掲載期間が終わり、結局採用に至らなかった。媒体の担当者から「もう一度出しますか」と連絡が来て、前回と同じ原稿にチェックを入れて再掲載する。中小企業の採用現場では、ごく普通に起きている光景です。

ただ、同じ原稿を同じ媒体に同じ条件で出せば、返ってくる結果も前回に近いものになりやすいものです。再掲載は「もう一度チャンスをもらう」ことではなく、「前回の結果を材料にして一手だけ打ち直す」機会として使うほうが、費用に対する見返りは大きくなります。この記事では、何を見て、どこを変えるかを決めるための手順を整理します。

再掲載の前に、前回を3つの数字で振り返る

変更点を決める前に、前回の掲載がどこで止まったのかを確認します。見るのは次の3つで足ります。

1. 応募数:掲載期間中に何件の応募が届いたか。媒体の管理画面で確認できます。

2. 面接設定率:応募のうち、実際に面接日が確定した割合です。応募10件のうち面接が3件なら30%。計算の仕方や記録の残し方は面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩で詳しく扱っています。

3. 辞退・離脱の理由:面接前に連絡が途絶えた、面接には来たが辞退した、条件が合わなかった。件数が少なくても、一件ずつメモが残っていれば十分な材料になります。理由の聞き方は辞退理由をどう聞くか。断られたあとの一言で次が変わるをご覧ください。

この3つを書き出せないまま再掲載すると、何となく「文章を少し変えてみる」以上の判断ができません。逆に言えば、この3つさえ手元にあれば、次に触るべき場所はかなり絞り込めます。

原稿を変えるか、応募後の対応を変えるか

前回の数字の組み合わせから、どちらに手を入れるべきかを切り分ける表を用意しました。数字は仮の目安として読んでください。業種や地域、募集職種によって適正なラインは変わります。

前回の状況詰まっている場所再掲載時に変えるところ
応募がほぼゼロ求人が見られていない/条件が届いていない原稿(タイトル・条件の見せ方・掲載枠)
応募はあるが面接設定率が低い応募後の初回連絡・日程調整応募後の対応(原稿は触らない)
面接はできるが「話が違う」で辞退求人票と面接の説明のずれ原稿の記載内容(実態に合わせる)
面接後に他社を選ばれる選考スピード・条件の競争力選考日程の設計/条件の見直し
応募者の経験・資格が要件と合わない要件の書き方・応募後の確認原稿の必須条件の表現

注意したいのは、2行目のケースです。応募は届いていたのに面接まで進まなかった場合、原稿を書き換えても状況はあまり変わりません。同じ原稿でもう一度出し、今度は応募後の動きだけを変える。そのほうが、何が効いたのかもはっきりします。応募後の数字から媒体の問題と対応の問題を切り分ける手順は、求人媒体を変える前に確認したい、応募後対応の数字にまとめています。

変更は一度に1か所だけにする

再掲載のときに起きがちなのが、「せっかくだから」と複数箇所を同時に変えてしまうことです。タイトルを変え、給与の表記を変え、写真を差し替え、ついでに媒体も変更する。応募が増えても減っても、何が効いたのかは分からないまま終わります。

そこで、次のような作法をおすすめしています。

仮に、前回が応募8件・面接設定3件だったとします。今回はタイトルだけを変えて応募が14件になった。ここで「タイトルが効いた」と一度結論づけて記録に残します。一方、面接設定が3件のままなら、次の掲載では原稿を固定して応募後の連絡の速さを変える、という順番になります。

求人媒体は掲載ごとに費用が発生しますから、1回の掲載を1回の検証として扱うと、回数を重ねるほど自社の勝ちパターンが手元に残ります。逆に毎回すべてを変えていると、何度掲載しても判断材料が増えません。

原稿を変えると決めたときの優先順位

原稿側に手を入れると決めた場合、どこから触るかにも順番があります。応募が極端に少なかったときは、まず候補者の目に最初に入る部分から見直します。

  1. 職種名・タイトル:検索されている言葉になっているか。社内の呼称をそのまま使っていないか
  2. 給与・勤務時間の表記:幅の下限だけが目立っていないか。実際の支給例を併記できないか
  3. 必須条件:本当に必須なのはいくつか。資格や経験を並べすぎると応募前に諦められます
  4. 写真・職場の情報:働く場所と一緒に働く人が見えるか

ここで見直した内容は、面接での説明とそろえておきます。原稿を魅力的にした結果、面接で聞く話と食い違えば、応募は増えても辞退が増えることになります。求人票と説明のずれは、条件そのもの以上に信頼を損ないやすい部分です。

再掲載の前に、社内の受け皿も確認する

最後にもう一点。応募が増える方向に原稿を変えるなら、増えた応募を受け止められるかを先に確認してください。前回8件で手一杯だった体制のまま応募が15件届けば、初回連絡が遅れ、面接設定率はむしろ下がります。

この3つが決まっていない状態での再掲載は、広告費を追加で使いながら前回と同じ結果を繰り返すことになりがちです。

社外採用部では、求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用から、応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社フォローまで、面接以外の採用実務を採用事務局として代行しています。面接そのものと採否の判断は御社が行います。「掲載はもう一度出すとして、原稿と応募後の対応をどう変えるか」という部分を一緒に設計します。料金は月額49,800円からで、初回設計費は100,000円です。以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。

次の掲載を出す前に、前回の数字を一緒に見てみませんか。ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。