求人票を学校に出したあと、「一度ご挨拶に伺いたい」と連絡を入れて訪問の約束を取り付ける。ここまでは進んだものの、いざ進路指導室の応接セットに座ってから何を話せばいいのか、はっきり決めずに出かけてしまう会社は少なくありません。結果として、会社の沿革と求人票の内容をもう一度口頭で説明して終わり、ということが起きます。
進路指導の先生は、授業や担任業務の合間に時間を作っています。実質的に話せるのは15分前後と考えておいたほうが無難です。この記事では、その15分で何を伝え、何を紙で置いてくるかに絞って整理します。求人票の出し方や提出手順そのものについては高校・専門学校への求人票提出。学校とのつき合い方の基本をご覧ください。
先生が知りたいのは、求人票に書けないこと
求人票には、職種・勤務地・給与・就業時間・休日といった条件が整った形で載っています。先生はそれを事前に読んでいることが多く、同じ内容を口頭でなぞられても新しい情報は増えません。
先生が生徒に会社を勧めるとき、判断材料になるのは「この子を送り出して、きちんと育ててもらえるか」「辞めずに続けられそうか」という点です。これは条件欄の数字からは読み取れません。学校側は卒業生の進路先を数年単位で見ており、早期に辞めて戻ってきた生徒がいれば、その会社への紹介は慎重になりやすいものです。
つまり15分で話すべきは、求人票の補足ではなく、求人票に書ききれない「入社後の中身」です。ここを3点に絞ります。
持っていく資料は3枚。A4で用意する
口頭だけで話しても、先生の手元には何も残りません。15分の面談は、資料を渡しながら要点を口で補う形にすると収まりがよくなります。用意するのはA4で3枚です。
1枚目:入社後1年の育て方 入社日から1年間、何を、誰が、どの順番で教えるかを時期ごとに書きます。最初の1週間は何をするのか、1ヶ月目はどこまでできるようになるのか、半年後にどんな仕事を任せるのか。教える担当者を決めているのであれば、その体制も書き添えます。「現場で覚えてもらいます」としか言えない状態なら、訪問前に社内で決めておきたいところです(教える人を決めずに迎えない。OJT担当の決め方)。
2枚目:先輩社員の在籍状況 過去に高卒・専門卒で入った社員が、いま何年目で何をしているか。人数が少なくても構いません。「3年前に入った○○高校出身の社員が、いまは△△を担当しています」という具体が1人分でもあると、先生は生徒に話しやすくなります。該当者がいない場合は、同年代の若手社員の在籍年数と担当業務を書きます。実際の在籍者だけを書き、誇張しないことが前提です。
3枚目:残業と休日の実態 求人票の「月平均残業20時間」が実態とどれくらい合っているか。繁忙期と閑散期で何時間くらい違うか。土曜出勤は月に何回あるか。有給は取れているか。先生がいちばん聞きたく、かつ聞きにくい項目がここです。こちらから先に出すと、話が早く進みます。実態と求人票の記載がずれていると、入社後に生徒から学校に不満が伝わり、翌年以降の関係に響きます(求人票と面接での説明がずれると、辞退される)。
この3枚に加えて、会社案内と、職場の写真を数枚載せた紙を添えると、生徒への説明に使ってもらいやすくなります。写真は綺麗に撮ったものより、実際の作業風景がわかるもののほうが伝わりやすいと言われます。
15分の時間配分
配分を決めずに行くと、会社説明で10分使い切ってしまうことが起こります。以下は一例として、仮に15分で組んだ場合の目安です。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 0〜2分 | 挨拶、会社の所在地と事業内容を1〜2文で |
| 2〜8分 | 資料3枚を順に渡しながら説明(1枚2分) |
| 8〜12分 | 先生からの質問に答える |
| 12〜15分 | 今後の進め方の確認、連絡先の交換 |
会社の歴史や社長の思いは、ここでは最小限で構いません。先生が持ち帰れる情報を優先します。質問の時間を4分確保しておくのは、聞かれた内容がそのまま「学校側が気にしている点」になるためです。その場で答えられない質問は、無理に即答せず「確認して明日までにご連絡します」と伝え、約束どおり返すほうが信頼につながります。
訪問時期は、学校の年間の動きに合わせる
高校の就職活動は、求人公開や応募・選考の時期が制度で定められており、学校側の動きもそれに沿って進みます。具体的な日程は年度や地域によって変わるため、管轄のハローワークや学校に直接確認してください。
そのうえで、訪問の狙い目を考えると次のようになります。求人票の提出時期に合わせて訪問するのが基本ですが、この時期は学校も他社の対応で混み合います。むしろ落ち着いて話せるのは、就職活動が一段落した後の時期です。「来年度もお願いします」という趣旨の挨拶であれば、先生も時間を取りやすくなります。初年度に応募がゼロでも、翌年のための訪問だと割り切るほうが現実的です。
専門学校の場合は、学科ごとに就職担当が分かれていることがあります。訪問前に「どの学科の担当の先生にお会いすればよいか」を電話で確認しておくと、当日の話が噛み合います。
訪問記録を残せば、翌年の15分が変わる
学校訪問は、1回で結果が出る活動ではありません。だからこそ、記録が残っているかどうかで次の年の密度が変わります。訪問したその日のうちに、次の項目を1枚にまとめておきます。
- 訪問日、学校名、学科名、お会いした先生の氏名
- 先生から聞かれた質問と、こちらの回答
- 学校側から伝えられた情報(生徒数、例年の進路傾向、応募の手続き)
- 置いてきた資料の種類
- 次の連絡時期と、そのとき伝えること
この記録がないと、翌年また同じ自己紹介から始めることになります。担当の先生が異動していても、前年の記録があれば「昨年は○○先生にお世話になりました」と話を継げます。記録の置き場所は、採用担当の個人メールではなく、社内の共有フォルダに置いてください。人が替わっても引き継げる形にしておくことが、学校とのつき合いでは特に効いてきます。
なお、学校経由で応募が届いた後の対応は、就職サイトからの本人応募とは連絡先も進め方も変わります。この点は高卒・専門卒の応募。学校経由と本人応募で対応が違うに整理しています。
学校訪問は、1校あたりの所要時間こそ短いものの、資料の準備、訪問先のリストアップ、日程の調整、そして訪問後の記録と次年度への引き継ぎまで含めると、それなりの工数になります。社長や総務の方が本業の合間に進めると、資料が揃わないまま訪問日が来てしまうことも起こりがちです。
社外採用部は、中小企業の採用事務局として、求人・媒体の運用や学校・紹介会社との接点づくりといった母集団形成から、応募受付・日程調整・面接前後のフォロー、内定・入社後のフォローまでを社外から担います。面接そのものと採否の判断は御社に残したまま、その前後の手間を外に出す形です。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。学校まわりを含めて、どこから手をつけるか迷っている段階でも構いません。こちらからご相談ください。
無料相談