎ・少なすぎの境目にまとめています。

問題は、この一連の動きを誰が担うかです。ハローワークでの求人申込み、学校のリストアップ、訪問のアポ取り、資料づくり、訪問後の記録、翌年への引き継ぎ。中途採用の応募対応と並行して社長や総務が抱えると、優先順位の低いものから後回しになり、結局は毎年ゼロからのやり直しになりがちです。

社外採用部は、中小企業の採用事務局として、求人・媒体の運用や学校・紹介会社との接点づくりといった母集団形成から、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー、内定・入社フォローまでを社外から代行します。面接そのものと採否の判断は御社に残したまま、採用の局面に合わせて担当をアサインするため、一人分の人件費で複数の役割を使い分けられます。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。社内に採用担当を置く前の選択肢としては、採用担当者を雇う前に、社外へ採用機能を持つという選択もあわせてご覧ください。

来年の7月に向けて、どの学校に、誰が、いつ動くか。その設計からご一緒できます。まずはこちらからご相談ください。