応募対応をひとりに任せていると、その人が休んだ日や外出した日に連絡が止まります。それを避けようと担当を2人にしたところ、今度は「同じ応募者に2人から電話がかかった」「相手が返事待ちだと思っていたのに、誰も動いていなかった」といった別の事故が起きはじめる。増員したのに、むしろ管理が難しくなったと感じている会社は少なくありません。
原因は人数ではなく、交代のルールがないことにあります。当番制そのものは有効な手段ですが、「今日は誰が見るか」と「交代のときに何を渡すか」の2点を決めないまま人を増やすと、責任の所在だけがぼやけます。この記事では、日ごと・時間帯ごとに当番を回す方式と、交代時に申し送る3項目、そして共有メールとExcel1枚で成立する最小の運用を整理します。
担当を2人にした瞬間に生まれる、3つのすれ違い
支援の現場でよく見かけるのは、次の3つです。
ひとつめは二重連絡。応募通知が2人のメールボックスに届き、どちらも「自分が先に見たから」と電話をかけてしまう。応募者からすると、同じ会社から2回、同じ質問をされることになります。
ふたつめは空白。「Aさんが対応していると思っていた」「Bさんが折り返すはずだった」というすれ違いで、丸一日誰も触れていない応募が残る。ひとり体制なら少なくとも「自分がやっていない」ことは本人が自覚できますが、2人になると、その自覚が消えます。
みっつめは約束の消失。「明日の午前中に折り返します」と伝えたことを、翌日の当番が知らない。応募者にとっては会社との約束ですが、社内では誰の予定表にも載っていない状態です。
いずれも、人の注意深さでは防ぎきれません。当番の境目に穴が空いているだけなので、境目のルールで塞ぐのが現実的です。
当番は「日ごと」か「時間帯ごと」か
当番の切り方は、大きく2通りあります。自社の応募量と、担当者の他業務の状況で選びます。
| 方式 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 日ごと(1日単位で交代) | 応募が週に数件程度。担当者がどちらも他業務と兼務 | 交代が1日1回なので申し送りは楽。ただし当番の日に外出が重なると止まる |
| 時間帯ごと(午前・午後で交代) | 応募が毎日届く。片方が現場や来客で日中動けない時間がある | 当番の切り替えが1日2回になる。申し送りを省くと抜けやすい |
たとえば月に10件前後の応募であれば、日ごとで十分に回ります。応募が毎日届く時期や、繁忙期だけ件数が跳ね上がる会社は、午前・午後で切ったほうが実態に合いやすいでしょう。
どちらを選ぶ場合も、決めておきたいのは次の3点です。
- 当番の時間の始まりと終わり(例:当番は9時〜18時。18時以降に届いた応募は翌朝の当番が拾う)
- 当番でない人は連絡しない(気づいても自分で電話しない。当番に伝える)
- 当番が動けないときの交代手続き(「今日の午後、現場に出ます」と一言入れて当番を振る)
2つめが抜けると、当番制の意味がなくなります。親切心で先に連絡してしまうのが二重連絡の典型的な入り口です。気づいたことは当番に渡す、という一本化を先に決めてください。
なお、当番の枠外である夜間・休日にどう備えるかは応募は夜と土日に来る。営業時間外の応募をどう受けるかで、当番の担当者そのものが長期で不在になる場合は担当者が休みの日、応募はどうなるのか。不在時の受け皿で別途整理しています。
交代のときに申し送る3項目
当番制を続けられるかどうかは、交代時のやり取りの分量で決まります。長い引き継ぎメモは書かれなくなるので、項目は3つに絞ります。
1. 未対応の応募 まだ一度も連絡していない応募。応募者名・媒体・応募日時だけで足ります。ここが空でない状態で交代するのは望ましくありませんが、現実には残ります。残るなら、残っていることを明示して渡します。
2. 返事待ちの相手 こちらから連絡済みで、相手の返信を待っている人。「昨日SMSを送って未読」「電話がつながらず伝言を残した」など、最後に何をしたかを一行で。これがないと、次の当番が同じ連絡を重ねてしまいます。
3. 期限のある約束 「明日10時に折り返す」「今週中に面接候補日を出す」といった、時刻や期日が入っている約束。会社として口にした約束はすべてここに集約します。3項目の中で、抜けたときに最も信用を損ないやすいのがこれです。
口頭だけの申し送りは「言ったつもり」が起きやすいため、書いたものを見ながら1〜2分話す形をおすすめします。書くこと自体が目的ではなく、次の当番が今日の最初の一手を迷わず決められれば十分です。
共有メールとExcel1枚で成立させる
専用のシステムを入れなくても、当番制は回せます。必要なのは2つだけです。
ひとつは、応募通知を受ける共有メールアドレス。各媒体の通知先を個人アドレスから saiyo@ のような共有アドレスに変更し、当番が交代でそこを見ます。個人のメールボックスに応募が散っている状態では、誰が何を見たかを追えません。通知の集約については複数媒体の応募をどこで一元管理するか。抜け漏れが起きる場所もあわせてご覧ください。
もうひとつは、応募者1人1行のExcel(またはスプレッドシート)。共有フォルダに1枚置き、当番が更新します。列は多くしないことが肝心です。残す項目の考え方は応募者の記録は何を残せばいいのか。最低限の6項目で詳しく扱っていますが、当番制を前提にするなら、そこに「次アクション」「期限」「最終対応者」の3列が入っていれば、申し送りの3項目はこの表から読み取れます。
運用のコツは、交代の時刻を決めてしまうことです。たとえば毎朝9時に前日分を確認し、17時半に翌日の当番へ渡す。時刻が決まっていると、忙しい日でも「あと10分で交代だから、いま書いておこう」という判断が働きます。逆に「手が空いたときに更新」にすると、更新されない日が必ず出てきます。
それでも埋まらない穴があるとき
当番制は、社内に動ける人が2人以上いることが前提です。片方が現場に出ずっぱり、もう片方が総務の締め作業中、という日が月に何日もあるなら、当番表を精緻にしても実態は変わりません。当番の枠を作ったのに埋められない、という状態が続くようであれば、応募受付から日程調整までの工程だけを社外に出して、社内は面接と採否判断に集中させる分け方も選択肢になります。
社外採用部は、求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用から、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー・内定/入社フォローまで、面接以外の採用実務を御社の採用事務局として代行するサービスです。面接そのものと採否の判断は御社が行います。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。当番表の作り方や申し送りの型づくりだけでも、御社の状況をうかがったうえでご提案できます。
いまの体制で応募対応が止まりやすいポイントを一度整理してみたい方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。サービス責任者の佐々木がお話をうかがいます。
無料相談