応募があったので、その日のうちに丁寧なメールを送った。面接の候補日も3つ出した。それなのに、何日経っても返事がない。「せっかく応募したのに、見てもいないのか」と感じてしまう場面です。

ただ、応募者が返信しない理由のすべてが「気が変わった」ではありません。そもそもメールが相手の目に触れていない、という可能性があります。迷惑メールフォルダに自動で振り分けられている、携帯キャリアの設定でパソコンからのメールが弾かれている、求人媒体の転送用アドレスが切れている。こうした理由は、送った側からは見えません。この記事では、連絡が通らないときに何を確認し、どう送り方を変えればよいかを整理します。

返事がないのは、届いていないからかもしれない

まず、応募者に連絡が通らない原因を切り分けます。心情の問題と技術の問題は、打ち手がまったく違うからです。

考えられる原因起きやすい場面確認の仕方
迷惑メールフォルダに振り分けられたURLや添付が多い、差出人名が不明瞭自分の個人アドレスに同じ文面を試送する
携帯キャリアの受信拒否設定応募者のアドレスが @docomo.ne.jp などのキャリアメール送信エラー通知の有無を確認する
フリーメールのプロモーションタブに入った@gmail.com 宛で、HTML形式や署名画像つきテキスト形式で送り直す
アドレスの打ち間違い・読み取り違い手書き応募や電話口での聞き取り応募データの原本と照合する
媒体の匿名転送アドレスが失効求人媒体の応募者管理画面から直接返信した場合媒体のヘルプで転送期限を確認する

このうち、送信エラー通知(いわゆるバウンスメール)が返ってきているものは、気づきやすい部類です。やっかいなのは、送信は成功しているのに受信側で別のフォルダへ入ってしまうケースで、企業側には何の通知も来ません。「届いた前提」で待ち続けてしまうのは、この型です。

連絡が途絶えたときにまず疑うべきは相手の意欲ではなく自社の送信環境、という順番を覚えておくと、無駄に落ち込まずに次の手を打てます。関連して、選考中の音信不通にどう備えるか。連絡が途絶える前にできることもあわせてご覧ください。

送る前に点検する、届きやすいメールの作り方

迷惑メール判定は複数の要素の組み合わせで決まります。すべてを制御することはできませんが、企業側で手を入れられる箇所はいくつかあります。

送信元アドレスは自社ドメインで統一する。 担当者の個人フリーメールから送ると、会社名と差出人が一致せず、受け取る側も判断に迷います。saiyo@自社ドメイン のような採用用アドレスを一つ用意しておくと、応募者が検索で探し出すときにも見つけやすくなります。なお、自社ドメインのメールを安定して届けるための送信ドメイン認証(SPF・DKIM)が設定されているかは、社内のIT担当者や契約しているメールサービスの提供元に確認してみてください。

差出人名を「会社名+採用担当」にする。 「山田」とだけ表示されるより、「株式会社◯◯ 採用担当」と出たほうが、応募者はひと目で見当がつきます。スマートフォンの通知画面では、差出人名と件名の冒頭しか見えないことも多いものです。

件名に社名と用件を入れる。 「ご応募ありがとうございます」だけでは、どこからの連絡か分かりません。「【株式会社◯◯】ご応募のお礼と面接日程のご相談」のように、社名と用件を先頭に置きます。

URLと添付ファイルは最小限にする。 1通目に地図リンク、会社案内PDF、社員インタビューのURLをまとめて入れると、それだけで迷惑メール判定の材料が増えます。1通目は本文テキスト中心にして、詳細な案内は日程が確定してから別便で送るほうが安全です。

署名の画像やバナーを外す。 装飾の多いHTMLメールは、フリーメールで別タブに振り分けられることがあります。採用の連絡は、素のテキストで十分です。

1通目から二重化する。メールとSMSの組み合わせ

どれだけ工夫しても、届くかどうかは相手の環境次第です。そこで現実的なのは、「届かなかった場合に備えて、もう一つの経路を最初から用意しておく」という考え方です。

おすすめは、メールを送った直後に、同じ内容の要点だけをSMS(ショートメッセージ)で送ることです。SMSは電話番号宛なので、迷惑メールフォルダという概念がなく、開封されやすい手段です。ただし文字数が限られるため、全文を送る必要はありません。「メールを送ったこと」と「会社名」が伝われば役目を果たします。

株式会社◯◯の採用担当です。
ご応募ありがとうございます。
先ほどメール(saiyo@◯◯.co.jp)にて
面接のご案内をお送りしました。
迷惑メールフォルダもご確認ください。

このSMSには、二つの効果があります。一つは、メールが別フォルダに入っていても応募者が自分で探しに行けること。もう一つは、送信元アドレスを先に知らせることで、応募者側が受信許可設定をしやすくなることです。

電話・SMS・メールをどの順番で使い分けるかについては、応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番で詳しく整理しています。

なお、求人媒体の自動返信メールが送られているから初回連絡は済んでいる、と考えるのは避けたいところです。自動返信は到達の確認にはなりません。詳しくは応募者への自動返信メールだけでは足りない理由をご覧ください。

届いたかを確認する一言と、通じないときの次の手

メールの本文末に、到達を確認する一言を入れておくと、不達に早く気づけます。催促に聞こえない書き方がポイントです。

このメールが迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうことがございます。もしお心当たりのない場合でも、お手数ですがご確認いただけますと幸いです。また、万一メールが届きにくい場合は、お電話(000-000-0000)でも承っております。

そのうえで、返信がない場合の手順を決めておきます。仮の目安として、たとえば次のような流れです。

  1. 当日:メール送信+SMSで一報
  2. 翌日:電話を1回(つながらなければ留守電または再度SMS)
  3. 3日後:件名を変えてメールを再送(「【再送】」と明記する)
  4. 1週間後:最後の連絡として、期限を添えて1通

再送するときは、同じ件名で送っても同じフォルダに入るだけです。件名を変える、本文からURLを外す、可能であれば別のアドレスから送るなど、条件を変えて試します。追いかけの回数と打ち切りの基準は返信が来ない候補者を、何回・何日あけて追うかで整理しています。

連絡が取れないまま終わった応募者については、「不達の疑いあり」と記録に残しておくことをおすすめします。同じアドレス形式で繰り返し不達が起きていれば、自社の送信環境側に原因がある可能性が高まります。

連絡が通る状態を保つのは、仕組みの仕事

メールの到達性は、一度設定すれば終わりというものではありません。使っているメールサービスの仕様変更、媒体の転送ルールの改定など、環境は少しずつ変わっていきます。

とはいえ、本業の合間にこうした点検まで手が回る中小企業は多くありません。日々の応募対応に追われていると、「返事がない人」は自然と後回しになり、そのまま流れていきます。届かなかった連絡は、記録にも残りません。失っていることにすら気づけないのが、この問題のやっかいなところです。

社外採用部は、中小企業の採用事務局として、求人・媒体運用などの母集団形成から、応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社後のフォローまでを社外から担います。面接そのものと採否の判断は御社にお任せし、それ以外の連絡と段取りを引き受ける形です。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円。以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。採用の局面に応じた担当を当社からアサインするため、一人分の人件費で複数の役割を使い分けられます。

「応募は来ているのに、面接まで進まない」という状態が続いているなら、まずは現状をお聞かせください。ご相談はこちらから承っています。