求人サイトから登録ヘルパーの応募が入っているのに気づいたのは夕方、サービス提供責任者が訪問から戻ってきてからだった。慌てて電話をかけるともうつながらず、翌日かけ直すと「別のところで決まりました」と言われる。訪問介護の事業所では、こうした流れが珍しくありません。

施設介護であれば、事務所に誰かしら人がいて、応募の電話を受けたり折り返したりできます。しかし訪問介護は構造が違います。サービス提供責任者もヘルパーも直行直帰で動き、日中の事務所は無人に近い時間帯が長く続きます。応募者の側も、他事業所に登録しながら掛け持ちを検討している方が多く、連絡の速い事業所から話が進みます。この記事では、事業所の一日に沿って、応募をどう受け止めるかを整理します。

事務所が無人になる時間帯を書き出し、折り返し枠を先に決める

まず、改善の前にやることは「自社の一日のどこなら電話に出られるか」を紙に書き出すことです。頭の中だけで「忙しい」と捉えていると、対策が立ちません。

たとえば、朝は直行のヘルパーからの連絡対応と申し送りで手が離せず、午前は訪問のピーク、昼過ぎは記録と調整、夕方に再び訪問が入る——といった形で、実際の時間帯を並べてみます。すると、「午後1時台」「夕方5時以降」のように、比較的電話に出られる帯が見えてきます。

ここで大事なのは、折り返し枠を1つだけにしないことです。登録ヘルパーの応募者には、日中に別の仕事や家事をしている方、同じく訪問に出ている方が含まれます。折り返しが夕方の1回だけだと、お互いに出られない時間が重なりやすくなります。昼と夕方の2枠を確保しておくと、すれ違いは減らしやすくなります。

そして決めた枠は、自動返信メールやSMSに明記します。「本日13時〜14時、または17時以降にお電話いたします。ご都合の悪い時間帯があればこのメッセージへご返信ください」と先に伝えておくだけで、着信を無視されにくくなります。応募直後の初回接触の考え方は応募後1時間以内の初回連絡が、採用の歩留まりを変える理由でも整理しています。電話がつながらなかったときの二の手については、応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番もあわせてご覧ください。

初回連絡で確認する5項目。登録ヘルパーは「条件の当てはめ」が先

登録ヘルパーの採用が施設職員と違うのは、採否より先に「そもそも入れる案件があるか」を確かめる必要がある点です。資格も意欲も申し分ない方でも、動ける曜日と担当できるエリアが合わなければ稼働につながりません。だからこそ、面接の前に電話で押さえておきたい項目があります。

確認する項目聞き方の例何のために聞くか
資格介護職員初任者研修などの資格はお持ちですか。修了証はお手元にありますか身体介護に入れるかどうかが変わる
稼働可能な曜日・時間帯現時点で、週に何日・何時ごろのご都合がつきそうですか既存の訪問スケジュールに当てはめられるか
移動手段自転車、自動車、公共交通のどれでの移動になりますか訪問できる範囲と1日の件数の見通しが変わる
対応できるエリアお住まいはどのあたりですか。ご希望の訪問範囲はありますか近隣の利用者宅に割り当てられるか
経験と希望身体介護のご経験はありますか。生活援助中心のご希望でしょうか同行研修の回数と組み方が変わる

電話口で質問を並べすぎると尋問のようになりますので、「ご都合に合う案件があるかを先に確認したいので、2〜3点だけ伺ってよろしいでしょうか」と前置きを置くとやわらぎます。

稼働できる曜日については、家庭の事情が背景にあって言い出しにくい方もいます。踏み込みすぎずに聞く言い回しは主婦パート応募者の「家庭の事情」を、面接前に確認するで扱っていますので、参考にしてください。

面接と同行研修を、どこまで先に伝えるか

登録ヘルパーを検討している方が応募前後に気にすることは、ある程度共通しています。1件あたりの報酬はいくらか、移動時間は賃金の対象になるのか、最低で何件入る必要があるのか、同行研修は何回あってその間は有償なのか。このあたりが曖昧なまま面接日を迎えると、当日になって気持ちが引いてしまうことがあります。

