「うちの会社案内、いつ作ったやつだろう」。面接の前日にファイルを開いて、載っている社員がもう何人も辞めていることに気づく。写真は前の事務所、売上のグラフは数年前で止まっている。かといって今から作り直す予算も時間もない。そもそも採用ページすら持っていない――中小企業ではよくある状況です。

ただ、候補者が面接前に知りたいのは、立派な会社案内ではありません。「自分が入ったら、毎日どんな時間を過ごすのか」です。それなら、A4一枚で足ります。この記事では、社長が30分で書ける面接前のA4一枚を、載せる項目を4つに絞ってお伝えします。

なぜ「会社案内」ではなくA4一枚なのか

会社案内は、取引先や金融機関に向けて作られた資料であることがほとんどです。沿革、事業内容、取引先一覧、代表挨拶。これらは会社の信用を示すには役立ちますが、応募者が知りたい「働く実感」はほとんど載っていません。

一方で応募者は、面接までの間に不安を抱えています。会社名で検索しても情報が出てこない、口コミサイトに数年前の書き込みだけが残っている、といったことも珍しくありません(この点は応募者は面接前に会社を検索している。何を見られているかでも触れています)。

会社が自分から情報を出さなければ、候補者は他の場所で情報を探します。だからこそ、面接の案内メールに添付できる、あるいは面接冒頭で手渡せるA4一枚が効きます。作り込みの美しさよりも、「事実が書いてあること」のほうが信頼につながりやすいと感じています。

載せる項目は4つだけ

支援の現場で、社長に「これだけ書いてください」とお願いしているのは次の4つです。

項目書く内容の目安分量
仕事の一日始業から終業までの流れを時刻つきで5〜7行
人数構成全体人数、部署別、年齢層、男女比3〜4行
入社後3ヶ月の流れ1週目・1ヶ月目・3ヶ月目に何をしているか3行
よくある質問残業、休日、評価、教育について事実を4問程度

仕事の一日は、いちばん読まれる部分です。「8:00 朝礼と当日の配車確認/8:30 出発/12:00 休憩(場所は自由)/17:00 帰社、日報提出/17:30 終業」というように、時刻と行動を並べるだけで構いません。理想ではなく、昨日実際にあった一日を書くのがコツです。

人数構成は、候補者が「浮かないか」を確認する材料です。「全社18名。営業3名、製造12名、事務3名。30代が最も多く、50代が4名」といった書き方で十分です。少人数であることを隠す必要はありません。むしろ、入社後に「思っていたより小さい会社だった」と感じられるほうが、離脱につながりやすくなります。

入社後3ヶ月の流れは、未経験者ほど気にする部分です。「1週目は先輩に同行、1ヶ月目から一部を一人で担当、3ヶ月目に持ち場を決める」という粗さで構いません。ここを書くと、試用期間をどう説明するかで扱うような不安にも、先回りして答えられます。

よくある質問は、面接で毎回聞かれることを先に書いてしまう欄です。残業は月平均どのくらいか、休日はどう取れるか、昇給の判断は何を見ているか。曖昧にぼかすより、幅を持たせて事実を書いたほうが、面接での会話が進みます。

30分で書き切る手順

完璧に作ろうとすると着手できません。次の順番で、時間を区切って書いてしまうことをおすすめします。

  1. 5分:直近1週間の自分または現場社員の一日を思い出し、時刻を箇条書きにする
  2. 5分:社員名簿を開いて人数と年齢層を数え、そのまま書き写す
  3. 10分:直近で入社した人が、最初の3ヶ月に何をしていたかを思い出して3行にする
  4. 5分:この半年の面接で聞かれた質問を思い出し、多かった順に4つ書き出す
  5. 5分:それぞれに事実で答えを付ける

デザインは不要です。Wordでも手書きのスキャンでも読めれば問題ありません。むしろ、凝った資料よりも社長の言葉で書かれたもののほうが、印象に残ることが多いものです。

ただし、ここで書いた内容は求人票の記載と食い違わないよう、必ず見比べてください。休日日数や給与の書き方がずれていると、それ自体が不信の原因になります(求人票と面接での説明がずれると、辞退される)。

いつ、どう渡すか

作ったあとは、渡すタイミングで効果が変わります。おすすめは面接日程が確定した直後です。面接当日に手渡すだけでは、日程確定から当日までの空白期間を埋められません。

こうすると、面接冒頭の会社説明がそのままA4一枚に沿って進み、話が脱線しにくくなります。候補者からの質問も具体的になります。

内容は半年に一度、人数と一日の流れだけ見直せば十分です。完璧な更新を目指すより、古くならない程度に手を入れ続けるほうが現実的です。

資料を作っても、渡す人がいないと止まる

A4一枚は30分で作れます。しかし実際に詰まるのは、その先です。日程確定のメールに添付する、前日にもう一度触れる、質問が来たらその日のうちに返す。この一連の動きが、社長や総務の本業の合間に埋もれてしまうと、せっかく作った資料も送られないまま面接日を迎えます。

社外採用部は、応募の受付から初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社フォローまでを、貴社の採用事務局として代行するサービスです。作っていただいたA4一枚を、どのタイミングで誰に送るかまで含めて運用に載せます。料金は月額49,800円〜(初回設計費100,000円、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積り)。求人広告の運用そのものではなく、応募が来たあとの対応を主戦場としています。

「資料は作れそうだが、送る手が足りない」という段階でしたら、一度ご相談ください。現在の応募対応の流れをうかがったうえで、どこから手を入れるべきかをお伝えします。

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