求人を出すとき、原稿の文字は埋めたものの、写真の欄だけが空白のまま掲載している。あるいは、何年も前に撮った集合写真を使い回している。中小企業では珍しくない状況です。写真を用意しようにも、カメラマンを手配する予算も時間もなく、そのまま後回しになってしまう。
ただ、求職者は求人票を読むより先に、一覧に並んだ写真を見て開くかどうかを決めています。写真がないこと自体が「よく分からない会社」という印象につながることもあります。この記事では、特別な機材を用意せず、手元のスマートフォンで何を何枚撮ればよいかを、撮る順番と社内の段取りに分けて整理します。
写真がないと、求職者は不足分を想像で埋める
求人情報に写真がないとき、応募を検討している人は何も感じないわけではありません。職場の様子が分からない以上、過去に見聞きしたイメージや、同じ業種の他社の写真で頭の中を埋めていきます。そこで想像されるものが実際の職場より良いとは限りません。
特に、応募後に会社名で検索する人は多いものです。検索しても写真が出てこない、出てきても10年前のものばかりという状態だと、面接前に不安が残ったままになります(この点は応募者は面接前に会社を検索している。何を見られているかでも触れています)。
逆に言えば、写真は「きれいに見せる」ためではなく、「想像の余地を減らす」ために撮るものです。この目的が決まると、何を撮ればよいかもはっきりしてきます。
まず撮るのはこの4枚
一度に何十枚も撮ろうとすると、たいてい途中で止まります。最初は次の4枚に絞ってください。
| 撮る対象 | 何が伝わるか | 撮り方の目安 |
|---|---|---|
| ①働いている様子 | 実際の仕事の中身、使う道具 | 手元と顔の両方が入る距離で。横から撮ると自然 |
| ②職場の全景 | 広さ、清潔さ、設備の状態 | 入口に立った高さで、片付けてから1枚 |
| ③設備・車両・道具 | 何を扱うのか、規模感 | 近寄って1台・1台分を大きく |
| ④社員の顔 | 一緒に働く人の雰囲気 | 屋外や窓際の明るい場所で、上半身 |
①は「作業中の手元だけ」になりがちですが、誰が何をしているかが分かる構図のほうが伝わります。②は撮る前に5分だけ片付けをしてください。段ボールや私物が写り込むかどうかで印象は変わります。③は、たとえば運送業なら車両、製造業なら機械、クリニックなら待合室や設備など、その仕事の象徴になるものです。④は無理に全員を並べず、2〜3人でかまいません。
撮影は晴れた日の午前中など、自然光が入る時間帯を選ぶと、それだけで見栄えが変わります。照明は足さなくて構いません。暗い室内で撮った写真は、どう加工しても暗く見えます。
誰が、いつ撮るか
写真が用意できない会社の多くは、腕の問題ではなく段取りの問題です。「撮っておいて」と頼んだまま誰のタスクでもなくなる、というパターンが起きやすいところです。
決めることは3つだけです。
- 撮る人を1人決める。現場に毎日いる人が向いています。社長や総務が現場に行く日を待つと、撮影日は先延ばしになります。
- 撮る日を予定表に入れる。「現場が落ち着いたら」ではなく、日付を入れてください。所要時間は、上の4枚なら30分程度を見込めば足ります。
- 送り先を決める。撮った写真が撮影者のスマホに残ったままでは使えません。共有フォルダでもメールでも、1か所に集める先を先に決めます。
スマートフォンのカメラは、横向き(横長)で撮っておくと求人媒体でも案内資料でも使いやすくなります。1つの対象につき3〜4枚撮っておき、あとから選ぶ形にすると撮り直しの手間が減ります。
社員の同意と、加工しすぎない線引き
顔が写る写真は、本人の同意を取ってから使ってください。口頭でも構いませんが、「求人広告と、応募者に渡す案内資料に使う」と用途まで伝えることが大切です。採用目的だと説明せずに撮った写真が後から求人に出ていた、という形は社内の信頼を損ねます。
あわせて、次の点も先に決めておくと後の揉め事が減ります。
- 退職した場合、写真をいつまで使うか(退職時に差し替える、など)
- 顔出しを断った人には、後ろ姿や手元のみで対応する
- 掲載する媒体を増やすときは、改めて一声かける
もう一つ注意したいのが、加工のかけ過ぎです。明るさを少し上げる、傾きを直す程度は問題ありませんが、実際より広く見せる、新しく見せる加工は避けたほうが無難です。面接で来社した候補者が写真との違いに気づくと、設備の話だけでなく、求人票に書かれた条件まで疑われることになります。求人と実態のずれが辞退につながる構造は、求人票と面接での説明がずれると、辞退されるでも整理しています。
古い設備や雑然とした場所がある場合、無理に隠すより、撮らない場所を決めるほうが現実的です。
撮った写真は、面接前の案内にも使える
写真の使い道は求人広告だけではありません。撮った4枚は、そのまま面接前の案内資料に転用できます。
たとえば、面接日が確定したあとの案内メールに、職場の全景と働いている様子の写真を添えるだけでも、候補者は当日の様子をイメージしやすくなります。来社場所の写真(建物の外観、入口、駐車位置)を1枚足しておけば、道順案内の補足にもなります。面接までの空白期間に候補者の不安が膨らむ構造については、「とりあえず面接に来てもらう」が失敗するとき。面接前フォローの意味もあわせてご覧ください。
写真を撮る順番としては、求人掲載→応募→面接案内、という流れのどこでも使えるものから手を付けるのが効率的です。4枚撮れば、掲載・案内・自社サイトの3か所で使い回せます。
なお、掲載しても応募が動かないとき、写真だけが原因とは限りません。掲載中に点検できる項目は1ヶ月応募がゼロ。掲載中に何を点検するかに整理しています。写真を変えたら応募がどう動いたかを見るために、変更前後の応募件数を記録しておくと判断しやすくなります。
撮影そのものは30分で終わりますが、「誰が撮るか決める」「同意を取る」「掲載に差し替える」「面接案内の文面に組み込む」といった前後の作業が積み重なると、本業の合間では止まりがちです。
社外採用部では、求人・媒体の運用といった母集団形成から、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー、内定や入社までのご連絡までを、御社の採用事務局として引き受けています。面接と採否の判断は御社に残したまま、その手前と後ろの実務を社外に預けるかたちです。月額49,800円〜、初回設計費100,000円から、支援内容に合わせて個別にお見積りします。
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