欠員が出て、また求人を出さなければと考えたとき。掲載費の見積もりを取る前に、一度だけ確認していただきたい場所があります。半年前、一年前に応募してきた方々の記録です。
あのとき条件が合わなかった人、面接まで来たけれど他社に決まった人、内定を出したのに辞退された人。その方々の状況は、今も同じとは限りません。転職先で違和感を抱えている人もいれば、当時は動けなかった事情が解消している人もいます。とはいえ、こちらから連絡を取ることに気後れを感じるのも自然な感覚です。迷惑ではないか、失礼にあたらないか。この記事では、その線引きと連絡の仕方を整理します。
連絡してよい相手と、そっとしておく相手
過去の応募者すべてに一斉送信する、というやり方は避けたほうが無難です。相手ごとに前回の別れ方が違うため、同じ文面では事故が起きやすくなります。まずは記録を見ながら、大きく三つに仕分けてください。
| 前回の状況 | 再連絡の可否 | 判断の理由 |
|---|---|---|
| 条件・タイミングが合わずに見送り/辞退 | 声をかけやすい | 相手の状況が変われば成立する可能性がある |
| 面接まで進んだが他社に決定 | 状況次第 | 入社後の期間が短ければ触れにくい。1年以上経っていれば検討の余地 |
| 適性・経歴面で不採用、選考中にトラブルがあった | 見送るほうがよい | 前回と同じ結論になりやすく、双方に負担が残る |
判断を分けるのは「前回うちが断ったのか、相手が断ったのか」そして「その理由が時間で変わるものか」の二点です。勤務地や勤務時間、入社可能時期といった条件のズレは、時間とともに変わります。一方、業務適性に関する評価は、半年で大きく動くものではありません。ここを曖昧にしたまま声をかけると、相手に期待を持たせたうえでもう一度断ることになります。不採用にした方への向き合い方は不採用者への対応が、会社の評判をつくるでも触れていますが、再連絡は評判に直結する場面だとお考えください。
なお、募集する職種が前回と違う場合は、別の話として声をかけて構いません。「前回の職種ではご縁がありませんでしたが、今回は別の仕事で」という伝え方であれば、相手も受け止めやすくなります。
連絡する前に、同意の範囲を確認する
もうひとつ、事前に確認しておきたいのが個人情報の扱いです。応募時に取得した連絡先を、どこまで使ってよいかという問題です。
確認していただきたいのは次の点です。求人票や応募フォームに記載した利用目的が「採用選考のため」に限定されていないか。応募者情報の保管期間を社内で定めているか、その期間を過ぎていないか。過去に削除の依頼を受けていないか。この三つは、連絡する前に必ず確認してください。
利用目的が選考限定になっている場合でも、道が閉ざれるわけではありません。「前回の選考でお預かりした連絡先にご連絡しています」と冒頭で明示し、不要であれば以後連絡しない旨を添える。この一文があるかないかで、受け取る側の印象は変わります。今後のために、応募フォームの利用目的に「今後の求人のご案内」を含めておくと、次回以降が動かしやすくなります。外部に対応を委ねている場合の考え方は応募者の個人情報、どこまで社外に出していいのかにまとめています。
警戒されない文面の組み立て
久しぶりの連絡で最も避けたいのは、相手に「営業のメールが来た」と感じさせることです。以下の四つの要素を、この順番で入れると無理がありません。
- 前回の接点を具体的に示す — 「昨年◯月に◯◯職にご応募いただいた際に担当した◯◯です」。いつ、どの職種で、誰が対応したか。ここが曖昧だと不審に思われます
- なぜ今連絡したかを述べる — 「当時は勤務時間の条件が合わずご縁になりませんでしたが、今回シフトの組み方を変えた募集を出すことになり、まずお声がけしたいと思いました」
- 相手の状況を尊重する一文 — 「すでにお仕事が決まっていらっしゃる場合は、どうぞこのままお気になさらないでください」
- 反応の負担を軽くする — 「ご関心があれば、この返信に一言いただければ詳細をお送りします」
避けたほうがよいのは、いきなり面接日を提示することです。応募直後であればスピードが効きますが(応募後1時間以内の初回連絡が、採用の歩留まりを変える理由)、時間が空いた相手には前段が必要です。まず関心を確認し、反応があってから日程調整に進む。二段構えにしてください。
手段は、前回やりとりした経路に合わせるのが基本です。メールで進めた相手にはメール、SMSで連絡が取れた相手にはSMS。電話はハードルが上がりやすいため、最初の接触には向かないことが多いと感じています。
追わないルールを先に決めておく
再アプローチで最も揉めやすいのが、返信がなかったときの扱いです。ここは連絡する前にルールを決めてください。
「送るのは1回、リマインドはしない」を基本にするのがよいと考えます。応募中の候補者への催促とは性質が違い、相手はいま何も求めていない状態だからです。返信がないのは、すでに働いているか、関心がないか、単に気づいていないか。いずれにしても追う理由がありません。
そのうえで、次の三つを社内で決めておきます。再連絡は一人につき何回までか(年1回程度が目安)。返信がなかった相手を次回の対象から外すか。「連絡不要」と言われた相手をどう記録するか。特に三つ目は、記録しないまま次の担当者が同じ人に連絡する事故につながります。仮の話ですが、リストが50件あれば、担当者が代わったあとに重複連絡が起きる確率は決して低くありません。
リストが残っていない会社へ
ここまで読んで「そもそも過去の応募者の記録が残っていない」と気づかれた方も多いはずです。媒体の管理画面は掲載終了とともに見られなくなり、メールは担当者の受信箱の奥に沈んでいきます。
今日から残していただきたいのは、次の項目だけで十分です。応募日と職種、氏名と連絡先、応募経路、選考の結末(不採用/辞退/内定辞退)、そして結末の理由を一行。この最後の一行が、半年後に「声をかけてよい人」を見分ける材料になります。「条件面で見送り」と「経験不足で見送り」では、次の扱いがまったく変わるからです。項目の詳細は応募者の記録は何を残せばいいのか。最低限の6項目をご覧ください。
過去の応募者への再アプローチは、当たれば掲載費をかけずに面接が1件生まれる打ち手です。ただし、当たり外れが大きく、リストの質に結果が左右されます。今回うまくいかなくても、記録を残し始めれば来年の選択肢が増えます。
社外採用部では、応募の受付から初回連絡、日程調整、面接前後のフォローまでを代行しながら、応募者の記録が自然に残る運用を一緒に設計しています。月額49,800円〜、初回設計費100,000円から。「そもそも何を記録すればいいのか」という段階からのご相談も歓迎しています。まずはこちらからお気軽にお問い合わせください。
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