採用外注の見積もりを受け取って、月額の金額には納得できたのに、その上に乗っている「初期設計費」で手が止まった。そんな経験はないでしょうか。月額はサービスの利用料だと分かる。けれど初期費用のほうは、何に対して払うのかが見えにくい。営業担当に聞いても「最初の設計にかかる費用です」と返ってきて、それ以上は具体化されないまま検討が止まってしまう。
初期設計費は、いわば立ち上げ工事の費用です。翌月から応募対応が回り始めるために、その前に済ませておかなければならない作業がまとまってあります。この記事では、その中身を作業項目に分解したうえで、同じことを自社でやった場合にどれくらいの手間がかかるのかを並べて考えてみます。あわせて、初期費用ゼロという提案を選んだときに後から出てくる論点にも触れます。
初期設計費は「応募が来てから考える」をなくすための費用
外部に応募対応を任せるとき、いちばん怖いのは「代行会社が、その会社のことを何も知らないまま候補者に連絡してしまう」状態です。給与の幅をどこまで答えてよいのか、面接官は誰で何曜日なら空くのか、どんな人は面接に進めてどんな人は見送るのか。これらが決まっていなければ、外部の担当者は一件ごとに社内へ確認を投げることになり、結局スピードは上がりません。
初期設計費は、この「都度確認」を初月のうちに潰しておくための費用です。応募が来てから考えるのではなく、来る前に決めておく。決めた内容を文書とテンプレートの形にして、誰が対応しても同じ品質になるようにしておく。ここに一定の作業時間がかかるため、月額とは別建てで請求されるのが一般的です。
弊社の場合は初期設計費を100,000円、月額49,800円〜(以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積り)としています。金額そのものより、そこに何の作業が含まれているかを見比べていただくほうが、判断しやすいはずです。
立ち上げで実際に行う作業を分解する
初期設計の中身は、おおむね次の5つに分けられます。右側は、同じ作業を社内でゼロから行った場合の工数の目安です。あくまで仮の数字で、業種や媒体数によって上下します。
| 作業項目 | 内容 | 自社で行う場合の工数(仮) |
|---|---|---|
| 連絡フローの設計 | 応募受付から面接設定までの順番・担当・期限を決める | 3〜5時間 |
| 連絡テンプレートの作成 | 初回連絡、SMS、日程案内、リマインド、見送り連絡の文面 | 5〜8時間 |
| 判断基準のすり合わせ | 必須要件、見送りライン、条件の回答範囲、決裁者の確認 | 3〜4時間(社内会議含む) |
| 媒体通知の集約 | 複数媒体の応募通知を一箇所に集め、見落としを防ぐ設定 | 2〜3時間 |
| 面接枠と記録の準備 | 面接可能な曜日・時間の確保、応募者記録シートの用意 | 2〜3時間 |
合計すると、仮に15〜23時間ほど。ここに経営者や現場責任者の会議時間が乗ります。しかも、この作業は通常業務の合間に進めることになるため、実際には数週間にわたって断続的に進み、途中で止まったまま完成しないこともよくあります。「テンプレートを作ろうと思ってメモだけ残っている」という状態から始まるケースは少なくありません。
社内工数を金額に置き換える考え方は社長と総務が採用に使っている時間は、いくらのコストかで詳しく整理しています。時給換算して初期設計費と並べてみると、比較の土台がそろいます。
設計は「書いて終わり」ではない
もうひとつ、初期設計費に含まれているのに見えにくいのが、実際に運用しながら直す作業です。
決めたフローの通りに動かしてみると、たいてい想定外が出てきます。面接官の予定が思ったより埋まっていて候補日が出せない。特定の媒体だけ応募者の属性が違って、テンプレートの文面が合わない。土日の応募が想定より多い。こうしたズレを初月のうちに拾って手順を直すところまでが、立ち上げの範囲です。
つまり初期設計費は、書類を一式納品する費用というより、動く状態にするまでの伴走費用に近いものです。マニュアルの骨格をどう作るかについては応募対応マニュアルの作り方。1日で書ける最小構成もあわせてご覧ください。自社で進める場合の最小構成が分かります。
初期費用ゼロの提案で、あとから出てくる論点
見積もりを複数社から取ると、初期費用ゼロを打ち出す提案に出会うことがあります。安く始められるのは確かな利点ですが、ゼロという数字だけで選ぶと、後から次のような点が気になってきます。
1. 設計工程そのものが省かれていないか 初期費用がない代わりに、既存のテンプレートをそのまま使って始めるケースがあります。汎用文面でも一次連絡は回りますが、自社の条件や面接体制に合っていないと、候補者からの質問に外部担当が答えられず、結局社内に確認が戻ってきます。
2. 月額に分散して乗っていないか 初期費用を月額に均して回収する設計になっていることもあります。短期で終えるつもりなら割安ですが、長く使うほど総額では逆転することがあります。料金の型ごとの総額の動き方は月額固定と従量課金。採用外注の料金体系をどう読むかで比較しています。
3. 最低契約期間とセットになっていないか 初期費用を無料にする代わりに、一定期間の継続が条件になっている場合があります。契約条件の確認項目は採用外注の契約期間と解約条件。契約前に見ておく項目にまとめました。
初期費用がゼロであること自体が悪いわけではありません。確認したいのは、その分の作業を誰がいつやるのかという一点です。
見積もりを受け取ったら確認したい3つの質問
金額の妥当性は、次の3つを聞けばかなり判断しやすくなります。見積書を前に、そのまま担当者へ投げてみてください。
- 初期設計の成果物として、何が納品されますか フロー図、テンプレート一式、判断基準の一覧など、形に残るものを確認してください。
- 設計にかかる期間と、社内側で必要な打ち合わせ時間はどれくらいですか こちらの負担がゼロということはありません。社長や現場責任者が何時間拘束されるかを先に把握しておくと、スケジュールが立てやすくなります。
- 契約が終わったとき、作った資料は自社に残りますか テンプレートや連絡履歴が手元に残るなら、初期設計費は自社の資産への投資として捉えられます。
この3つに具体的に答えられる相手であれば、初期設計費の中身は説明可能な範囲にあると考えてよいでしょう。逆に「一式です」としか返ってこない場合は、もう一段踏み込んで聞いてみてください。
社外採用部は、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー・内定と入社のフォローまでを、貴社の採用事務局として引き受けるサービスです。初期設計では、連絡フローとテンプレート、判断基準のすり合わせまでを一緒に作り、運用しながら初月で調整していきます。
「うちの場合、初期設計では何を決めることになるのか」を具体的に知りたい方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。現在の応募数と体制をうかがったうえで、サービス責任者の佐々木がご説明します。
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