一方で、初回の電話ですべてを説明しきるのも現実的ではありません。おすすめは二段構えです。

初回の電話では、面接日時を決めることを目的に、働き方の大枠だけ伝えます。「登録ヘルパーですので、ご都合のつく曜日と時間で案件をお出しする形です」「ご入職後は先輩ヘルパーと同行していただいてから、お一人での訪問に移ります」といった粒度で構いません。

そのうえで、面接日時が決まった直後に送る案内メッセージに、数字の出る情報を書き込みます。訪問1件あたりの時給または単価の幅、移動手当や交通費の扱い、同行研修のおおよその回数とその間の扱い、面接の所要時間と持ち物(資格証のコピーなど)。ここまで文字で残しておくと、応募者は家族とも相談でき、面接当日に「聞いていた話と違う」が起きにくくなります。

面接日程が決まってから当日までの間に温度が下がる現象については、「とりあえず面接に来てもらう」が失敗するとき。面接前フォローの意味で詳しく触れています。訪問介護の場合、面接会場が事業所なのか、それともサービス提供責任者が戻る時間に合わせるのかで案内の文面も変わりますので、所要時間と目印はあわせて書いておいてください。

面接枠は「訪問の合間」ではなく、曜日と時間で固定する

応募が来てからサービス提供責任者の空き時間を探すと、候補日の提示が数日後になります。訪問スケジュールは週単位で動いていますので、あらかじめ「毎週火曜と木曜の14時〜15時は面接枠」と決めて仮押さえしておくほうが、結果的に調整の手間は減ります。

仮押さえした枠は、応募がなければ前日に解放して通常業務に戻す運用にしておけば、無駄にはなりません。応募者に候補日を出すときは、直近の日を含めて3つ以内に絞ります。選択肢が多いほど返信は遅れやすくなります。

なお、登録ヘルパーは時間単位での稼働が前提ですので、面接そのものを長時間にする必要はないことが多いものです。30分で働き方の確認と条件のすり合わせを終え、同行研修の日程までその場で仮置きできると、入職までの距離が一気に縮まります。

無人の時間帯を、誰が埋めるか

ここまでの内容は、どれも難しい話ではありません。ただし、すべてをサービス提供責任者が担おうとすると、訪問とシフト調整と利用者対応の合間に採用が割り込む形になり、優先順位が下がります。管理者が訪問に入っている事業所であればなおさらです。

やり方としては大きく二つあります。ひとつは、事務員や管理補助の方が一次受付だけを担い、資格と稼働条件の聞き取りまでを済ませてサービス提供責任者につなぐ形。もうひとつは、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォローといった事務局機能を社外に置く形です。

社外採用部は、中小企業向けの採用事務局として、この部分を代わりに担うサービスです。応募が届いたら決めた時間に連絡を入れ、稼働可能な曜日や資格を聞き取り、確保していただいた面接枠に当てはめ、前日のリマインドまで行います。面接そのものと採否の判断は、利用者とヘルパーの相性を知る御社に残ります。求人や媒体運用、学校・紹介会社との接点づくりといった母集団形成側も、必要に応じてご一緒します。

費用は月額49,800円からと初回設計費100,000円で、以降は支援内容と工数に合わせて個別にお見積りします。応募1件ごとの従量課金ではありませんので、応募が集中した月に費用が跳ね上がることはありません。担当は採用の局面に合わせて当社からアサインしますので、一人分の人件費で複数の役割を使い分けられます。

事務所が無人になる時間帯をなくすことはできませんが、その時間に応募を受け止める相手をつくることはできます。「応募は来ているのに面接まで進まない」状況が続いているようでしたら、こちらからお気軽にご相談ください。現在の応募の流れを伺ったうえで、どこを外に出せるかを一緒に整理します。