給与計算、社会保険の手続き、備品の発注、来客対応。そこに求人の掲載準備と応募者への連絡が加わります。総務が一人しかいない会社では、休めば誰も代わりがいません。「当番制にしましょう」「担当を分けましょう」と書かれた記事を読んでも、分ける相手がいないのが実情ではないでしょうか。
この記事は、その一人の方と、その方に採用を任せている経営者に向けて書いています。時間をどう割り振るかではなく、何をやり、何をやらないかの取捨選択に絞って整理します。
一人総務は「全部やる」前提を捨てるところから
採用の仕事を書き出すと、原稿作成、媒体とのやり取り、応募の確認、初回連絡、日程調整、リマインド、面接の準備、合否連絡、不採用連絡、内定後の書類、記録と集計と、工程は細かく並びます。どれも大切に見えますが、一人で全部を同じ丁寧さでこなそうとすると、本業の締め日が近づいたときに採用全体が止まりやすくなります。
止まるときは「少しずつ遅れる」のではなく、応募への連絡がまとめて数日後になる、という形で表れがちです。候補者から見れば、その間は何の反応もない状態です。
ですから最初に決めたいのは、時間の使い方よりも「どこだけは止めないか」です。1日の中でいつ応募対応をするかという時間割の組み方は、総務が採用を兼務するときの時間割。応募対応の時間を固定するで解説しています。本記事はその手前で、そもそも何に時間を使うかを絞る話です。
守るのは2つだけ。初回連絡と面接枠
一人総務が最優先で守る工程は、初回連絡と面接枠の確保の2つに絞ることをおすすめします。
理由は単純で、この2つが止まると、その後の工程がすべて発生しなくなるからです。面接の質や内定後のフォローは、面接日が決まって初めて意味を持ちます。逆に言えば、この2つさえ動いていれば、多少ほかが粗くても候補者は次の段階に進めます。
初回連絡は、内容を凝らないことが続けるコツです。「応募のお礼」「面接を希望すること」「候補日を3つ」の3点だけを入れた文面を1本用意し、電話がつながらなければ同じ内容をSMSかメールで送る。その日のうちにこれだけ済ませる、と決めておけば、判断に迷う時間がほとんどかかりません。
面接枠は、応募が来てから社長の予定を聞きに行くと、その往復だけで1〜2日かかることがあります。たとえば「毎週火曜と木曜の14時〜16時は面接用に空けておく」と社長と先に約束しておけば、初回連絡の時点で候補日をその場で出せます。枠の決め方や、使わなかった枠を解放するルールは面接枠が取れない。現場が忙しい会社の面接枠の作り方が参考になります。
この2つがそろうと、一人総務の仕事は「応募を見たら、決まった文面で、決まった枠を提示する」という作業になります。判断が減るので、本業の合間でも回しやすくなります。
社長に返す判断を、先に線引きしておく
一人で回していると、「この人は会ったほうがいいのか」「シフトの相談に応じてよいのか」と、判断を抱え込んで手が止まる場面が出てきます。迷っている間に連絡が遅れるのが、一人総務にとって一番もったいない時間です。
そこで、自分で決めることと社長に返すことを、あらかじめ分けておきます。
| 場面 | 誰が決めるか | 一人総務がやること |
|---|---|---|
| 面接日時の確定(決めた枠の中) | 総務 | その場で確定し、社長の予定表に入れる |
| 書類で会うか迷う応募 | 社長 | 迷ったら原則として面接枠を提示し、判断は面接に回す |
| 給与・勤務時間の個別の相談 | 社長 | 「確認して○日までにお返事します」と期限を伝えて持ち帰る |
| 合否・採用の判断 | 社長 | 面接後に結果を聞き、その日のうちに連絡する |
| 枠に入らない日程の希望 | 社長 | 1回だけ社長に確認し、無理なら別の枠を提示する |
ポイントは、社長に返すときも「候補者への返事の期限」を自分で切ってから返すことです。社長の判断待ちで止まっている案件を、一人総務が抱え続けない仕組みにしておきます。
やらないと決めてよい工程
一方で、手を抜いても採用が止まりにくい工程もあります。一人総務の場合、次のような仕事は「やらない」「最小限にする」と決めて構いません。
凝った求人原稿づくり。 毎回ゼロから書き直したり、言い回しを何度も磨いたりする時間は、初回連絡に回したほうが効果が見えやすい場面があります。前回の原稿を土台に、給与・勤務時間・募集人数など変わった事実だけを直せば十分です。
詳細な管理表。 列が20も30もある管理表は、一人で更新し続けるのが難しくなります。応募日時、媒体、初回連絡、いまの状況、次にやることと期限、辞退理由くらいに絞れば、振り返りにも引き継ぎにも使えます。項目の考え方は応募者の記録は何を残せばいいのか。最低限の6項目をご覧ください。
媒体の比較検討を毎回やり直すこと。 掲載のたびに複数の媒体を調べ直すより、いま使っている媒体で応募後の対応が回っているかを先に見たほうが、一人の時間を有効に使えます。
ただし、不採用の連絡と労働条件の書面は削らないでください。不採用連絡は定型文で構わないので必ず送る、条件は口頭で済ませず書面で渡す。この2つは手間に比べて、省いたときの影響が大きい工程です。
それでも回らないときは、外に手を持つ
2つに絞っても、繁忙期や締め日が重なると初回連絡が翌日以降にずれる日が続くことがあります。そのとき無理に一人で抱え続けると、本業にも採用にも影響が出やすくなります。
株式会社Talencoの「社外採用部」は、中小企業向けの採用事務局サービスです。求人・媒体・スカウトの運用や学校・紹介会社との接点づくりといった母集団形成から、応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社フォローまで、面接以外の採用実務を社外から代行・支援します。面接そのものと採否の判断は御社に残り、その前後の段取りを当社が担う形です。担当は採用の局面に合わせて当社からアサインするため、一人分の人件費の範囲で複数の役割を使い分けられます。
料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。応募件数に応じた従量課金ではありません。
「初回連絡と面接枠だけでも外に出せないか」「一人総務の負担をどこまで減らせるか」といったご相談からでも構いません。現状をお聞きしたうえで、任せる範囲を一緒に整理します。お気軽にお問い合わせください。
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