面接の日程が決まってから当日までの数日間、候補者は何をしているでしょうか。多くの場合、スマートフォンで御社の会社名を検索しています。求人票に書かれていること以外を知りたい、面接で聞きにくいことを先に確かめたい、という気持ちからです。そして検索結果に並ぶのは、御社が意図して出した情報だけではありません。

よくあるのは「うちの会社を検索すると変な口コミが出てくるので困っている」というお悩みです。ただ、書き込みを消すことに時間を使うよりも、候補者が不安に思う点について自社から先に答えを出しておくほうが、面接までの離脱は減りやすくなります。この記事では、面接前の数日間に何を見られているのか、そして企業側から先に出せる情報とは何かを整理します。

面接前の数日間、検索結果に並んでいるもの

候補者が会社名で検索したとき、上位に出てくるのはおおむね次のようなものです。自社で一度、社名だけで検索してみると実態がわかります。

出てくるもの候補者が受け取る印象
自社サイト・採用ページ情報が古いと「動いていない会社」に見える
口コミサイトの書き込み件数が少ないほど1件の影響が大きい
過去に掲載した求人(掲載終了分含む)現在の給与や条件と食い違うと不信につながる
代表者や社員のSNS更新が生きていれば安心材料にもなる
求人媒体の他社求人(比較対象)同じ商圏の会社と並べて見られる

このなかで見落とされやすいのが、過去の求人情報です。数年前に別の媒体で出した求人が検索結果に残っていて、当時の給与レンジや勤務時間が今と違う。候補者はそれを見て「今回の条件は本当なのか」と考えます。求人票と面接での説明が食い違うと辞退につながるのと同じ構造で、検索で見つかる古い情報も説明のずれを生みます(求人票と面接での説明がずれると、辞退される)。

口コミの書き込みについても、削除依頼に労力を割く前に内容を読み込むことをおすすめします。書かれている不満が現在も残っているのか、すでに改善されたことなのか。ここを整理しておくと、後述する統一見解がつくりやすくなります。

「消す」より「先に出す」。面接前の案内でできること

候補者の不安は、情報がないところに勝手に育ちます。逆に言えば、こちらから先に伝えてしまえば、検索して不安になる余地が小さくなります。面接日が確定してから当日までの案内メールは、その絶好の機会です。

面接前の案内に入れておくと効きやすいのは、次のような情報です。

これらは特別な広報物をつくらなくても、案内メールに数行ずつ足せば済みます。逆に、立派な会社案内PDFをつくろうとすると着手が遅れ、結局間に合いません。まずは案内文の中身を厚くするところから始めるのが現実的です。案内文の骨格そのものについては「とりあえず面接に来てもらう」が失敗するとき。面接前フォローの意味で扱っていますので、あわせてご覧ください。

もうひとつ、案内を送る速さも見られています。応募から面接案内までの時間が空くと、その空白の間に候補者は検索し、他社の求人も見ます。仮の数字ですが、応募当日に案内が届く会社と3日後に届く会社では、候補者が他社情報に触れる時間が単純に3倍違います。

触れられたときに、どう答えるか

面接で候補者から「ネットで見たのですが」と切り出されることがあります。残業の多さ、離職率、社長のワンマンさ。こうした話題が出たとき、面接官の反応で会社の印象が決まります。

避けたいのは次の三つです。

一つ目は、否定から入ることです。「そんなことはありません」で始めると、候補者は聞いたこと自体を後悔します。二つ目は、書き込んだ人を批判することです。「辞めた人が勝手に書いたものです」と言えば、候補者は「自分も辞めたらそう言われるのか」と受け取ります。三つ目は、その場で取り繕った数字を出すことです。根拠のない数字は後で必ず食い違います。

現実的な答え方は、事実・現状・これからの順に分けて話すことです。たとえば残業について指摘されたなら、「繁忙期にあたる時期は残業が出ます」(事実)「昨年に人員を増やして、通常月は◯時間程度に収まっています」(現状、自社の実数で)「シフトの組み方を今年から変えています」(これから)といった形です。認めるべきところを認めたうえで、今どうなっているかを言えると、かえって信頼されやすくなります。

答えたあとに「ほかに気になる点はありますか」と一言添えると、候補者が抱えていた別の不安も出てきます。面接後のフォローで本音を確認する動きと同じ発想です(面接後の「連絡します」で終わらせない。24時間以内の本音確認)。

社内の統一見解を、A4一枚にまとめておく

問題は、こうした答え方が面接官ごとにばらつくことです。社長は「うちは残業が多い会社だと思われている」と言い、現場の課長は「そんな話は知らない」と答える。候補者からすれば、どちらが本当なのかわからなくなります。

そこで、社内で聞かれやすい質問と答え方をA4一枚に整理しておくことをおすすめします。つくり方は次の手順です。

  1. 社名で実際に検索し、目についた指摘を書き出す(口コミ、掲示板、過去求人の条件差など)
  2. 過去の面接で実際に聞かれた質問を思い出して足す(面接官が複数いる場合は全員から集める)
  3. 項目ごとに、事実・現状・これからの3行を埋める
  4. 数字を書く欄は、社内で確認できた実数だけを入れる。確認できないものは空欄のままにし、面接では「正確な数字は確認して後日お伝えします」と答える運用にする
  5. 半年に一度、内容を見直す

このシートは面接官同士で読み合わせておくと効果が出ます。とくに現場から面接に入る方は、採用の文脈を知らないまま質問を受けることがあるためです。面接官の技術以前のつまずきについては面接官トレーニングの前に。中小企業の面接で本当に多いつまずきでも整理しています。

なお、応募後の候補者対応が丁寧であれば、検索結果の一件の書き込みよりも「実際に受けた対応」のほうが判断材料として強く働くことが多いものです。知名度や評判を気にする前に手を打てることは残っています(「うちは知名度がないから」と言う前にできる候補者対応)。

情報を出し続けるには、担い手を決めておく

面接前の案内を厚くする、統一見解を更新する。どちらも一度つくれば終わりではなく、募集のたびに手を入れる仕事です。ここが社長や総務担当の兼務のままだと、忙しい月に真っ先に省かれます。

社外採用部は、求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用から、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー・内定と入社のフォローまで、面接以外の採用実務を御社の採用事務局として代行するサービスです。面接そのものと採否の判断は御社が行います。面接前の案内文に何を盛り込むか、聞かれやすい質問への答え方をどう共有するかといった設計も、初回に一緒に組み立てます。料金は初回設計費100,000円、月額49,800円からで、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。来ている応募を面接・入社までつなぐ部分も、そのままお任せいただけます。

面接前の数日間に何を見られているかは、検索してみればすぐにわかります。そのうえで、自社から出す情報をどう組み立てるか。ご相談はこちらからお気軽にお寄せください。サービス責任者の佐々木純平が、現在の応募対応の状況をお聞きしたうえでご提案します。