「二種免許取得支援あり・未経験歓迎」で募集を出すと、応募そのものは届きます。ところが面接まで進む人が少なく、進んでも養成期間の途中で連絡が返ってこなくなる。気づけば教習所の入所日を過ぎていて、こちらから電話しても出ない――タクシー・バス事業者の採用でよく聞くお話です。
この業界の採用が難しいのは、応募から乗務開始までの距離が長いことにあります。普通免許しか持たない方を採用する場合、選考・入社・教習所通学・二種免許取得・社内研修と工程が続き、応募からデビューまで数ヶ月単位の時間がかかります。その長い期間、候補者は「本当にこの会社でよかったのか」を何度も考え直します。応募後の対応を選考期間だけの仕事だと捉えていると、この長い空白で人が抜けていきます。
二種免許なしの応募者は「まだ決めていない」状態で応募してくる
経験者採用と決定的に違うのは、応募時点で職業選択が固まっていないことです。二種免許を持っている方は、少なくとも一度この仕事を選んだ人です。一方、未経験・免許なしの応募者は「転職先の候補のひとつとしてドライバー職を見てみた」段階にあります。異業種の求人と並べて検討していることも珍しくありません。
だからこそ、応募後の会社側の対応がそのまま「この仕事のイメージ」になります。連絡が遅い、説明があいまい、質問への回答が返ってこない。そうした体験の積み重ねが、業界そのものへの不安に変換されてしまいます。候補者体験を良くすると、なぜ採用成功につながるのかでも触れていますが、比較検討の途中にいる人ほど、対応の質が意思決定に直結します。
初回連絡で確認しておきたい3つのこと
未経験応募の初回連絡は、面接日を決めるだけで終わらせないほうが後が楽になります。次の3点は、応募当日か翌日の最初の会話で押さえておきたい項目です。
1. 現在の免許の状態 普通免許の取得年月日、免許の種類(AT限定かどうか)、過去の違反・事故の有無。二種免許の受験資格には年齢や普通免許の経歴年数などの要件があり、要件を満たさないまま話を進めると、面接後に「そもそも取れない」ことが判明します。ここは必ず確認してください。ただし電話口での聞き取りは自己申告ですので、面接時に免許証の現物で照合する前提で進めます。
2. 免許取得への意思と、教習の時間の確保 取得支援があることは伝わっていても、実際に教習所へ通う日数や拘束時間まで想像できていない方が多くいます。「入社後、平日の◯日間ほど教習に通っていただく形になりますが、ご都合はいかがでしょうか」と早い段階で具体的に聞いておくと、後から「そんなに通うとは思わなかった」というすれ違いを避けやすくなります。
3. 養成期間中の生活費の見通し これが最も抜けやすく、最も辞退につながりやすい項目です。養成期間中の給与がどうなるのか、家族を養えるのか。本人が聞きにくいことほど、会社から先に開示したほうが信頼につながります。養成期間中の支給額、費用負担の仕組み、一定期間内に退職した場合の取り扱いまで、口頭とあわせて書面で渡すのが安全です。
養成期間の連絡設計は「用件がない時期」を埋めること
内定を出してから乗務デビューまでの数ヶ月は、会社側から見れば手続きが進行している期間ですが、候補者から見れば「まだ何も始まっていない期間」です。連絡が途切れた時点で、気持ちも切れます。
仮の目安として、以下のような連絡ポイントを設計しておくと空白ができにくくなります(会社ごとに工程は異なりますので、たとえばの一例としてご覧ください)。
| 時期 | 連絡内容 | 手段の例 |
|---|---|---|
| 内定〜入社日 | 入社日と持ち物、教習の全体スケジュール共有 | 書面+電話 |
| 入社前1週間 | 初日の集合時間・場所・服装の再確認 | SMS |
| 教習開始直後 | 通学状況の確認、困りごとのヒアリング | 電話(短く) |
| 教習中(隔週程度) | 進捗確認、先輩乗務員の話を挟む | 電話またはチャット |
| 試験前後 | 激励と、結果を問わず次の段取りを提示 | 電話 |
| 免許取得後 | 社内研修の日程、デビュー時期の見通し | 面談 |
大事なのは、連絡の中身より「決まった間隔で誰かが気にかけている」という事実が伝わることです。用件がないときの声かけの作り方は内定から入社までの連絡頻度。多すぎ・少なすぎの境目にまとめています。逆に、連絡が途絶えてから追いかけるのは難易度が上がります。予兆の拾い方は選考中の音信不通にどう備えるかもあわせてご覧ください。
他社と比較されたときは、条件の高さで押し返さない
養成期間中の候補者は、同業他社の求人を見続けています。「他社のほうが支度金が多い」「養成期間の給与が高い」と言われる場面は起こり得ます。
このとき、金額を上乗せして引き止める交渉に入ると、入社後に条件面の不満が残りやすくなります。有効なのは、比較の軸を金額から「取得までの確実性」と「取得後の働き方」に広げる説明です。教習所への通いやすさ、シフトの組み方、指導担当がつく期間、デビュー後の売上の立ち上がり方、先輩がどのくらいの期間で慣れたか。数字ではなく手触りのある情報のほうが、迷っている人の判断材料になります。
そのうえで、「もし他社さんと迷っておられるなら、どこが気になっているか教えていただけますか」と正面から聞く。押し込まずに比較を手伝う姿勢は、中途採用の「他社と迷っています」への向き合い方で整理したとおりです。
数ヶ月分の連絡を、社内の誰が持ち続けるか
ここまでの内容は、やるべきことが分かれば難しい話ではありません。難しいのは、配車業務や運行管理を回しながら、数ヶ月にわたる連絡を途切れさせずに続けることです。養成中の候補者が3人いれば、月に十数回の連絡が発生します。忙しい週に一度飛ばすと、そのまま元に戻らないことがよくあります。
社外採用部は、応募の受付・初回連絡・日程調整から、内定後・入社までのフォローまでを外部の採用事務局としてお預かりするサービスです。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積り。求人広告の運用そのものではなく、届いた応募を入社までつなぐ部分を担当します。養成期間の連絡設計をどう組むか、面接や採用判断は社内に残したまま事務局機能だけを借りられるか。サービス責任者の佐々木がご状況を伺ったうえでご提案します。
まずは現在の応募数と、いま養成中の方が何人いるかをお聞かせください。お問い合わせはこちらから承っています。
なお、無事にデビューしたあとに辞めてしまうという課題をお持ちでしたら、ドライバー採用は入社後が本番。3ヶ月以内の離職を防ぐフォローもあわせてお読みください。
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