面接の時間を過ぎても現れず、電話にも出ない。予定を空けた面接官の時間が宙に浮き、こちらの気持ちも少し冷めます。その日の夕方や翌日になって「すみません、行けませんでした」と連絡が入ることもあれば、そのまま何も来ないこともあります。
このとき経営者や総務の方が迷うのは、「もう一度声をかけるべきか」という一点です。追いかけたい気持ちと、失礼な相手に時間を使いたくない気持ちが同時にある。ただ、この判断を感情で決めていると、対応する人や日によってバラつきが出ます。この記事では是非を論じるのではなく、再設定が成立しやすい条件で切り分ける方法と、追わないと決める基準をまとめます。無断キャンセルそのものを減らす予防策は面接の無断キャンセルはなぜ起きるのか。前日までにできる予防策で扱っているので、そちらもあわせてご覧ください。
再設定が成立しやすいかは、3つの条件で見える
再打診がうまくいくケースには共通点があります。判断材料はおおむね次の3つに集約できます。
| 見る点 | 成立しやすい状態 | 成立しにくい状態 |
|---|---|---|
| 当日連絡の有無 | 当日中に本人から連絡があった | 数日たっても本人から接触がない |
| 理由が言えたか | 体調・仕事・家族の事情など具体的に説明できる | 説明がない、または話が変わる |
| 応募動機の強さ | 応募時や初回連絡で職種・条件への具体的な関心があった | 一括応募の一件で、こちらからの質問にも反応が薄かった |
3つとも当てはまるなら、声をかける価値は十分にあります。当日連絡があったということは、こちらとの関係を切りたいわけではないという合図です。反対に、3つとも当てはまらない場合、こちらが手間をかけても面接まで到達しないことが多いというのが率直な実感です。
判断が割れるのは2つだけ当てはまるケースですが、ここでの優先順位は「本人からの連絡があったかどうか」です。理由の内容そのものより、連絡する姿勢があるかどうかのほうが、その後の日程確定率と相関している印象があります。仕事の中でも、報告があるかないかで信頼が変わるのと同じ構造です。
声をかけるなら、責めずに一往復で決められる形にする
再打診の連絡でやりがちなのが、「なぜ来られなかったのですか」と最初に理由を尋ねてしまうことです。候補者はすでに気まずさを抱えているので、問い詰められると返信そのものをやめてしまいます。理由の確認は、日程が決まったあとで自然に触れれば足ります。
文面は、責めない・短い・候補日を先に出す、の3点で組み立てます。
○○様 先日はご都合が合わず残念でした。改めてお会いできればと思い、ご連絡しました。 下記のいずれかでご都合はいかがでしょうか。 ・9月12日(金)14:00〜/16:00〜 ・9月16日(火)10:00〜/15:00〜 ご希望が合わない場合は、お手数ですが可能な曜日と時間帯だけお知らせください。 9月11日(木)までにお返事がない場合は、いったん選考を見送らせていただきます。
ポイントは最後の一文です。期限を切ることは、追い立てることではありません。「いつまでに返事をすればよいか」がわかると、候補者は判断しやすくなります。また、返事が来なかったときにこちらが引きずらずに済むという効果もあります。期限は、送信から2〜3営業日程度を目安にすると重くなりにくいでしょう。
連絡手段は、電話が1回つながらなければSMSやメールに切り替えます。手段の使い分けは応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番で詳しく整理しています。
追わないと決める基準を、先に文章にしておく
人手が限られる会社ほど、「どこで区切るか」を事前に決めておくことが効いてきます。おすすめは、次のような一文を応募対応のルールに書き足しておくことです。
- 無断キャンセル後、こちらからの連絡は最大2回まで(電話1回+SMSまたはメール1回)
- 2回目の連絡に記載した期限を過ぎたら、選考終了として記録する
- 本人から後日連絡があった場合は、そこから改めて1回だけ日程を提示する
回数を決めておくと、担当者が「もう一度かけるべきか」と毎回悩まずに済みます。判断を人に委ねず、ルールに委ねる。これは冷たいのではなく、対応の質を一定に保つための仕組みです。
もう一つ大事なのは、追わないと決めたあとに何もせず放置しないことです。「今回は選考を見送らせていただきます。ご縁がありましたらまたご応募ください」と一言送って終える。この一手間が、地域での会社の見え方に効いてきます。連絡が途絶えた相手への向き合い方は選考中の音信不通にどう備えるか。連絡が途絶える前にできることでも触れています。
再打診に手をかける価値は、母集団の大きさで変わる
同じ無断キャンセルでも、月に応募が30件ある会社と3件しかない会社では、追う価値がまったく違います。
たとえば仮の数字として、月の応募が3件で、そのうち1件が無断キャンセルだったとします。この1件を諦めると、その月に会える候補者は2人だけです。一方、月30件の応募があるなら、1件の再打診に30分かけるより、新しい応募への初回連絡を早めるほうが成果につながりやすい場面もあります。
つまり「声をかけるべきか」は、候補者側の条件だけでなく、自社の応募状況にも左右されます。まずは自社の応募件数と面接設定率を把握しておくと、この判断がぶれにくくなります。測り方は面接設定率という指標。応募からの歩留まりを測る第一歩にまとめました。
一度きりの対応で終わらせず、記録に残す
再打診したかどうか、いつ・どの手段で・どんな返事だったか。これを1行でよいので残しておくと、同じ候補者から数ヶ月後に再応募があったときに判断できます。「前回も当日連絡なしだった」とわかれば、今度は面接前の確認を一段厚くする、といった対応が取れます。
無断キャンセルへの対応は、それ単体では小さな作業です。ただ、応募受付から初回連絡、日程調整、前日リマインド、そして今回のような例外対応まで含めると、片手間で回すには細かすぎる仕事でもあります。社外採用部は、この応募後のやり取りを丸ごと引き受ける採用事務局です。月額49,800円〜(初回設計費100,000円、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積り)で、再打診するかどうかの基準づくりから、文面のテンプレート整備、実際の連絡までをご一緒します。責任者の佐々木がお話をうかがいますので、自社の場合はどこで区切るのが妥当か、こちらからお気軽にご相談ください。
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