応募者に電話がつながった。ここまでは順調なのに、「では改めてご都合をお聞かせください」で電話を切ってしまい、そのまま返事が来ない。こうしたやりとりは、起こりがちです。せっかくつながった数分を使い切れていないのです。
電話がつながっている時間は、候補者がこちらのために時間を割いてくれている数分間です。ここで面接日まで決まれば、その後の往復は一気に減ります。この記事では、最初の3分で面接日を確定させるための会話の順番を、そのまま読める台本の形に整理します。
3分で決め切るための6ステップ
電話が苦手に感じられるのは、何をどの順で話すか決まっていないからです。順番を固定すれば、話す側の負担は大きく下がります。
| ステップ | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| ① 名乗り | 会社名・担当者名・用件を一息で | 10秒 |
| ② お礼と確認 | 応募のお礼、いま話せるかを確認 | 20秒 |
| ③ 確認事項 | 応募職種、入社可能時期など最小限 | 40秒 |
| ④ 候補日の先出し | こちらから3つ以内提示 | 40秒 |
| ⑤ 確定と復唱 | 日時・場所・持ち物を読み上げる | 40秒 |
| ⑥ 次の連絡予告 | このあと何が届くかを伝える | 20秒 |
ポイントは③と④の順番です。確認事項を長く取ると、候補日を出す前に相手の集中力が切れます。聞きたいことは山ほどあっても、電話では「面接日を決めるために必要なこと」だけに絞ります。残りは面接当日に聞けば足ります。
そのまま読める台本
① 名乗り
「お忙しいところ失礼いたします。株式会社◯◯の△△と申します。このたび求人にご応募いただいた件で、お電話いたしました」
用件を最初に言い切ります。名乗りだけで間を置くと、営業電話と誤解されて警戒されやすくなります。
② お礼と、いま話せるかの確認
「ご応募ありがとうございます。いま2〜3分、お時間よろしいでしょうか」
「2〜3分」と長さを示すと、相手は答えやすくなります。難しいと言われた場合は、④に進まず「では、お手すきの時間帯だけ教えていただけますか。夕方以降でしたらこちらから改めます」と、次の接点だけ取って切ります。
③ 確認事項(最小限)
「ご応募いただいたのは◯◯の職種でお間違いないでしょうか」 「いまお仕事はされていますか」 「ご入社は、いつ頃からお考えですか」
在職中かどうかは、この後の候補日の出し方に直結します。夜間や土曜しか動けない方に平日の昼を並べても、話は進みません。
④ 候補日の先出し
「では面接の日程を、いまこの場で決めさせてください。直近だと、明後日9月24日の午前10時、25日の18時、27日の土曜10時のいずれかが空いております。ご都合のよいものはございますか」
ここが台本の要です。「ご都合のよい日を教えてください」と相手に委ねると、宿題として持ち帰られ、そのまま止まりやすくなります。日程調整が空中分解する構造については中小企業の面接日程調整が空中分解する理由と直し方でも整理しています。
⑤ 確定と復唱
「では9月25日の18時でお願いいたします。場所は◯◯ビル3階の受付、お越しになったら△△をお呼び出しください。お時間は30分から40分ほど、履歴書をお持ちいただければ結構です」
確定したら、日時・場所・所要時間・持ち物・呼び出し先を声に出して読み上げます。ここを省くと、当日の「たどり着けない」が生まれます。
⑥ 次の連絡予告
「このあと、いまお伺いした携帯番号に、地図と当日のご案内をショートメッセージでお送りします。前日にもう一度、確認のご連絡を差し上げますね」
次に何が届くかを伝えておくと、こちらからの連絡が知らない番号として無視されにくくなります。
候補日の出し方には原則がある
④で提示する候補日には、いくつか守りたい原則があります。
- 3つ以内にする。 5つ並べると比較が始まり、「確認して折り返します」に流れやすくなります
- 直近を含める。 1週間後だけを並べると、その間に他社で決まってしまいます
- 相手の生活時間に合わせる。 在職中なら平日夜と土曜、離職中なら平日日中を軸にする
- 口頭で出せる状態を作っておく。 面接官の予定を後から探す運用では、この台本は成立しません
最後の点は運用の問題です。毎週決まった時間に面接枠を仮押さえしておけば、電話中に確認を挟まず提示できます。枠の作り方は面接枠が取れない。現場が忙しい会社の面接枠の作り方をご覧ください。
迷われたとき、決まらなかったときの締め方
「少し考えさせてください」と言われることもあります。このとき押し込むのは逆効果です。使いやすいのは、決定ではなく仮置きに変える一言です。
「では仮で25日の18時に枠を確保しておきます。難しければ前日までにご連絡いただければ、別の日に変更できますので」
変更できると添えることで、返事のハードルが下がります。それでも決まらない場合は、いつ・どちらから連絡するかだけを決めて電話を切ります。「明日の18時ごろ、こちらから改めてお電話しますね」まで言えれば、次の接点は残ります。
逆に避けたいのは、「ご都合が決まりましたらご連絡ください」で終わる締め方です。ボールが相手に渡ったまま、こちらから追う理由もなくなります。面接前の空白期間に何が起きるかは「とりあえず面接に来てもらう」が失敗するとき。面接前フォローの意味でも触れています。
なお、電話がつながらない場合は台本の前段が使えません。ショートメッセージで候補日を先に出す方法と組み合わせて考えてください。
台本は、書いて共有してはじめて機能する
この台本の価値は、内容そのものよりも「誰が電話しても同じ流れになる」ことにあります。社長が話したときは面接が決まるのに、総務担当が話すと決まらない。この差は、話し方の巧拙ではなく手順の有無から生まれることが多いものです。
A4一枚に印刷して電話機の横に置く。それだけで、電話への心理的な抵抗はかなり下がります。仮に月10件の応募があり、うち3件が「折り返します」で消えていたとします。台本によってそのうち1〜2件が面接まで進むなら、広告費を増やさずに面接数が増えたことになります(あくまで仮の数字です)。
社外採用部では、応募の受付から初回の電話連絡、日程調整、面接前後のフォローまでを採用事務局としてお引き受けしています。台本を作る時間も、電話をかける時間も社内に取れないという場合は、その工程ごと外に出すという選択もあります。料金は月額49,800円からで、最初に初回設計費100,000円をいただき、御社の面接枠や連絡の型を一緒に決めてから運用を始めます。
自社の応募対応のどこで止まっているのか、一度整理してみたいという方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。サービス責任者の佐々木純平が直接お話を伺います。
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