内定を承諾してもらった。あとは入社日を待つだけ——のはずが、その間の一ヶ月なり二ヶ月なりが、実は一番落ち着かない期間だという経営者の方は少なくありません。連絡をしすぎて「しつこい会社だ」と思われるのも避けたい。かといって放っておいて、当日になって来なかったという話も聞く。結局、何をどのくらいの頻度で送ればいいのか、正解が見えないまま日が過ぎていきます。

この記事では、内定承諾後の連絡について「多すぎ・少なすぎ」の境目をどこに置くか、そして用件がない時期にどんな口実で接点を持つかを整理します。辞退の兆候をどう読むかについては内定辞退は直前に起きる。兆候のつかみ方と入社までのフォローで扱っているので、こちらは「頻度と文面」に絞ってお話しします。

多すぎ・少なすぎは、回数では決まらない

まず前提を一つ。連絡が重いか軽いかを決めているのは、回数ではありません。判断の軸は次の三つです。

一つめは、返信を求めているかどうか。 週に二回連絡が来ても、そのうち一通が「ご連絡までです、返信は不要です」であれば、候補者の負担はほぼゼロです。逆に月に一度しか連絡がなくても、そのたびに「以下の三点についてご回答ください」と来れば、それは宿題であって、フォローとは受け取られません。多すぎと感じられる連絡の正体は、たいてい回数ではなく、返信義務の総量です。

二つめは、候補者の状況の変化に合っているか。 在職中の方であれば、退職を申し出る前後、引き継ぎの山場、有給消化に入るころで、心の余裕がまったく違います。相手が忙しい時期に細かい確認を重ねると、同じ内容でも重く感じられます。

三つめは、送り手が誰か。 毎回違う担当者から届くと、候補者は「この会社では自分の情報が共有されていないのでは」と感じます。一人が窓口として一貫して連絡していれば、頻度が多めでも「気にかけてもらっている」に転びやすくなります。

そのうえで、少なすぎの目安を一つだけ置くとすれば、空白を二週間以上つくらないことです。これは統計に基づく数字ではなく、「そのくらいを超えると候補者側から状況確認の連絡が入りやすい」と言われることからの目安として受け取ってください。候補者から先に「入社日の件ですが」と連絡が来るのは、こちらの設計が遅れているサインです。

残り日数別に、連絡の中身を割り当てる

空白をつくらないと決めたら、次は「いつ何を送るか」をあらかじめ割り振ります。用件が発生してから考えるのではなく、先に枠を置いてしまうほうが確実です。以下は入社まで約二ヶ月ある中途採用を想定した、あくまで一例です。

時期連絡の目的中身の例
承諾直後〜3日以内決定事項の確定入社日・勤務条件の再確認、今後の連絡の流れ(誰が・どのくらいの間隔で連絡するか)の予告
入社1ヶ月半前手続きの開始提出書類の案内、健康診断の日程、口座・扶養情報などの依頼
入社1ヶ月前所属の実感づくり配属先・上司の紹介、部署の体制図、朝礼や現場の写真
入社2週間前不安の先回り初日の集合時間と場所、持ち物、服装、通勤経路、駐車場の使い方
入社1週間前迎える姿勢を示す初日から数日の予定表、面談を予定している人の名前、質問の受付
前日最終確認集合時間と持ち物の再掲、当日の緊急連絡先

大事なのは、最初の連絡で「この先どのくらいの間隔で連絡します」と予告しておくことです。予告があれば、次の連絡までの空白は候補者にとって「予定どおり」になります。予告がないと、同じ二週間が「音沙汰がない二週間」に変わります。

初日の準備そのものについては入社初日までにやること。受け入れ準備のチェックリストにまとめていますので、社内側の段取りはそちらと合わせてご覧ください。

用件がないときの、連絡の口実

とはいえ、書類も出し終えて、初日の案内にはまだ早い。そういう「用件のない空白」が必ず生まれます。ここで使える口実をいくつか挙げます。

これらに共通するのは、候補者に何かをさせるのではなく、こちらから渡しているという形です。渡すだけの連絡は、頻度が多くても負担になりません。

重く感じさせない文面のつくり方

同じ内容でも、書き方で印象は変わります。押さえどころは五つです。

一通一件にする。 書類の督促と配属の連絡を同じメールに入れると、嬉しい話が事務連絡に埋もれます。分けたほうが、結果として両方伝わります。

返信の要否を明記する。 「ご確認だけいただければ、返信は不要です」の一文があるだけで、受け取る側の構えが変わります。逆に返信がほしいときは「◯日までに一言いただけますか」と期限を添えます。

件名で用件を言い切る。 「【入社前のご案内】初日の集合時間と持ち物について」のように、開く前に中身がわかる件名にします。

長さはスマホで一〜二画面まで。 内定後の連絡はほぼスマートフォンで読まれます。長い文章は後回しにされ、そのまま埋もれます。

進捗を確認する言い方に気をつける。 退職交渉の状況を尋ねるとき、「その後いかがですか」は催促に読まれることがあります。「何か困っていることがあれば、こちらでできることを考えます」という立ち位置のほうが、本音が返ってきやすくなります。

そして、これらを入社日まで途切れず続けられるかどうかは、担当者の意識ではなく体制の問題です。日々の業務のなかで、用件のない連絡は真っ先に後回しになります。採用を「点」ではなく「線」として設計するという考え方は、この空白期間にこそ効いてきます。

続ける仕組みを、社内だけで抱えなくてもいい

内定後のフォローは、一件あたりの作業量は小さいのに、忘れると取り返しがつかない類の仕事です。しかも入社日は候補者ごとにバラバラで、複数人が並行していると管理が一気に難しくなります。

社外採用部は、応募の受付から初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、そして内定から入社までの連絡までを、御社の採用事務局として代行しています。「入社二週間前に持ち物の案内を送る」といった連絡設計を候補者ごとに組み、抜けなく実行するところまでを担います。料金は月額49,800円〜、初回に設計費100,000円をいただき、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。

内定は出せているのに入社までの数週間が不安、という状態が続いているようでしたら、いまの連絡の流れを一度見せてください。どこに空白があるかを整理するところからご一緒します。ご相談はこちらからどうぞ。