求人媒体から応募通知が届き、テンプレートの返信で「まずは履歴書と職務経歴書をご送付ください」とお伝えする。そのまま数日待っても書類は届かず、追いの連絡にも反応がない。応募自体はあるのに面接まで進まない会社では、この一連の流れが毎月のように繰り返されています。

書類を求めること自体が間違っているわけではありません。問題は「求めるタイミング」です。応募直後という、候補者の関心がまだ固まりきっていない段階で作業を依頼すると、そこで足が止まりやすくなります。この記事では、書類を求める順番を後ろにずらす運用と、どうしても事前に必要な職種での最小限の求め方を整理します。

応募直後の候補者は、まだ「御社の候補者」ではない

応募ボタンを押した時点の候補者は、多くの場合、同じ日に複数社へ応募しています。会社を選び切ったわけではなく、「話を聞いてみてもいい会社」を並べている段階です。

その状態の相手に履歴書の送付を求めると、候補者側にはこう映ります。まだ会ってもいない会社のために、写真を用意し、志望動機を書き、印刷やスキャンをして、メールに添付する。所要時間としては30分から1時間、写真を撮りに行くならもっとかかります。他社から「明日か明後日、15分だけお話しませんか」という連絡が来ていれば、手間の少ないほうから予定が埋まっていくのは自然なことです。

よくあるのは、応募当日に電話がつながらなかった候補者に対し、メールで書類依頼だけを送って待っているケースです。連絡の速さそのものが歩留まりを左右することは応募後1時間以内の初回連絡が、採用の歩留まりを変える理由でも触れましたが、速く連絡できていても、その中身が「宿題の提示」になっていれば結果は変わりにくくなります。

書類は「面接の入場条件」ではなく「面接の持ち物」

順番を変えるだけで、候補者の負担は大きく下がります。

応募直後に書類を求める面接時に持参してもらう
候補者の最初の行動書類作成(30分〜)日程を選ぶ(1分)
会社が待つもの書類の到着面接当日
止まる場所書類提出前面接前日〜当日

初回連絡でお伝えするのは、面接候補日と所要時間、場所、そして「履歴書は当日お持ちください。手書きでもデータの印刷でも構いません」の一文です。これだけで、候補者が最初に取る行動は「日程を選ぶ」に変わります。

書類がなければ選考の判断ができないのでは、と心配になるかもしれません。しかし一次面接は、多くの中小企業では「見極め」であると同時に「口説き」の場でもあります。書類で落とすほど応募が来ていない会社であれば、書類選考という工程そのものが、歩留まりを削るだけの関門になっていることがあります。応募から面接までの数字がどこで落ちているかは、面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩の考え方で切り分けられます。

求人媒体の応募情報だけで、面接は決められる

「書類がないと会うかどうか決められない」と感じる場合、実際には応募情報を読み込めていないことがあります。多くの求人媒体では、応募時点で次の情報が届いています。

一次面接に呼ぶかどうかを決めるには、実はこれで足りることが少なくありません。判断に必要なのは「明らかに条件が合わない人を除く」ことであって、優劣をつけることではないからです。

そのうえで、面接前にどうしても確認したい項目が1〜2個あるなら、書類ではなく初回連絡の電話やSMSで直接聞いてしまうほうが早く進みます。「大型免許はいつ取得されましたか」「夜勤は可能ですか」といった一問一答であれば、候補者の負担は数十秒で済みます。

事前に書類が要る職種は、範囲を絞って求める

一方で、事前確認が避けられない仕事もあります。有資格職で資格の有無が採用可否を分ける場合、面接に来ていただいてから「資格が失効していた」と分かるのは、双方にとって時間の損失です。

その場合も、求めるものを最小限に絞ります。

順番としては、面接日を先に決めてから、確認事項をお願いする。日程が入っていれば、候補者にとってその会社は「予定のある会社」になり、少しの手間なら応じてもらいやすくなります。逆に、書類を待っている間は連絡が途絶えやすい時期でもあります。この空白の扱い方は選考中の音信不通にどう備えるか。連絡が途絶える前にできることもあわせてご覧ください。

なお、面接に持参いただく書類の案内は、前日のリマインド連絡にもう一度入れておくと持参忘れが減ります。仮に月10件の応募があり、書類依頼で3件が止まっていたとすれば、順番を変えるだけで面接の母数が変わる可能性があります(あくまで仮の数字です)。

自社の初回連絡文を、今日読み返してみる

見直しは1通のテンプレートから始められます。応募者へ最初に送っている文面を開き、「候補者が最初に取る行動は何か」を確認してみてください。それが書類作成になっているなら、日程選びに書き換える余地があります。

とはいえ、順番を変えても、電話・SMS・日程調整・前日リマインドといった手数そのものは減りません。むしろ、書類到着を待つ受け身の運用から、こちらから動き続ける運用へ切り替えることになります。

社外採用部は、この応募後の一連の対応も含め、面接以外の採用実務を採用事務局として引き受けるサービスです。求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用から、応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社フォローまでを、御社の名前で対応します。面接そのものと採否の判断は御社が行います。料金は初回設計費100,000円、月額49,800円〜(以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積り)。

書類を求めるタイミングも含め、自社の初回連絡の型をどう組み直すか。サービス責任者の佐々木がお話をうかがいます。まずはこちらからご相談ください。