台風の接近予報が出ている、あるいは明日は大雪の見込み。そんな日に面接の予定が入っていると、会社側は「来られるだろうか」と気にしつつ、わざわざ連絡するほどでもないかと様子を見てしまいがちです。ところが候補者の側では、会社から何も言われないまま当日を迎えると、取れる選択肢が極端に狭くなります。無理をしてでも向かうか、黙って行かないか。そのどちらかです。

前者を選んで電車の遅延に巻き込まれれば、候補者は遅刻の負い目を抱えたまま面接に入ります。後者を選ばれれば、会社からは無断キャンセルにしか見えません。どちらも、会社が前日のうちに一通送っていれば避けられたことです。この記事では、荒天が予想される日の前日・当日・振替後に、会社から何をどう伝えるかを整理します。

候補者が「連絡しづらい」理由を先に理解する

天候が荒れそうなとき、候補者から「延期できませんか」と言い出すのは、思っている以上にハードルが高いものです。選考を受けている立場で日程変更を頼むことが、意欲がないと受け取られないか。電車が動いている以上、来るのが当然と思われないか。そうした遠慮から、言い出せないまま当日の朝を迎える方は少なくありません。

この構造がある以上、言い出す役は会社側が引き受けたほうが話が早くなります。「無理をしないでください」と先に言われれば、候補者は安心して状況を伝えられます。そして、こちらから気遣いを示した会社は、候補者の記憶に残ります。選考中の細かな対応が入社意思に効いてくる理由は候補者体験を良くすると、なぜ採用成功につながるのかでも整理していますが、天候のような非常時こそ、会社の姿勢が最も分かりやすく出る場面だと言えます。

前日夕方に送る一通。振替可能だと先に伝える

荒天の予報が出ている場合、前日の夕方(15時〜18時ごろ)に一通送っておきます。この時間帯なら、候補者はまだ翌日の予定を動かせますし、在職中の方でも業務の合間に確認できます。

送る内容は次の4点に絞ります。明日の面接予定の再確認、交通機関が乱れる可能性への言及、無理をしなくてよいという意思表示、振替の具体的な提示です。大切なのは、「状況を見てご連絡ください」で終わらせないことです。振替日の候補まで同時に出しておくと、候補者は変更を頼む心理的な負担がほとんどなくなります。

◯◯様

明日◯月◯日(◯)14時からの面接について、ご連絡いたします。

明日は台風の接近により、交通機関に乱れが出る可能性があると報じられています。お住まいの地域や路線の状況によっては、無理をなさらずご判断ください。日程の振替は問題なく承ります。

振替をご希望の場合は、下記いずれかの日程でいかがでしょうか。 ・◯月◯日(◯)10時/14時 ・◯月◯日(◯)15時

また、オンラインでの実施に切り替えることも可能です。ご希望があればお知らせください。

当日朝に状況が変わった場合は、◯◯(携帯:000-0000-0000)までご連絡ください。朝7時以降つながります。

株式会社◯◯ 採用担当 ◯◯

当日朝の連絡先を携帯番号で明示しておく点は、忘れずに入れてください。代表電話の番号しか伝えていないと、始業前の時間帯に候補者は連絡手段を失います。前日連絡の基本的な型については面接前日のリマインドメール例文。送る5つの内容と気をつけたい一言もあわせてご覧ください。

当日朝、何時までに何を判断するか

前日の時点では天候が読めないこともあります。その場合は、当日朝に会社から判断を伝えます。判断の時刻をあらかじめ決めておくと、担当者が迷いません。

面接時刻判断・連絡の目安見る情報
午前(9〜12時)当日7時〜7時30分鉄道各社の運転見合わせ・間引き運転の発表、警報の発令状況
午後(13〜17時)当日9時〜10時午前中の運行状況、昼以降の見込み、社内の出社状況

判断の基準は、会社ごとに決めておけば十分です。たとえば「候補者の利用路線が運転見合わせ」「暴風警報または大雪警報が発令中」「社内が自宅待機を指示している」のいずれかに当たれば振替を提案する、といった具合です。基準を決めておかないと、その日の担当者の感覚で対応が変わり、候補者によって扱いが違ってしまいます。

連絡はメールだけでなく、SMSや電話も併用します。移動中の候補者はメールを開かないことが多いためです。とくに午前の面接で早朝に連絡する場合は、SMSのほうが気づかれやすい傾向があります。連絡手段の組み合わせ方は応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番で詳しく扱っています。

当日の候補者から「少し遅れそうです」と連絡が入った場合は、「お待ちしていますので、安全を優先してお越しください」と返します。遅れること自体を気にさせない一言があるかないかで、面接が始まったときの候補者の状態が変わります。

会社が休業・短縮営業になる場合の伝え方

会社側の判断で臨時休業や早上がりになる日は、面接の実施可否を会社から明確に伝える必要があります。このとき避けたいのは、「本日は休業のため中止します」とだけ送ることです。候補者には、自分の選考がどうなるのか分からない状態が残ります。

伝える順序は、休業の事実、面接を振り替える旨、振替候補日、そして「選考が不利になることはありません」の一言です。会社都合で日程を動かす以上、候補者が不安を覚えないよう配慮が要ります。

本日は会社休業のため、14時からの面接を実施できなくなりました。直前のご連絡となり申し訳ございません。

振替として、◯月◯日(◯)10時/◯月◯日(◯)14時はいかがでしょうか。ご都合の良い時間をお知らせください。選考の進行に影響はございませんので、ご安心ください。

会社の都合で日程をずらすときの伝え方全般については、会社の都合で面接日を変更するとき、辞退させない伝え方にまとめています。

なお、オンラインに切り替えて予定どおり実施する選択肢もあります。候補者が自宅から参加でき、設備の準備が整っているなら有効ですが、初回の接続で手間取ると冒頭の数分が失われます。切り替える場合は、URLと接続手順、つながらないときの電話番号を同じメールに入れておいてください。

振替後、温度を落とさないための一言

日程を振り替えると、面接までの間が数日から1週間ほど空きます。この空白で候補者の意欲が下がることがあります。他社の選考が先に進む、応募時の気持ちが薄れる、といった理由です。

振替日が決まった直後に、確定の連絡だけでなく一言添えておきます。「◯日にお目にかかれるのを楽しみにしています」「当日は◯◯の話も伺えればと思っています」といった短い文で構いません。事務連絡だけで終わらせないことが、次に会うまでの温度を保ちます。

そして振替日の前日には、通常どおりリマインドを送ります。一度流れた予定は、候補者の頭の中でも記憶が薄れやすいためです。地図や所要時間、持ち物の案内も、最初に送ったものをもう一度送り直しておくと親切です。

荒天の日の対応は、年に何度かしか起きないからこそ、その場の判断に任されがちです。前日の文面、当日の判断時刻、休業時の連絡、振替後のフォロー。この4つを型として決めておけば、担当者が誰であっても同じ対応ができます。

社外採用部は、面接の日程調整や面接前後のフォローを、採用の局面に合わせた担当が御社に代わって担う採用事務局です(面接そのものと採否の判断は御社が行います)。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円。以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。急な天候変更のような例外対応まで含めて連絡を止めない体制をお考えでしたら、お問い合わせからお気軽にご相談ください。