同じ求人を同じ媒体に出しているのに、ある週は応募が5件、次の週はゼロ。そんな不安定さに振り回されていないでしょうか。しかも応募が重なるときに限って現場が忙しく、面接枠が取れないまま数日が過ぎていく。逆に手が空いている週は、誰からも応募が来ない。

応募が届くタイミングには、会社の都合とは無関係な波があります。求職者が転職や仕事探しを考えるのは、連休が明けて日常が戻ったとき、給料日や月末の締めを迎えたとき、そして仕事が終わった夜や休みの日です。この波は読者の会社でも起きているはずですが、一般論として語られる「連休明けは応募が多い」は、自社に当てはまるとは限りません。確かめる方法は一つ、自社の過去の応募日時を並べてみることです。

なぜ応募は特定の時期と時間に偏るのか

求職者の行動を想像すると、偏りの理由は素直に説明がつきます。

在職中の方が求人サイトを見るのは、仕事が終わってからか休日です。応募ボタンを押すのは夜の時間帯になり、翌朝会社が開いたときには、すでに数時間から半日が経過しています。一方で、離職中の方やパート勤務を探している方は日中に動けるため、平日昼間の応募が中心になることもあります。募集する職種によって、時間帯の分布はかなり変わります。

時期についても事情があります。年末年始やお盆、大型連休は、家族と将来の話をする機会です。「そろそろ転職しようか」と決めた人が動き出すのは、連休が明けて求人の更新が再開してからになります。月初に応募が増えるとすれば、多くの媒体が月初に掲載を切り替えることや、月末に退職を申し出た人が次を探し始めることが重なるためと考えられます。

こうした説明はあくまで背景の整理です。自社にどんな波があるかは、自社のデータでしか分かりません。

過去の応募日時を集計する。1時間でできる手順

難しい分析は要りません。必要なのは、過去半年から1年分の応募がいつ届いたかという記録だけです。

多くの求人媒体は管理画面から応募一覧をダウンロードでき、そこに応募日時が入っています。媒体をまたぐ場合は、Excelの一枚のシートに縦に積み上げてください。列は「応募日」「応募時刻」「媒体」「職種」の4つで十分です。

そこから3つの見方で並べ替えます。

見る軸集計のしかた読み取ること
月別応募日を月ごとに件数集計掲載を厚くする月・薄くする月
曜日別応募日を曜日に変換して集計面接枠と担当者を厚くする曜日
時間帯別3時間区切りで件数集計一次連絡の時間設定、営業時間外の受け皿

たとえば仮の数字で、年間60件の応募を曜日別に並べてみたとします。月曜12件、火曜9件、水曜7件、木曜7件、金曜8件、土曜9件、日曜8件。これだけで「月曜の朝に未対応が溜まりやすい」ことが見えます。土日で17件が届き、月曜に持ち越されるからです。

注意点が2つあります。ひとつは、掲載していなかった月はゼロになるため、応募が少ないのではなく募集していなかっただけという月を分けて記録すること。もうひとつは、件数が少ない会社ほど偶然のばらつきが大きいこと。年間で10件程度なら、曜日別の差は波ではなく偶然の可能性があります。その場合は月別と時間帯別の2軸に絞って見たほうが実用的です。応募の記録そのものが残っていない場合は、応募者の記録は何を残せばいいのか。最低限の6項目から整えていくと、来年この集計ができるようになります。

波が分かったら、面接枠と担当を先に厚くする

集計で山が見えたら、次はそこに体制を合わせます。順番が大事で、応募が来てから枠を探すのでは間に合いません。

第一に、応募が集まる月は面接枠を先に押さえます。週に2枠しか取れない会社でも、山の月だけ4枠に増やせれば、候補日の提示が1週間先から2〜3日先に縮まります。枠の押さえ方は面接枠が取れない。現場が忙しい会社の面接枠の作り方で詳しく触れています。

第二に、応募が届く曜日・時間帯に合わせて対応担当を割り振ります。土日に応募が集まるなら、月曜の朝一番に応募対応の時間を確保しておく。夜間に集まるなら、翌朝の始業直後に処理する時間を予定表に書き込んでおく。担当者の「手が空いたとき」に任せると、山の週ほど後回しになります。

第三に、山の週は判断を止めない仕組みにします。書類選考の基準を事前に決めておけば、社長の確認を待たずに初回連絡まで進められます。連休を挟む時期や担当者が休む日は、あらかじめ担当者が休みの日、応募はどうなるのか。不在時の受け皿の考え方で受け皿を決めておくと、山と不在が重なる最悪のパターンを避けやすくなります。

掲載開始日を、波と自社の余力の両方からずらす

ここまでは「波に体制を合わせる」話でしたが、逆に「体制に波を合わせる」判断もあります。掲載開始日をずらすという手です。

考え方はシンプルで、応募が集まる時期と、自社が対応できる時期を重ねることです。連休明けに応募が増えると分かっていても、その週に決算や繁忙期が重なって面接官が誰も動けないなら、掲載を1週間遅らせたほうが結果は良くなることがあります。応募が10件来て2件しか面接できないより、6件来て5件面接できたほうが採用は進みます。

逆に、入社日から逆算して動かせない場合もあります。「4月に1人」が決まっているなら掲載時期の選択肢は狭く、そのときは体制側を調整するしかありません。逆算の考え方は「4月までに1人」を逆算する。採用スケジュールの引き方にまとめています。

判断の目安として、次の順で確認してみてください。

  1. 入社してほしい時期から逆算した掲載期限はいつか
  2. その期限までの間で、自社の応募が集まりやすい時期はいつか
  3. その時期に面接官と対応担当が動けるか
  4. 動けないなら、掲載をずらすか、その週だけ体制を補うか

3で「動けない」が続くなら、掲載をずらしても根本は変わりません。年間を通して山が越えられない構造なら、採用の繁忙期だけ回らない。年間の波にどう備えるかのように、期間を区切って外部の手を入れる設計も検討の対象になります。

波を見る習慣が、媒体の評価も正確にする

応募日時の集計には副産物があります。媒体ごとの評価が正確になることです。

「この媒体は反応が悪い」と感じていたものが、実は掲載した月が谷だっただけ、という場合があります。月別の件数と掲載月を並べて見ると、媒体の力と時期の影響を切り分けやすくなります。媒体を変える前の確認については求人媒体を変える前に確認したい、応募後対応の数字もあわせてご覧ください。

そして、波を把握しても結局ネックになるのは、山の週に対応する手が足りないことです。夜と土日に届いた応募を月曜朝までに受け止め、面接日まで決め切る。この部分は人の手と時間が必要で、社内の誰かが兼務で抱えている限り、繁忙と重なれば止まります。

社外採用部は、求人・媒体・スカウトなど母集団形成の運用から、応募の受付、初回連絡、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社フォローまで、面接以外の採用実務を社外の採用事務局としてお預かりするサービスです。面接そのものと採否の判断は御社が行います。月額49,800円〜、初回設計費100,000円、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りする形で、応募が集まる時期だけ厚く動くという使い方も相談できます。いま来ている応募を取りこぼさない部分も担います。

自社の応募の波を集計してみて、山の週の体制に不安が残るようでしたら、お問い合わせからご相談ください。サービス責任者の佐々木純平が、現在の応募状況と対応体制をうかがったうえで、どこを社外に出すのが現実的かを一緒に整理します。