掲載の更新時期になると、媒体の営業担当から提案が届きます。上位表示オプション、注目求人枠、スカウト送信数の追加。見積書には数万円から十数万円の上乗せが並び、「この枠を使った求人は閲覧数が伸びています」と説明されます。前回の掲載で思うように採用できなかった会社ほど、断りにくい提案です。
ただ、追加費用を出すかどうかの判断は、「応募が増えそうか」だけでは決められません。増えた応募が面接につながらなければ、単価の高い取りこぼしが増えるだけだからです。ここでは、オプションを面接設定1件あたりの金額で評価する手順と、申し込む前に確認しておきたいことを整理します。
オプションが買っているのは「露出」であって「採用」ではない
上位表示や注目枠、スカウトの追加送信が動かすのは、求職者の目に触れる回数です。表示が増え、クリックが増え、そのうち何%かが応募ボタンを押す。ここまでが媒体側の守備範囲です。
一方、応募が届いてから面接日が決まるまでの間に起きることは、媒体のオプションではどうにもなりません。初回連絡が翌日の夕方になる、電話がつながらないまま放置される、面接官の予定が空かず候補日が来週以降になる。この区間に詰まりがある会社がオプションを買うと、詰まる手前の水量だけが増えることになります。
言い換えると、オプションは会社の現状を増幅する商品です。応募を面接につなげられている会社では効果が出やすく、そうでない会社では費用だけが増えやすい。同じ金額を払っても結果が分かれるのは、この構造によります。
応募単価ではなく、面接設定単価で並べて比べる
営業担当から示される効果は、たいてい「応募数」や「閲覧数」で語られます。これを自社の側で、面接が1件組めるのにいくらかかっているかに置き換えてみます。
仮の数字で、3つのパターンを並べてみます。実際の数字ではなく、考え方を見るための例です。
| 掲載のみ | +オプション(対応が回る場合) | +オプション(対応が追いつかない場合) | |
|---|---|---|---|
| 掲載費用 | 20万円 | 25万円 | 25万円 |
| 応募数 | 10件 | 16件 | 16件 |
| 応募1件あたり | 20,000円 | 15,625円 | 15,625円 |
| 面接設定率 | 30% | 30% | 20% |
| 面接設定数 | 3件 | 4.8件 | 3.2件 |
| 面接1件あたり | 66,667円 | 52,083円 | 78,125円 |
応募単価だけを見れば、オプションを足した2つの列はどちらも「安くなった」ように見えます。しかし一番下の行を見ると、評価は逆転します。応募が1.6倍になったのに面接設定率が30%から20%へ落ちた場合、面接1件あたりの単価は掲載のみより高くなっています。
応募が増えると面接設定率が下がりやすいのは、兼務の担当者が1人で受けている会社では自然なことです。1日に3件届けば、3件目の連絡は後回しになります。オプションを検討する前に、自社の面接設定率がどのくらいかは確認しておきたいところです。測り方は面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩にまとめています。掲載1回ごとの費用対効果の見方は求人広告費を回収できているか。掲載1回ごとに確認する3つの数字もあわせてご覧ください。
追加する前に、自社側で確認したい3つ
オプションの良し悪しの前に、増えた応募を受け止められる状態かどうかを点検します。
1. 原稿が、読まれた後に応募される内容になっているか
上位表示は「より多くの人に見てもらう」ための枠です。見た人が応募しない原稿であれば、見られる回数が増えても応募は比例しません。前回の掲載で表示数に対する応募数が極端に低かったのなら、まず直すのは原稿のほうです。
2. 応募から初回連絡までの時間が、今どのくらいか
直近10件程度の応募について、届いた日時と最初に連絡した日時を並べてみてください。半日以上空いているものが目立つなら、応募が増えても面接数は思ったほど伸びにくい状態です。
3. 面接枠が、週に何コマ確保できているか
応募が倍になれば、面接の希望も倍になります。面接官の予定が1週間先まで埋まっているなら、応募を増やす前に枠の確保が先です。
この3つのうち2つ以上で不安があるなら、オプション費用を応募後の受け皿に回したほうが、面接1件あたりの金額は下がりやすくなります。順番の考え方は応募が少ない会社が、応募を増やす前にやるべきことで詳しく扱っています。
営業担当に聞いておきたいこと
媒体の営業担当は、原稿や掲載プランについては詳しい情報を持っています。遠慮せずに聞いて構いません。次のような質問をすると、提案の中身が具体的になります。
- このオプションで増えるのは、表示回数ですか、応募数ですか
- 同じ職種・同じ地域で、このオプションを使った場合の応募数はどのくらいの幅になりますか。最低と最高の両方を教えてください
- 効果が出る期間はいつからいつまでですか。掲載期間のどの時点で効きますか
- 同じ枠を同時期に使っている会社は、同じエリアに何社ありますか
- このオプションを使わず、原稿の書き方や掲載職種の分け方で同じ効果を狙う方法はありますか
- 途中で外す場合、いつまでに連絡が必要ですか。費用はどう精算されますか
「増えた応募に対応しきれるか」は媒体側では判断できない部分です。ここは自社で決めるしかありません。営業担当に相談できる範囲と、できない範囲の線引きは求人媒体の営業担当に、どこまで相談できるのかで整理しています。
払う・払わないを決めたあとに、やること
オプションを追加すると決めたなら、掲載開始日から2週間程度は応募対応に人を厚くしておきます。応募が集中する最初の数日に初回連絡が遅れると、追加費用の多くがそこで溶けます。面接枠も、掲載開始の週に合わせて先に押さえておきたいところです。
見送ると決めたなら、浮いた金額の使い道を同時に決めてしまうことをおすすめします。そのまま予算が消えると、次の掲載でも同じ議論を繰り返すことになります。初回連絡を当日中に出せる体制、面接枠の事前確保、前日リマインドの運用。いずれも大きな投資ではありませんが、面接設定率を動かす余地があります。
社外採用部は、こうした応募後の実務を社外から引き受ける採用事務局です。求人や媒体・スカウトの運用といった母集団形成から、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー・内定や入社のフォローまでを、採用の局面に合わせた担当をアサインして支援します。面接そのものと採否の判断は御社に残していただく形です。費用は月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。応募1件あたりの従量課金ではないため、応募が増えた月に費用が跳ね上がる心配もありません。
オプションに上積みすべきか、受け皿に回すべきか。自社の数字を前にして迷っているようでしたら、お問い合わせからご相談ください。現状の面接設定率と対応工数を一緒に見たうえで、どちらが先かを整理するところからお手伝いします。
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