求人を出して数日、静かだったのに、ある日突然5件の応募がまとめて届く。中小企業の採用ではよくある光景です。応募が来るのは喜ばしいことですが、通知を開いた瞬間に「これを全部、今日中に回すのか」と手が止まる方も多いのではないでしょうか。
そして多くの場合、一覧の上から順に処理が始まります。1件目に丁寧に電話をかけ、つながらず折り返しを待ち、2件目へ。この進め方だと、要件にぴったり合っている5件目への連絡が夕方以降になります。応募者が複数社に同時応募しているとすれば、その数時間の差が結果を分けることがあります。この記事では、まとまって届いた応募をどの順で処理するかという、地味ですが効く判断についてまとめます。
「上から順」が本命を後回しにする
応募一覧は基本的に到着順に並んでいます。到着順は処理順として自然に見えますが、採用の優先順位とは無関係です。
一日のうちで動ける時間は限られています。仮に、1件あたり電話1回・つながらなければSMS送信・返信対応で15分かかるとすると、5件で75分。ここに面接官の予定確認や社内相談が挟まれば、実際にはもっと伸びます。つまり、5件目に着手するのは最短でも1時間以上あとです。
問題は、その1時間の間に候補者側も動いているということです。同じ日に他社へも応募していれば、先に連絡が来た会社の面接が先に埋まります。上から順に処理するというのは、「誰に早く連絡が届くか」を応募フォームの送信時刻というまったく関係のない要素に委ねている状態だと言えます。
応募後の初動が歩留まりにどう効くかは応募後1時間以内の初回連絡が、採用の歩留まりを変える理由でも整理しています。ここではその先、「複数件が同時に来たとき、誰から手をつけるか」に絞って考えます。
4つの軸で並べ替える
並べ替えの判断材料は、次の4つで足ります。凝った点数制にする必要はありません。
| 軸 | 見るところ | 優先が上がる条件 |
|---|---|---|
| 応募到着時刻 | 何時に届いたか | 早朝〜午前着(すでに待たせている) |
| 媒体 | どの経路から来たか | 同時応募が起きやすい媒体 |
| 要件適合 | 必須条件を満たすか | 必須を満たしている |
| 連絡可能時間帯 | いつなら出られるか | つながる時間帯が狭い人 |
使い方は単純です。まず要件適合でふるいをかけます。必須条件を満たす応募が2件あれば、その2件が先頭です。ここで迷って全員を同列に扱うと、結局また上から順に戻ってしまいます。書類を前に判断がぶれるようなら、書類選考で落とす基準を決めておくと、対応が速くなるで触れた見送りラインを先に紙一枚にしておくと、この作業が数分で済みます。
次に連絡可能時間帯です。在職中で日中に電話に出られない方は、昼休みか夕方以降しか接点がありません。逆に離職中で終日つながる方は、時間帯の自由度が高いぶん後ろに回しても取り返しがつきます。つまり「接点の窓が狭い人を、窓が開いている時間に合わせる」という発想で順番を組みます。
応募到着時刻は、早い人を優先するというより「すでに何時間待たせているか」を見る指標として使います。前夜や早朝に届いた応募は、朝の時点ですでに数時間の空白ができています。夜間・休日着の扱い方は応募は夜と土日に来る。営業時間外の応募をどう受けるかに譲ります。
媒体は、同じ人が近隣の複数求人へまとめて応募しやすい経路かどうかで判断します。自社に慣れた担当者なら、どの媒体の応募者が早く決めてしまうか、感覚としてお持ちのはずです。
その日のうちに、全員へ一次接触だけは入れる
順番をつけると、必ず「後ろに回された人」が生まれます。ここで決めておきたいのが最低ラインです。
優先順位の低い応募者にも、その日のうちに一次接触だけは入れる。 これを守ると、順番づけが「後回し」ではなく「順番待ちの可視化」になります。
一次接触とは、面接日程まで決め切る本格的な連絡ではなく、「応募を受け取りました。◯日◯時ごろにあらためてお電話します」という短い着信の予告です。SMSでもメールでも構いません。1件あたり2〜3分で済みます。
これがあるだけで、候補者から見た景色が変わります。反応がないまま半日過ぎると「落ちたのかもしれない」と受け取られますが、次の連絡時刻が伝わっていれば、その時間までは待ってもらえることが多くなります。自動返信メールとの違いは、送り主が人であることと、次の予定が入っていることです(応募者への自動返信メールだけでは足りない理由)。
そして、予告した時刻は守ってください。予告して守らないのは、何も送らないより印象を損ないます。
5件を1人で回す日の時間配分
仮の数字ですが、応募5件を兼務担当1人で処理する場合の目安を置いておきます。あくまで一例で、業種や電話のつながりやすさで前後します。
- 9:00〜9:15|仕分け(15分) 5件を一覧にして4つの軸で並べ替え。同時に全員へ一次接触のSMSを送る。この15分を惜しまないことが、その後の1時間を決めます。
- 9:15〜10:30|優先上位2件(各30〜35分) 電話 → つながれば面接候補日を提示して確定まで持っていく。つながらなければSMSで候補日を先出しし、折り返し待ちに切り替える。
- 10:30〜11:30|3・4件目 同じ流れ。ここまでで午前が終わる想定です。
- 13:00〜13:30|5件目と折り返し対応 午前に折り返しが来ていれば、そちらを先に処理します。
- 17:00〜17:30|未接触ゼロの確認(30分) その日つながらなかった方へ、夕方の時間帯で再架電。在職中の方はこの時間に出られることがあります。
ポイントは、1件で粘りすぎないことです。電話に出ない相手を何度もかけ直している間に、他の4人が待っています。1回かけて出なければSMSに切り替え、次に進む。この割り切りができると5件は一日で回ります。連絡手段の切り替え方は応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番にまとめています。
なお、面接の候補日を即座に出せることが前提になります。応募が来てから面接官の予定を探していると、この時間配分は成立しません。
5件が10件になったとき
この順番づけは、応募が集中した日をなんとか乗り切るための運用です。裏を返せば、集中する日が月に何度も来るようになると、社内の誰かの半日が定期的に採用に消えます。
よく聞くのは、「応募が増えたのに採用が進まない」という相談です。多くの場合、応募が増えたぶんだけ一件あたりの対応が薄くなり、面接設定率が下がっています。広告費を増やして応募を倍にしたのに面接数が変わらなかった、というのは順番づけの限界を超えたサインと考えられます。
社外採用部は、求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用から、応募の受付・初回連絡・日程調整・面接前後のフォロー・内定入社フォローまで、面接以外の採用実務を御社の名前で代行する採用事務局です。面接そのものと採否の判断は御社が行います。複数件が同時に届いた日でも、優先順位をつけたうえで全員に一次接触を入れるところまでを外部で担います。月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。また、繁忙期だけ厚くするといった組み方もできます。
「応募はあるのに面接が組めていない」という感覚があるなら、一度現状の流れをお聞かせください。どこで止まっているかの整理からご相談いただけます。ご相談はこちらからどうぞ。
無料相談