「人柄も良くて、指導もできそうだった。でも、うちが埋めたい火曜と木曜の夜には入れないと言われた」——学習塾やスクールの講師採用では、面接まで進んだあとにこうしたすれ違いが起きます。教室長が授業の合間を縫って1時間の面接を組んだ結果、条件が合わないことだけがわかって終わる。これが繁忙期に何件も重なると、採用そのものが後手に回っていきます。

学生講師や兼業の社会人講師にとって、勤務できる曜日とコマ数は最優先の条件です。裏を返せば、この情報は面接で確かめることではなく、応募の直後に確かめておけることでもあります。本記事では、初回連絡でどこまで詰めておくか、そして春期・夏期前の大量募集をどう段取るかを、教室の実務に沿って整理します。

面接まで進んでも、コマが合わなければ決まらない

塾・スクールの求人には、他業種にはない特徴があります。ひとつは、埋めたい枠が「曜日×時間帯×科目」という細かい単位で決まっていること。もうひとつは、講師の側にも大学の時間割やアルバイトの掛け持ち、本業の終業時刻といった動かしにくい事情があることです。

一般的な中途採用なら、入社後に配置を調整する余地があります。しかし「水曜19時40分からの中学数学」という枠は、誰でも代わりに入れるものではありません。条件が合致する応募者だけが、事実上の候補になります。

ここで起きやすいのが、面接の空振りです。仮の数字で考えてみます。月に応募が10件あり、全員と面接をしたとして、そのうち曜日とコマが噛み合ったのが3人だとすれば、7回分の面接時間は結果として採用につながりません。教室長が1回の面接に準備と振り返りを含めて1時間を使っているなら、月7時間が別の用途に回せた時間だったことになります。応募が少ないうちは気になりませんが、募集が集中する時期にはここが効いてきます。

面接を「見極めの場」として機能させるには、その前段で条件のふるいを済ませておく。これが塾・スクールの応募対応の基本線になります。

初回連絡で押さえたい5つの確認事項

応募の受付連絡を入れる段階で、次の5点を聞いておくと、面接に進むかどうかの判断がその場でつきます。電話がつながれば5分ほど、メールやSMSでも箇条書きで返してもらえる分量です。

確認すること聞き方の例何に使うか
勤務可能な曜日「平日と土曜で、通える曜日はいかがですか」空き枠との突き合わせ
勤務可能な時間帯「開始できるのは何時ごろからでしょう」何コマ目から入れるかの判定
週あたりの希望コマ数「週に何コマくらいをお考えですか」シフト組みの前提
指導可能な科目・学年「小中高のどこまで、どの科目までいけそうですか」埋めたい枠との一致
勤務できる期間の見通し「いつごろまで続けられそうですか」学年・卒業・転勤などの確認

5つ目の「期間の見通し」は聞きにくく感じますが、塾では外せない項目です。大学4年生であれば就職活動や卒業研究の時期が読めますし、社会人の兼業講師なら本業の繁忙期がどこかを共有しておくと、後々のシフト調整が楽になります。詮索ではなく「担当を決めるうえで先に伺っておきたい」という前置きを添えると、角が立ちにくくなります。

聞く順番にもコツがあります。いきなり条件確認から入ると審査のように受け取られるため、「ご応募ありがとうございます」「どのあたりの科目に関心がありますか」と入口を作ってから、条件の話に移ると自然です。電話での進め方は電話で面接日程を決める。最初の3分の会話台本も参考になります。

学生は授業中や移動中で電話に出られないことも多いため、一度で決めようとせず、SMSで質問を先に送っておき、返信をもらってから電話をかけるという順番も有効です。連絡手段の組み立ては応募者に電話がつながらない。SMS・メールを組み合わせた連絡の順番にまとめています。

春期・夏期前の大量募集は、面接日を固める

春期講習前と夏期講習前は、講師の補充が一気に必要になる時期です。ここで応募1件ごとに教室長の空き時間を探していると、候補日の提示が数日遅れ、その間に他塾で決まってしまいます。

この時期は、面接日を先に固定してしまうほうが回ります。たとえば「毎週火曜と土曜の16時〜18時を面接枠にする」と決め、30分刻みで4枠を用意しておく。応募が来たら、その枠の中から直近の日時を提示します。候補日を考える作業が消えるため、初回連絡から面接確定までが同じ通話の中で終わります。

複数名を同じ日にまとめる場合は、来ない人が出ることを見込んで枠を用意しておくと安心です。仮に4枠のうち1枠が当日キャンセルになると想定するなら、必要人数より1〜2枠多めに押さえておく。無断キャンセルを減らす手当てとしては、前日のリマインド連絡が効きやすく、複数名分を同じ文面で一斉に送れば手間もかかりません(面接前日のリマインドメール例文。送る内容と気をつけたい一言)。

一日にまとめる段取りの考え方そのものは、倉庫・軽作業の大量募集。1日で面接をまとめる段取りでも扱っています。塾の場合は、面接後に教室を見てもらう時間を10分加えると、働くイメージが具体的になり、辞退が減りやすくなります。

保護者対応と研修の話を、どこまで面接前に出すか

学生講師が入社後に戸惑いやすいのが、指導以外の業務です。保護者からの質問への対応、面談の同席、指導報告書の記入、教室の清掃や電話番。これらを面接で初めて聞かされると、「授業だけだと思っていた」という齟齬が生まれます。

かといって、初回連絡で業務の全量を並べると、応募者は身構えてしまいます。面接前に出すのは、次の3点くらいが目安です。

一方、細かい制度説明やマニュアルの中身は面接の場で構いません。線引きの基準は「聞いていれば応募を取り下げたかもしれない情報かどうか」です。研修が無給で10時間ある、あるいは保護者面談に月1回出てもらう、といった条件は、面接前に伝えておくほうがお互いの時間を守れます。

求人票に書いた内容と面接での説明がずれると、条件そのもの以上に信頼を損ないます。初回連絡で伝えた文言は、テンプレートとして教室間で共有しておくと、担当者が変わっても説明が揃います。

教室長が授業に入っている時間に、誰が応募を受けるか

ここまでの段取りには、ひとつ前提があります。応募が来たその日のうちに、誰かが連絡できることです。

ところが塾の一日は、応募が届く夕方から夜にかけてが、そのまま授業のピークです。教室長が授業を持っていれば電話には出られず、折り返しは授業後の22時以降。翌日に回せば、学生は日中の講義でつかまりません。この時間のずれが、応募の取りこぼしをつくります。

打てる手は、大きく二つあります。ひとつは、事務スタッフや本部に一次受付を寄せて、条件確認と面接枠の提示までを授業時間外の担当者が担うこと。もうひとつは、その受け皿を社外に置くことです。

私たち社外採用部は、応募の受付から初回連絡、条件のヒアリング、日程調整、面接前後のフォロー、内定・入社までの連絡を代行する採用事務局です。教室ごとに空き枠と確認事項を最初に設計しておけば、応募が届いた時間帯に関係なく、同じ品質で一次対応が動きます。求人広告の出稿そのものを請け負うサービスではなく、応募が来たあとを引き受ける立場です。料金は月額49,800円〜、初回設計費100,000円で、以降は支援内容・工数に合わせて個別にお見積りします。

「面接まで進んでもコマが合わない」「講習前だけ手が回らない」といったご事情があれば、いまの応募数と空き枠の状況を伺ったうえで、どこから手を入れられそうかをお話しします。サービス責任者の佐々木純平がご相談を承りますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。